コント55号 宇宙大冒険

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コント55号 宇宙大冒険
監督
脚本 ジェームス三木
製作
出演者
音楽 広瀬健次郎
撮影
編集 大橋富美子
製作会社 東宝[1][2]
配給 東宝[2]
公開 日本の旗 1969年12月20日[3][4][注釈 1]
上映時間 72分[1][2]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 コント55号 俺は忍者の孫の孫
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コント55号 宇宙大冒険』(コント55ごう うちゅうだいぼうけん)は、1969年に公開された日本の映画作品。東宝チャンピオンまつり(第1回)の1作[5][2][4]。カラー、シネマスコープ[1]。同時上映は『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』『巨人の星 ゆけゆけ飛雄馬[2]

概要[編集]

当時テレビ界で人気絶頂であったお笑いコンビコント55号が主演したSFアクション喜劇[5][6][3][2][4]。東宝でコント55号が主演する作品は、本作品が最後である。コメディながら戦争風刺なども盛り込まれている[5][7][6]。一方で、コンビの持ち味は作品に活かされていない[8]

子供層にも人気であったコント55号の作品にSF要素を加えることで幅広い客層の獲得を狙っていたとされるが、以後のチャンピオンまつりではコメディアン映画はラインナップされていないため、書籍『ゴジラ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション』では低予算であった『オール怪獣大進撃』の興行に対する懸念から組み込まれたものと推測している[9]

特撮シーンでは、『世界大戦争』『緯度0大作戦』の一部が使われている[6][4]。クライマックスの核ミサイルは、『大冒険』や『宇宙大怪獣ドゴラ』から流用している[2][4]

ストーリー[編集]

時は江戸時代末期、勤皇党の坂本桂馬と新撰組の芹沢角は、芸者・小菊を巡って争っていた[3]。そこへ一人の虚無僧が現れ、丸い形をした謎の物体の中へ招き入れる。虚無僧の招待はパラド星から派遣された宇宙人ドグマであり、謎の物体はUFOだった[注釈 2]。飛び立つUFOに地上が大騒ぎするなか、あれよあれよという間に3人は宇宙へ連れられてしまう。

ドグマ曰く、パラド星連邦は平和過ぎて怠慢になりすぎたため、より好戦的な地球人を連れて来てその闘争本能を抽出したいというのだ。途中、出くわした侵略者・青髭を何とか倒し、2年半にも及ぶ宇宙旅行を経てようやく3人はパラド星に到着する。

しかし長い宇宙旅行とパラド星の快適な生活のため3人はすっかり仲良くなっており、全く好戦的ではなくなっていた。怒ったパラド星の政治家たちは「偽物を連れてきた罪」としてドグマの処刑を決定。それを知った桂馬と角は、ドグマを助けるべくわざと喧嘩を仕掛けるがパラド人にはその行為がイマイチ理解出来ず、かくして二人は科学的分析を目的として様々な競技で対決させられる羽目に。そんな中、カーレースで争っていた二人は事故で大怪我を負ってしまう。

二人はパラド星の高度な医療技術であっさり治療されるが、同時に科学者たちは2人から闘争本能の本体を抽出に成功。それを元にした薬が作られ全パラド星人に配られる。だがそれを飲んだパラド星人は活力どころか暴力的になり、至るところでデモ・殺人・暴動が頻発、さらには戦争が始まり各国は核兵器の開発に乗り出してしまう。一方で闘争本能を抽出された桂馬と角は、小菊も呆れるほどの仲良しになっていた。パラド星崩壊を察知したドグマは、そんな3人をUFOに乗せて脱出させた。そしてUFOが宇宙へ旅立った時、パラド星ではついに核戦争となって文明は崩壊、とうとう大爆発を起こして宇宙の塵と化した。

再び2年半の時が流れ、UFOは無事地球に帰還。その間、3人の間には2人の子供が産まれていた。街の様子を見に行った桂馬と角は、変わり果てた江戸の姿に驚く。彼らがパラド星に行っている間、地球では相対性理論によってなんと100年以上も時が流れていたのだ。やがて二人は街中で学生デモ隊が核戦争の危機を訴えていた姿を見て愕然とする。米ソの大使館前で戦争反対を訴えたのも空しく、二人は精神病院に収容されてしまった。

出演者[編集]

スタッフ[編集]

本編[編集]

特殊技術[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 資料によっては、「12月10日」と記述している[1][2]
  2. ^ 書籍『ゴジラ大全集』では、名称をパラド星円盤と記述している[10]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 東宝特撮映画全史 1983, p. 548, 「東宝特撮映画作品リスト」
  2. ^ a b c d e f g h 東宝チャンピオンまつりパーフェクション 2014, pp. 30–31, 「1969冬期」
  3. ^ a b c 東宝写真集 2005, p. 50, 「コント55号 宇宙大冒険」
  4. ^ a b c d e 超常識 2016, p. 223, 「Column 東宝特撮冒険映画の系譜」
  5. ^ a b c 東宝特撮映画全史 1983, pp. 436–437, 「一般映画の中の特撮」
  6. ^ a b c 石井博士ほか『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年、208頁。ISBN 4766927060 
  7. ^ ゴジラ大全集 1994, pp. 68–69, 「東宝特撮映画史 ゴジラ誕生 チャンピオンまつりの時代」
  8. ^ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション 2014, p. 161, 「東宝チャンピオンコラム ゴジラ映画以外の新作映画」
  9. ^ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション 2014, p. 124, 「プロジェクト東宝チャンピオンまつり 祭り囃子は遠くに」
  10. ^ ゴジラ大全集 1994, p. 196, 「東宝超兵器大辞典 【は】」

参考文献[編集]

外部リンク[編集]