2001年のワールドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2001年ワールドシリーズ

第3戦前のひとこま。(左から)ヤンキース監督ジョー・トーリ、この日の始球式を行うアメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュ、ダイヤモンドバックス監督ボブ・ブレンリー
チーム 勝数
アリゾナ・ダイヤモンドバックスNL 4
ニューヨーク・ヤンキースAL 3
シリーズ情報
試合日程 10月27日–11月4日
観客動員 7試合合計:36万6289人
1試合平均:05万2327人
MVP ランディ・ジョンソン(ARI)
カート・シリング(ARI)
ALCS NYY 4–1 SEA
NLCS ARI 4–1 ATL
殿堂表彰者 ランディ・ジョンソン(ARI投手)
ジョー・トーリ(NYY監督)
デレク・ジーター(NYY内野手)
マイク・ムッシーナ(NYY投手)
マリアノ・リベラ(NYY投手)
チーム情報
アリゾナ・ダイヤモンドバックス(ARI)
シリーズ出場 球団創設4年目で初
GM ジョー・ガラジオーラ・ジュニア
監督 ボブ・ブレンリー
シーズン成績 92勝70敗・勝率.568
NL西地区優勝
分配金 選手1人あたり27万9260.41ドル[1]

ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 4年連続38回目
GM ブライアン・キャッシュマン
監督 ジョー・トーリ
シーズン成績 95勝65敗・勝率.594
AL東地区優勝
分配金 選手1人あたり20万1014.06ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 FOX
実況 ジョー・バック
解説 ティム・マッカーバー
平均視聴率 15.7%(前年比3.3ポイント上昇)[2]
ワールドシリーズ
 < 2000 2002 > 

2001年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第97回ワールドシリーズ(97th World Series)は、10月27日から11月4日にかけて計7試合が開催された。その結果、アリゾナ・ダイヤモンドバックスナショナルリーグ)がニューヨーク・ヤンキースアメリカンリーグ)を4勝3敗で下し、球団創設4年目で初の優勝を果たした。

アメリカ合衆国ではこの年の9月11日、ヤンキースの本拠地都市ニューヨーク州ニューヨークにあるワールドトレードセンターなど、複数の地点へハイジャックされた航空機自爆目的で衝突するという同時多発テロ事件が発生し、3,000人近い死者を出した。その影響でMLBのシーズンが1週間にわたって中断・延期されたため、今シリーズはワールドシリーズ史上初めて、開催期間が11月に突入した。第4戦の延長10回裏、ヤンキースのデレク・ジーター打席中に日付が11月1日に変わり、その打席でジーターがサヨナラ本塁打を放ったため、ジーターは "ミスター・ノベンバー"(11月男)と呼ばれるようになった[注 1][3]。ヤンキースは続く第5戦も前の試合と同様に、2点を追う9回裏に本塁打で同点に追いついたあと延長戦の末にサヨナラ勝利し、シリーズ制覇へ先に王手をかけた。

第6戦はダイヤモンドバックスが勝利して3勝3敗のタイとし、シリーズの行方は最終第7戦へもつれ込んだ。その第7戦では、ダイヤモンドバックスが1点を追う9回裏、ヤンキースの抑え投手マリアノ・リベラを攻め立てて同点とし、さらにルイス・ゴンザレスのサヨナラ適時打で優勝を決めた。ポストシーズン史上、9回裏の攻撃をビハインドで迎えたチームの逆転サヨナラ勝利が3試合あるのは初めて[4]。また、サヨナラ安打での優勝決定は、ワールドシリーズ史上4年ぶり9度目である[5]1998年創設のダイヤモンドバックスは、その年から始まったヤンキースのシリーズ連覇を3で止めると同時に、1961年以降のエクスパンションによって創設された球団としては史上最速となる4年目での優勝を達成した[6]アリゾナ州を本拠地とするチームの北米4大プロスポーツリーグ優勝も、これが史上初である[7]

シリーズMVPには、ダイヤモンドバックスの先発ローテーションを支えた2投手、ランディ・ジョンソンカート・シリングが選出された。ジョンソンは3試合17.1イニングで3勝0敗・防御率1.04を記録、第6戦に先発登板し7.0イニング104球を投じたあと、翌日の第7戦にも救援登板し1.1イニングを無安打に抑えて逆転サヨナラ勝利を呼び込んだ。シリングは3試合21.1イニングで1勝0敗・防御率1.69を記録、第1戦→第4戦→第7戦と中3日で3先発し、全ての試合で7.0イニング以上を投げて相手打線を8三振以上・2失点以下に封じた。シリーズMVPを複数選手が同時受賞するのは、1981年シリーズロサンゼルス・ドジャースから3選手が選出されて以来20年ぶり2度目である[8]。またのちにこのふたりは、雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』選出のスポーツメン・オブ・ザ・イヤー賞も共同受賞した[9]

両チームの過去の対戦[編集]

MLBでは1997年から、アメリカンリーグ球団とナショナルリーグ球団がレギュラーシーズン中に対戦する "インターリーグ" が導入された。しかし、ダイヤモンドバックスが創設された1998年から2001年までの4年間、ダイヤモンドバックスとヤンキースの対戦は組まれていない[10]。というのも、インターリーグはこの年までの5年間、ナショナルリーグ西地区の球団はアメリカンリーグ西地区の球団と、アメリカンリーグ東地区の球団はナショナルリーグ東地区の球団と、というように対戦カードを同地区球団どうしのみに限定していたためである[11]

