ワイルドカードシリーズ

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ワイルドカードシリーズ: Wild Card Series, WCS)は、メジャーリーグベースボールにおいて、2022年から採用されている一連のポストシーズントーナメント1回戦に相当するステージである。日本語では地区シリーズ進出決定戦とも訳される。

概要[編集]

アメリカンリーグ
西地区 中地区 東地区
ヒューストン・アストロズ シカゴ・ホワイトソックス ボルチモア・オリオールズ
ロサンゼルス・エンゼルス クリーブランド・ガーディアンズ ボストン・レッドソックス
オークランド・アスレチックス デトロイト・タイガース ニューヨーク・ヤンキース
シアトル・マリナーズ カンザスシティ・ロイヤルズ タンパベイ・レイズ
テキサス・レンジャーズ ミネソタ・ツインズ トロント・ブルージェイズ
ナショナルリーグ
西地区 中地区 東地区
アリゾナ・ダイヤモンドバックス シカゴ・カブス アトランタ・ブレーブス
コロラド・ロッキーズ シンシナティ・レッズ マイアミ・マーリンズ
ロサンゼルス・ドジャース ミルウォーキー・ブルワーズ ニューヨーク・メッツ
サンディエゴ・パドレス ピッツバーグ・パイレーツ フィラデルフィア・フィリーズ
サンフランシスコ・ジャイアンツ セントルイス・カージナルス ワシントン・ナショナルズ

3地区の優勝チームに加え、地区優勝を逃したチームのうち、勝率の高い3チームをワイルドカードとして6チームでポストシーズンは行われる。地区優勝チームは勝率順にシード1,2,3が割り当てられる。ワイルドカードチームは勝率順にシード4,5,6が割り当てられる。シード1,2はワイルドカードシリーズが免除されて直接ディビジョンシリーズに進出する。シード3,4,5,6がワイルドカードシリーズを戦う。

シード、地区優勝、およびワイルドカードのチームを決定する際、勝率が同じチームが存在した場合はタイブレーカーが適用される。

ワイルドカードは次の2カードとなる。シード3(地区優勝チームの中で最低勝率チーム)がシード6と戦い、シード4がシード5と戦う。シード順の高いチームの本拠地球場にて3戦2勝制を争い、その勝者が、ディビジョンシリーズへ進出する。

ディビジョンシリーズでは、シード3と6の勝者がシード2と戦い、シード4と5の勝者がシード1と戦う。

レギュラーシーズンを別