試合結果[編集]

2001年のワールドシリーズは10月27日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月27日(土) 第1戦 ニューヨーク・ヤンキース 1-9 アリゾナ・ダイヤモンドバックス バンク・ワン・ボールパーク
10月28日(日) 第2戦 ニューヨーク・ヤンキース 0-4 アリゾナ・ダイヤモンドバックス
10月29日(月) 移動日
10月30日(火) 第3戦 アリゾナ・ダイヤモンドバックス 1-2 ニューヨーク・ヤンキース ヤンキー・スタジアム
10月31日(水) 第4戦 アリゾナ・ダイヤモンドバックス 3-4x ニューヨーク・ヤンキース
11月01日(木) 第5戦 アリゾナ・ダイヤモンドバックス 2-3x ニューヨーク・ヤンキース
11月02日(金) 移動日
11月03日(土) 第6戦 ニューヨーク・ヤンキース 2-15 アリゾナ・ダイヤモンドバックス バンク・ワン・ボールパーク
11月04日(日) 第7戦 ニューヨーク・ヤンキース 2-3x アリゾナ・ダイヤモンドバックス
優勝:アリゾナ・ダイヤモンドバックス(4勝3敗 / 球団創設4年目で初)

第1戦 10月27日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ジュエルによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分14秒)
初回裏、クレイグ・カウンセルのソロ本塁打でダイヤモンドバックスが同点に追いつく(1分4秒)
3回裏、ルイス・ゴンザレスの2点本塁打でダイヤモンドバックスが勝ち越し(48秒)
4回裏、マーク・グレースの適時二塁打でダイヤモンドバックスが8点差に突き放す(28秒)
9回表、グレッグ・スウィンデルがホルヘ・ポサダを中飛に打ち取り試合終了、ダイヤモンドバックスが先勝(1分3秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 3 2
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 1 0 4 4 0 0 0 0 X 9 10 0
  1. カート・シリング(1勝)  マイク・ムッシーナ(1敗)  
  2. 本塁打
    ARI:クレイグ・カウンセル1号ソロ、ルイス・ゴンザレス1号2ラン
  3. 審判
    [球審]スティーブ・リプリー
    [塁審]一塁: マーク・ハーシュベック、二塁: デイル・スコット、三塁: エド・ラピュアーノ
    [外審]左翼: ジム・ジョイス、右翼: デイナ・デムス
  4. 試合開始時刻: 山岳部標準時UTC-7)午後5時8分 試合時間: 2時間44分 観客: 4万9646人 気温: 94°F(34.4°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース アリゾナ・ダイヤモンドバックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・ノブロック 1 T・ウォマック
2 D・ジーター 2 C・カウンセル
3 D・ジャスティス 3 L・ゴンザレス
4 B・ウィリアムス 4 R・サンダース
5 T・マルティネス 5 S・フィンリー
6 J・ポサダ 6 M・ウィリアムズ
7 A・ソリアーノ 7 M・グレース
8 S・ブロシアス 8 D・ミラー
9 M・ムッシーナ 9 C・シリング
先発投手 投球 先発投手 投球
M・ムッシーナ C・シリング

第2戦 10月28日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
レイ・チャールズによる試合前の愛国歌『アメリカ・ザ・ビューティフル』独唱(4分47秒)
ダイヤモンドバックスの先発投手ランディ・ジョンソンが9回11奪三振で完封勝利を挙げる(1分35秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 0 1 0 0 0 0 3 0 X 4 5 0
  1. ランディ・ジョンソン(1勝)  アンディ・ペティット(1敗)  
  2. 本塁打
    ARI:マット・ウィリアムズ1号3ラン
  3. 審判
    [球審]マーク・ハーシュベック
    [塁審]一塁: デイル・スコット、二塁: エド・ラピュアーノ、三塁: ジム・ジョイス
    [外審]左翼: デイナ・デムス、右翼: スティーブ・リプリー
  4. 試合開始時刻: 山岳部標準時UTC-7)午後6時7分 試合時間: 2時間35分 観客: 4万9646人 気温: 88°F(31.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース アリゾナ・ダイヤモンドバックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・ノブロック 1 T・ウォマック
2 R・ベラーディ 2 C・カウンセル
3 D・ジーター 3 L・ゴンザレス
4 B・ウィリアムス 4 R・サンダース
5 J・ポサダ 5 D・バティスタ
6 S・スペンサー 6 M・ウィリアムズ
7 A・ソリアーノ 7 M・グレース
8 S・ブロシアス 8 D・ミラー
9 A・ペティット 9 R・ジョンソン
先発投手 投球 先発投手 投球
A・ペティット R・ジョンソン

第3戦 10月30日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
マックス・フォン・エッセンによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分36秒)
アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュによる始球式(1分14秒)
2回裏、先頭打者ホルヘ・ポサダの本塁打でヤンキースが先制(1分5秒)
6回裏、スコット・ブロシアスの適時左前打でヤンキースが1点を勝ち越し(43秒)
7回表、ロジャー・クレメンスがトニー・ウォマックを空振り三振に仕留めてイニング終了(21秒)
ニューヨーク市警察のダニエル・ロドリゲスによる、セブンス・イニング・ストレッチでの『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱(2分)
ヤンキースの抑え投手マリアノ・リベラが8回表先頭から登板、6アウトセーブで締めてヤンキースが勝利(1分25秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 3 3
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 0 0 0 1 0 0 X 2 7 1
  1. ロジャー・クレメンス(1勝)  ブライアン・アンダーソン(1敗)  Sマリアノ・リベラ(1S)  
  2. 本塁打
    NYY:ホルヘ・ポサダ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]デイル・スコット
    [塁審]一塁: エド・ラピュアーノ、二塁: ジム・ジョイス、三塁: デイナ・デムス
    [外審]左翼: スティーブ・リプリー、右翼: マーク・ハーシュベック
  4. 夜間試合 試合時間: 3時間26分 観客: 5万5820人 気温: 52°F(11.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アリゾナ・ダイヤモンドバックス ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・カウンセル 1 DH C・ノブロック
2 S・フィンリー 2 D・ジーター
3 L・ゴンザレス 3 P・オニール
4 R・サンダース 4 B・ウィリアムス
5 DH E・デュラーゾ 5 T・マルティネス
6 M・ウィリアムズ 6 J・ポサダ
7 M・グレース 7 S・スペンサー
8 D・ミラー 8 S・ブロシアス
9 T・ウォマック 9 A・ソリアーノ
先発投手 投球 先発投手 投球
B・アンダーソン R・クレメンス

第4戦 10月31日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
リー・グリーンウッドによる試合前の『ゴッド・ブレス・ザ・USA』独唱(3分50秒)
3回裏、先頭打者シェーン・スペンサーの本塁打でヤンキースが先制(1分14秒)
4回表、マーク・グレースのソロ本塁打でダイヤモンドバックスが同点に追いつく(42秒)
5回表一死三塁、ルイス・ゴンザレスの左飛で三塁走者トニー・ウォマックがタッチアップからの生還を試みるも、左翼手スペンサーの送球が阻止し併殺でイニング終了に(1分12秒)
ヤンキース先発投手オーランド・ヘルナンデスは6.1イニングを投げ5奪三振1失点(2分14秒)
ダイヤモンドバックス先発投手カート・シリングは7イニングを投げ9奪三振1失点(2分8秒)
8回表、エルビエル・デュラーゾの適時二塁打でダイヤモンドバックスが1点を勝ち越し(1分11秒)
9回裏二死一塁、ティノ・マルティネスが金炳賢から本塁打を放ちヤンキースが土壇場で同点に(1分49秒)
10回表、ヤンキースの抑え投手マリアノ・リベラが登板し三者凡退に封じる(1分2秒)
延長10回裏、デレク・ジーターの打席の途中で日付が11月1日になる。ジーターがこの打席、金の9球目を右翼スタンドへのサヨナラ本塁打とし、ヤンキースが2勝2敗のタイに(6分34秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 0 0 0 1 0 0 0 2 0 0 3 6 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 1 0 0 0 0 0 2 1x 4 7 0
  1. マリアノ・リベラ(1勝1S)  金炳賢(1敗)  
  2. 本塁打
    ARI:マーク・グレース1号ソロ
    NYY:シェーン・スペンサー1号ソロ、ティノ・マルティネス1号2ラン、デレク・ジーター1号ソロ
  3. 審判
    [球審]エド・ラピュアーノ
    [塁審]一塁: ジム・ジョイス、二塁: デイナ・デムス、三塁: スティーブ・リプリー
    [外審]左翼: マーク・ハーシュベック、右翼: デイル・スコット
  4. 夜間試合 試合時間: 3時間31分 観客: 5万5863人 気温: 57°F(13.9°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アリゾナ・ダイヤモンドバックス ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ウォマック 1 D・ジーター
2 C・カウンセル 2 P・オニール
3 L・ゴンザレス 3 B・ウィリアムス
4 DH E・デュラーゾ 4 T・マルティネス
5 M・ウィリアムズ 5 J・ポサダ
6 S・フィンリー 6 DH D・ジャスティス
7 R・サンダース 7 S・スペンサー
8 M・グレース 8 S・ブロシアス
9 D・ミラー 9 A・ソリアーノ
先発投手 投球 先発投手 投球
C・シリング O・ヘルナンデス

第5戦 11月1日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
5回表、先頭打者スティーブ・フィンリーの本塁打でダイヤモンドバックスが先制(52秒)
二死後、ロッド・バラハスのソロ本塁打でダイヤモンドバックスが2点目を加える(1分10秒)
ヤンキースの先発投手マイク・ムッシーナは8イニングを投げ10奪三振2失点(2分56秒)
9回表のヤンキース守備中、これがヤンキー・スタジアムでの最後の試合となる右翼手ポール・オニールに対し、地元ファンが彼の名前を連呼するチャントを送る(5分5秒)
9回裏二死二塁、スコット・ブロシアスが金炳賢から本塁打を放ちヤンキースが土壇場で同点に(2分6秒)
延長11回表一死満塁、レジー・サンダースの中前へ抜けようかという打球を二塁手アルフォンソ・ソリアーノがダイビングキャッチで二直にする(52秒)
12回裏一死二塁、ソリアーノの右前打でヤンキースがサヨナラ勝利し優勝に王手(38秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R H E
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 8 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 1x 3 9 1
  1. スターリング・ヒッチコック(1勝)  アルビー・ロペス(1敗)  
  2. 本塁打
    ARI:スティーブ・フィンリー1号ソロ、ロッド・バラハス1号ソロ
    NYY:スコット・ブロシアス1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ジム・ジョイス
    [塁審]一塁: デイナ・デムス、二塁: スティーブ・リプリー、三塁: マーク・ハーシュベック
    [外審]左翼: デイル・スコット、右翼: エド・ラピュアーノ
  4. 試合開始時刻: 東部標準時UTC-5)午後8時27分 試合時間: 4時間15分 観客: 5万6018人 気温: 61°F(16.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アリゾナ・ダイヤモンドバックス ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ウォマック 1 D・ジーター
2 C・カウンセル 2 P・オニール
3 L・ゴンザレス 3 B・ウィリアムス
4 DH E・デュラーゾ 4 T・マルティネス
5 M・ウィリアムズ 5 J・ポサダ
6 S・フィンリー 6 S・スペンサー
7 R・サンダース 7 DH D・ジャスティス
8 M・グレース 8 S・ブロシアス
9 R・バラハス 9 A・ソリアーノ
先発投手 投球 先発投手 投球
M・バティスタ M・ムッシーナ

第6戦 11月3日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ダイヤモンドバックス先発投手ランディ・ジョンソンは7イニングを投げ7奪三振2失点(1分14秒)
ダイヤモンドバックス打線はヤンキース投手陣から15点を奪う(3分5秒)
9回表、トロイ・ブロホーンがクレイ・ベリンジャーを空振り三振に仕留めて試合終了、ダイヤモンドバックスの勝利でシリーズは最終第7戦へ(1分26秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 7 1
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 1 3 8 3 0 0 0 0 X 15 22 0
  1. ランディ・ジョンソン(2勝)  アンディ・ペティット(2敗)  
  2. 審判
    [球審]デイナ・デムス
    [塁審]一塁: スティーブ・リプリー、二塁: マーク・ハーシュベック、三塁: デイル・スコット
    [外審]左翼: エド・ラピュアーノ、右翼: ジム・ジョイス
  3. 夜間試合 試合時間: 3時間33分 観客: 4万9707人 気温: 91°F(32.8°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース アリゾナ・ダイヤモンドバックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・ノブロック 1 T・ウォマック
2 D・ジーター 2 D・バティスタ
3 B・ウィリアムス 3 L・ゴンザレス
4 J・ポサダ 4 G・コルブラン
5 S・スペンサー 5 M・ウィリアムズ
6 T・マルティネス 6 R・サンダース
7 A・ソリアーノ 7 J・ベル
8 S・ブロシアス 8 D・ミラー
9 A・ペティット 9 R・ジョンソン
先発投手 投球 先発投手 投球
A・ペティット R・ジョンソン

第7戦 11月4日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
地元アリゾナ州選出の連邦議会上院議員ジョン・マケインの先導で、子供2人が始球式を行う(1分33秒)
2回表、シェーン・スペンサーの打球を中堅手スティーブ・フィンリーが外野フェンス手前まで背走しながら捕球してアウトに(25秒)
ジェシー・マグワイアによるセブンス・イニング・ストレッチでの『ゴッド・ブレス・アメリカ』吹奏(1分50秒)
ヤンキースの先発投手ロジャー・クレメンスは6.1イニングを投げ10奪三振1失点(1分11秒)
8回表、アルフォンソ・ソリアーノのソロ本塁打でヤンキースが勝ち越し(1分8秒)
ダイヤモンドバックスの先発投手カート・シリングは、8回途中まで投げ9つの三振を奪う(1分9秒)
ダイヤモンドバックスは前日の先発投手ランディ・ジョンソンが8回表二死から救援登板、1.1イニングを無失点に抑える(54秒)
9回裏無死一塁、ダミアン・ミラーのバントでマリアノ・リベラが二塁へ悪送球、無死一・二塁とダイヤモンドバックスの好機が拡大(1分16秒)
一死後、トニー・ウォマックがリベラから二塁打を放ちダイヤモンドバックスが同点に(1分18秒)
さらに一死満塁となったあと、ルイス・ゴンザレスがリベラの2球目を中前へ運び、サヨナラでダイヤモンドバックスの優勝が決定(1分19秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 1 1 0 2 6 3
アリゾナ・ダイヤモンドバックス 0 0 0 0 0 1 0 0 2x 3 11 0
  1. ランディ・ジョンソン(3勝)  マリアノ・リベラ(1勝1敗1S)  
  2. 本塁打
    NYY:アルフォンソ・ソリアーノ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]スティーブ・リプリー
    [塁審]一塁: マーク・ハーシュベック、二塁: デイル・スコット、三塁: エド・ラピュアーノ
    [外審]左翼: ジム・ジョイス、右翼: デイナ・デムス
  4. 夜間試合 試合時間: 3時間20分 観客: 4万9589人 気温: 94°F(34.4°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース アリゾナ・ダイヤモンドバックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ジーター 1 T・ウォマック
2 P・オニール 2 C・カウンセル
3 B・ウィリアムス 3 L・ゴンザレス
4 T・マルティネス 4 M・ウィリアムズ
5 J・ポサダ 5 S・フィンリー
6 S・スペンサー 6 D・バティスタ
7 A・ソリアーノ 7 M・グレース
8 S・ブロシアス 8 D・ミラー
9 R・クレメンス 9 C・シリング
先発投手 投球 先発投手 投球
R・クレメンス C・シリング

最終第7戦の先発投手は、ダイヤモンドバックスはカート・シリング、ヤンキースはロジャー・クレメンス。このポストシーズンでの成績は、シリングが5試合41.0イニングで4勝0敗・防御率0.88、クレメンスが4試合20.1イニングで1勝1敗・防御率2.66である。このふたりはともに、この年のレギュラーシーズンでは20勝を挙げている。7戦4勝制のワールドシリーズが3勝3敗のタイにもつれ、最終戦でその年の20勝投手どうしが先発として投げ合うのは、1985年以来16年ぶり史上6度目である[12]。ダイヤモンドバックスGMジョー・ガラジオーラ・ジュニアはこのふたりの投げ合いを、1975年10月に行われたボクシングの世界ヘビー級タイトルマッチ "スリラー・イン・マニラ" に喩えた[13]

1991年のシーズン終了後、伸び悩む若手投手だったシリングはクレメンスに助言を請い、才能を無駄遣いしていると一喝されたことで野球に取り組む姿勢を変え、翌年以降の飛躍につなげた。それから10年が経ったこの日、クレメンスと投げ合うことについて、シリングは「個人的に大きな意味を持つ」と話す[9]。その一方で、今季はレギュラーシーズンとポストシーズンで合わせて既に297イニングを投げているうえ、それまで未経験だった中3日での先発登板を今シリーズでは第1戦→第4戦→第7戦と続けているため、腕にはかなりの痛みがあったという[14]。それでもシリングは、マウンドに上がると好投を見せる。初回表、一死から2番ポール・オニール打球が右中間を破った。オニールは二塁を回って三塁打にしようとしたが、この打球を処理した右翼手ダニー・バティスタから二塁手クレイグ・カウンセルを経て三塁手マット・ウィリアムズ送球が渡り、オニールは三塁でタッチアウトとなった。このあとシリングは16打者連続でアウトを重ね、6回表終了までオニールの一打を除いて相手打線を完璧に封じた[15]。第3戦先発投手のブライアン・アンダーソンは、シリングが崩れたときに備えて試合開始からブルペンで待機していたが、2回表が終わる頃には自分の出番がなさそうだと悟った[14]。また、捕手のダミアン・ミラーはこの日、シリングの球を受けていて「いつもと変わらない」と感じていた[16]

ロジャー・クレメンスの年齢は、この試合時点で39歳92日だった。最終第7戦の先発投手としてはシリーズ史上最高齢である[17](写真は現役引退後の2012年10月23日撮影)

対するクレメンスは、毎回走者の出塁を許す。特に最初の3イニングは、初回裏は自らの失策をきっかけに二死二塁、2回裏は与四球被安打で一死一・二塁、3回裏は2被安打で二死一・二塁、といずれも得点圏に走者を背負った。だがその都度、後続を三振に仕留めてダイヤモンドバックスの先制を阻止した。5回終了時点で両軍無得点という展開は、シリーズ最終第7戦では10年ぶり史上3度目だった[14]。この均衡が破れたのは6回裏である。この回先頭の5番スティーブ・フィンリーが中前打で出塁した。ダイヤモンドバックス先頭打者の出塁は、この試合ではこれが初めて[18]。すると次打者D・バティスタは初球を捉えて左中間を破り、フィンリーが先制のホームを踏んだ。ダイヤモンドバックスの外野は左翼のルイス・ゴンザレスのみが固定で、残り2枠にはプラトーン・システムを採用していた。この日は右のクレメンスを相手に、まず中堅に左打者のフィンリーが入った。残る右翼の候補はともに右打者のレジー・サンダースとD・バティスタで、過去のクレメンスとの対戦成績からD・バティスタが選ばれており、この選手起用がこの場面で的中した[注 2][19]。ただD・バティスタはこの打球で、初回表のオニールと同様に三塁を狙ってアウトとなり、クレメンスは1失点のみで切り抜けた。この時点で両投手の球数は、シリングが75球だったのに対しクレメンスは既に100球を超えていた[15]

試合が7回に入る頃から球場周辺の天候が荒れ始め、砂嵐がフィールドに吹き込み小雨も降り出した[14]。そのなかでヤンキースは7回表、すぐさま同点に追いついた。先頭の1番デレク・ジーターと2番オニールが連打で無死一・二塁とする。ヤンキースは3番バーニー・ウィリアムス犠牲バントをさせずに打たせ[20]、一ゴロで一塁走者オニールが封殺されて一死一・三塁となる。ここで4番ティノ・マルティネスが右前打を放ってジーターを還した。シリングは後続を外野フライに打ち取り、同点にとどめた。その裏ダイヤモンドバックスは、9番シリングから始まる打順で代打を出さなかった。この采配について監督のボブ・ブレンリーは、シリングの投球にスタミナ切れの兆しが認められないためだと説明したが、表の3被安打がいずれもライナー性の鋭い打球だったことを考えると、実際には既に限界が来ていたといえる[14]。クレメンスはシリングを三振させたあと、1番トニー・ウォマックに右前打を浴びたところでマイク・スタントン救援を仰いだ。監督のジョー・トーリはクレメンスの投球を「初球ストライクがあまりとれてなかったように思うが、うまく対処して効果的な投球を続けてくれた」と称えた[21]。ダイヤモンドバックスは、ウォマックの盗塁失敗などでこの回を無得点で終えると、前日の先発投手ランディ・ジョンソンをブルペンへ向かわせた。ジョンソンはこの日、球場入り時にブレンリーから「今夜1イニングいけるか?」と訊かれ「必要とあらば何イニングでも」と返答していた[17]

8回表、ヤンキースが1点を勝ち越す。先頭の7番アルフォンソ・ソリアーノがシリングに対し、0ボール2ストライクから5球目のスプリッターをすくい上げた。左翼手ゴンザレスがこの打球を追ったが、打球はその上を越えて外野席へ飛び込む本塁打となった。ソリアーノは「打ったとき『行ったー、これが欲しかったんだよ』って言ってた」という[22]。最終第7戦で7回以降の勝ち越し本塁打は、シリーズ史上15年ぶり5本目だった[23]。さらに一死一塁となるとダグアウトからブレンリーが出てきて、マウンド上で「よくやってくれた、君は私のヒーローだ」とシリングを労って降板を告げた[24]ミゲル・バティスタがマウンドを引き継ぎ、1番ジーターを三ゴロに打ち取ったあと、2番・左打者のオニールの打順でジョンソンが登板した。ブルペンコーチのグレン・シャーロックは「ブルペンの扉が開いて大男(ジョンソン)が出てきた途端、場内が狂ったように盛り上がって、こっちは全身鳥肌だったよ」と振り返る[17]。オニールの代打に右打者のチャック・ノブロックが送られたが、ジョンソンは右飛に抑えた。その裏、ヤンキースのブルペンからは抑え投手マリアノ・リベラが登場し、1安打を許したものの無失点とした。リベラが6番D・バティスタを空振り三振させてイニングを終えたとき、クレメンスは4連覇を確信したという[25]。ジョンソンは9回表も続投して三者凡退に封じ、試合は残すところ9回裏のみとなった。

ルイス・ゴンザレスの一打は、シリーズ史上4年ぶり9本目の優勝決定サヨナラ安打となった[5](写真は現役引退後の2017年3月22日撮影)

9回裏、先頭打者マーク・グレースが中前打で出塁し、代走デビッド・デルーチが送られる。次打者ミラーは2球目をバントした。打球はリベラの正面に転がり、リベラはマウンドを駆け下りて打球を捕ると二塁へ送球した。しかしこれが右方向へ逸れ、遊撃手ジーターのグラブも届かず中堅へ達し、無死一・二塁となった。9番ジョンソンの代打ジェイ・ベルも初球をバントしたが、リベラが今度は二塁走者デルーチを三塁で封殺して進塁を阻止した。ただ、リベラは三塁手スコット・ブロシアスの一塁送球による併殺を期待していたが、ブロシアスは封殺後すぐにプレイを止めた[14]。打順は1番ウォマックにまわる。ウォマックは今ポストシーズンで打率.235と低迷していたが[26]、代打を出されずにそのまま打席に立つと期待に応え、2ボール2ストライクから5球目のカッターを引っ張って右翼線への同点二塁打とした。さらに2番カウンセルの死球で一死満塁となり、ヤンキースは内野陣に前進守備を敷かせる。3番ゴンザレスは打席に立ち、バットを普段より指2本分短めに持った[17]FOXの全米テレビ中継では、解説のティム・マッカーバーが「リベラはバットを折って小飛球を打たせることが多いから、前進守備が裏目に出る可能性もある」と指摘していた[27]。1ストライクからの2球目、それが現実となる。内角高めへのカッターをゴンザレスがバットを折られながらも弾き返すと、打球はジーターの頭上を飛んで中前へ落ち、ダイヤモンドバックスの逆転優勝を決めるサヨナラ安打となった。

シリーズMVPは、ジョンソンとシリングのふたりが受賞した。ダイヤモンドバックスが勝利した今シリーズ4試合で、投手陣が稼いだアウト108個のうち、95個がこのふたりによるものだった[9]。シリングはこの日の試合中、ジョンソンが中0日でブルペンへ向かったことを知ったとき「自分のしたこと(中3日で先発)なんてたいしたことないと思わされたよ」という[8]。ワールドシリーズで第6戦に先発登板し勝利投手となったあと、翌日の第7戦にも救援登板したのは、1952年ビック・ラッシー以来ジョンソンが49年ぶりだった[28]。ジョンソンは「自分ひとりの功績にしてほしくないね。チームの25人全員がMVPだ」と述べた[16]

ダイヤモンドバックスのゴンザレスとヤンキースのマルティネスは、ともにフロリダ州タンパトーマス・ジェファーソン高校出身で、野球部ではチームメイトだった。試合前にふたりはフィールド上で会い、ゴンザレスがマルティネスに「今夜何が起ころうと、俺ら両方にとって夢が現実になってるよな」と話していた[17]。マルティネスはシーズン終了後にFAとなるため、これがヤンキースでの最後の試合となる可能性があった。試合後、そのことを訊かれたマルティネスは「今は答える気になれない。この状況にがっかりしていて、FAのことを考えるのは数週間後になりそうだ」と答えた[21]。翌日未明、ゴンザレスが自身の携帯電話に各所から寄せられたお祝いの連絡を確認したところ、そのなかでもかなり早めに、マルティネスから「君のことを思うと嬉しい」というメッセージが入っていた[29]

テレビ中継[編集]

アメリカ合衆国[編集]

アメリカ合衆国におけるテレビ中継はFOXが放送した。実況はジョー・バックが、解説はティム・マッカーバーが務めた。

FOXは1996年からNBCと分担する形でMLB中継に参入し、ワールドシリーズ中継はこれまでに1996年1998年2000年の3度放送していた。2000年9月、FOXは翌年以降6年間の新たな放映契約をNBCとは分け合わず、単独で締結した[30]。今シリーズの中継はこの新契約に基づくものである。FOXが中継するワールドシリーズには、今回も含めて4回連続でヤンキースが出場することとなった[31]。ヤンキースは全米屈指の人気球団であるため、FOXの広報担当者は「くじ運がいい」と喜んだ[32]。今シリーズは全7試合平均で視聴率15.7%・視聴者数2452万8000人を記録し、前年を3.3ポイント・644万7000人上回った[2]

11月4日、最終第7戦中継のでは、CBS第53回プライムタイム・エミー賞授賞式を放送した。前年は授賞式が9月10日に開催され、ABCによる中継は平均視聴者数2100万人超を記録していた[33]。2001年の授賞式は当初9月16日に開催予定だったが、同時多発テロ事件の発生とアフガニスタン紛争の開始にともない、11月4日へ延期された[34]。ワールドシリーズが最終第7戦までもつれ込んだため、ふたつのイベント中継番組が同時間帯で視聴率を争うこととなった。その結果、平均視聴者数はFOXのシリーズ第7戦中継が3910万人だったのに対し、CBSのエミー賞授賞式中継は1710万人にとどまった[35]。ただ、FOXの放送にCBSは不快感を抱いた。授賞式では3時間のうちシリーズの途中経過に触れた場面が1度あっただけだったが、シリーズ中継では受賞者が発表されるたびに速報を逐一入れていたためである[注 3][36]。授賞式中継は、アメリカ合衆国本土の4つの時間帯のうち山岳部標準時採用地域では1時間遅れ、太平洋標準時採用地域では3時間遅れの録画放送だったため、これらの地域ではシリーズ中継がネタバレを提供することとなった[24]。CBS副社長ジル・シュワルツはFOXの放送について「著しく品位に欠ける行為だ。テレビ業界全体を挙げての祝祭を台無しにしようとするなんて残念だよ」と批判した[36]

この放送は2002年4月23日に発表された第23回スポーツ・エミー賞において、最優秀中継特別番組賞を受賞した[37]

2000年
2000年のワールドシリーズ
FOX
スポーツ・エミー賞
最優秀中継特別番組賞

2001年
2002年
ソルトレークシティ
冬季オリンピック

NBC

日本[編集]

日本での生中継の放送は、日本放送協会(NHK)衛星放送チャンネル "衛星第1テレビジョン"(当時)で行われた。実況は竹林宏が、解説は高橋直樹が務めた[38]

評価[編集]

This would have ranked higher except the D-backs outscored the Yankees, 37-14. All three Yankees wins were one-run affairs, two of them extraordinary late-inning comebacks. The D-Backs, perhaps fittingly, had a comeback of their own in the breathtaking Game 7.
[訳]全7試合の総得点が37-14という大差でなければ、今シリーズはもっと上位だっただろう。ヤンキースが勝利した3試合は全て1点差で、そのうち2試合は素晴らしい終盤の逆転劇だった。一方のダイヤモンドバックスも緊迫の第7戦で逆転勝利を挙げたというのは、よくできてると言えるかもしれない。
ジョー・ポズナンスキー[39]

スポーティングニュース』のジェイソン・フォスターは、2017年のワールドシリーズ期間中に「今回のシリーズが皆の目を釘付けにする前に、よく『史上最高』として取りあげられていたシリーズは3つある」として、1975年1991年のシリーズとともにこの2001年を挙げた[40]。また同時期にWCBS-TV(CBSニューヨーク)のスティーブ・シルバーマンは、自身が観てきた1964年以降のシリーズ全52回を順位づけし、今シリーズを4位とした[41]。MLB.comのジョー・ポズナンスキーは2019年3月、シリーズの総得失点差や1点差試合および延長戦の多さなどを基準に最終第7戦までもつれたシリーズ全39回を順位づけし、こちらも今シリーズを4位とした[39]ESPNのサム・ミラーは2020年5月、出場2チームの実力がどれほど伯仲していたかやどれほど記憶に残るシリーズとなったかなどを基準に全115回のシリーズを順位づけし、今シリーズを6位とした[42]

ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2011年10月、歴代のポストシーズン各シリーズについて、面白さの数値化を試みた。「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、主観的ではなく定量的な評価を行った。その結果、同年の両リーグ優勝決定戦まで全262シリーズの平均が45ポイントだったところ、今シリーズは134.7ポイントを獲得した。これは当時106回を数えるワールドシリーズの中では1991年(137.5ポイント)と1975年(135.7ポイント)に次ぐ3位、地区シリーズやリーグ優勝決定戦を含めた全262シリーズ中でも4位の高得点だった[4]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ かつて、ポストシーズンで活躍したレジー・ジャクソンが "ミスター・オクトーバー"(10月男)と呼ばれており、ジーターのはそれを踏襲したもの。ジャクソンはオークランド・アスレチックス時代の1973年とヤンキース時代の1977年の2度、ワールドシリーズMVPを受賞している。
  2. ^ サンダースは今シリーズ第3戦がクレメンスとの初対戦で、2打数安打だった。D・バティスタは第3戦では出番がなかったものの、それ以前にクレメンスとの対戦経験があり、10打数2安打だった。
  3. ^ 授賞式の冒頭、司会のエレン・デジェネレスは視聴者へ向けて「野球の途中経過もこまめにお伝えしましょうか。あちらの放送が『助演女優賞は○○が受賞』なんていちいちやるとも思えませんし」とジョークをとばしていた。

出典[編集]

  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2020年8月30日閲覧。
  2. ^ a b "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2020年8月30日閲覧。
  3. ^ Jim Griffin, "Derek Jeter was the perfect Yankee," New York Daily News, October 13, 2019. 2020年8月30日閲覧。
  4. ^ a b Chris Jaffe, "The top ten postseason series of all-time," The Hardball Times, October 24, 2011. 2020年8月30日閲覧。
  5. ^ a b Thomas Harrigan, "Greatest walk-off clinches in World Series history," MLB.com, September 22, 2019. 2020年8月30日閲覧。
  6. ^ CBC Sports, "Diamondbacks win World Series," CBC Sports, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  7. ^ Mike DiGiovanna, "Diamond Rings," Los Angeles Times, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  8. ^ a b Associated Press, "Schilling, Johnson land the big trophies," ESPN.com, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  9. ^ a b c Tom Verducci, "The Power Of Two Spurring each other on Curt Schilling and Randy Johnson carried Arizona to victory in the World Series--and enthralled a nation," Sports Illustrated Vault, December 17, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  10. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年5月22日閲覧。
  11. ^ Darren Rovell, "Interleague attendance up, but figures deceiving," ESPN.com, July 2, 2002. 2020年8月30日閲覧。
  12. ^ Rob Neyer, "Rare show: 20-game winners in Game 7," ESPN.com, November 4, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  13. ^ Jayson Stark, "'It must be true:' D-Backs are champs," ESPN.com, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  14. ^ a b c d e f Jim Caple, "A game that history won't forget," ESPN.com, March 27, 2002. 2020年8月30日閲覧。
  15. ^ a b John Shea, "Dethroned! / Diamondbacks end Yankees' 3-year run," SFGate, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  16. ^ a b Schilling, Johnson named co-MVPs”. MLB.com (2001年5月11日). 2010年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
  17. ^ a b c d e Tom Verducci, "DESERT CLASSIC," Sports Illustrated Vault, November 12, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  18. ^ Shaun Powell, "WORLD SERIES 2001 / Clemens Came Through When It Counted," Newsday, November 4, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  19. ^ Roch Kubatko, "Too hot to handle: Brenly picks between Bautista and Sanders," Baltimore Sun, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  20. ^ Ben Walker, "Johnson does it to Yankees again," The Middletown Press, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  21. ^ a b Mark Feinsand, "Yankees report: Game 7," MLB.com, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  22. ^ Anthony McCarron, "Former Yankee Alfonso Soriano remembers homer he thought won the World Series city needed after 9/11," New York Daily News, September 10, 2011. 2020年8月30日閲覧。
  23. ^ Matt Bonesteel, "The 12 crazy stats that define the Nationals’ World Series title," The Washington Post, October 31, 2019. 2020年8月30日閲覧。
  24. ^ a b Adam McCalvy, "Media Beat: Brenly's mike pays dividends," MLB.com, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  25. ^ Mike DiGiovanna, "Clemens Getting Ahead of Himself," Los Angeles Times, November 16, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  26. ^ David Schoenfield, "At-bat of the night: Womack again the hero," ESPN.com, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  27. ^ Rob Neyer, "Notes on Game 7," ESPN.com, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  28. ^ Jim Caple, "Throwback effort shows Unit's a true champion," ESPN.com, November 6, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  29. ^ Buster Olney, "BASEBALL; Playing With a Certain Kind of Confidence," The New York Times, June 10, 2002. 2020年8月30日閲覧。
  30. ^ AP, "Fox Lands Postseason TV Rights," CBS News, September 27, 2000. 2020年8月30日閲覧。
  31. ^ Richard Sandomir, "TV SPORTS; Postseason Minus Pinstripes for Fox," The New York Times, October 8, 2002. 2020年8月30日閲覧。
  32. ^ Chris Isidore, "Fox may yet love NY series," CNNmoney, October 24, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  33. ^ David Williams, "Baseball, Emmys offer respite from war," CNN.com, November 4, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  34. ^ Bernard Weinraub, "Subdued Patriotism Replaces Glitter as Television Finally Presents Its Emmys," The New York Times, November 5, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  35. ^ Brian M. Raftery, William Keck and Allison Hope Weiner, "Runnin' on Emmy," EW.com, November 16, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  36. ^ a b Lisa de Moraes, "Foul Ball: Fox Network Spoils Emmys' Surprise," The Washington Post, November 6, 2001. 2020年8月30日閲覧。
  37. ^ "The Eleven: Fox Comes Away As Big Winner At Sports Emmys," Sports Business Daily, April 24, 2002. 2020年8月30日閲覧。
  38. ^ MLB・アメリカ大リーグ」「MLB・アメリカ大リーグ」「MLB・アメリカ大リーグ」「MLB・アメリカ大リーグ」「MLB・アメリカ大リーグ」「MLB・アメリカ大リーグ」および「MLB・アメリカ大リーグ」 『NHKアーカイブス』。2021年11月28日閲覧。
  39. ^ a b Joe Posnanski, "Ranking every 7-game World Series," MLB.com, March 12, 2019. 2020年8月30日閲覧。
  40. ^ Jason Foster, "World Series 2017: Dodgers, Astros making case for best Fall Classic ever," Sporting News, October 31, 2017. 2020年8月30日閲覧。
  41. ^ Steve Silverman, "Silverman: Astros-Dodgers Not Yet An All-Time Great World Series," CBS New York, October 31, 2017. 2020年8月30日閲覧。
  42. ^ Sam Miller, "Ranking every World Series in MLB history," ESPN.com, May 4, 2020. 2020年8月30日閲覧。

外部リンク[編集]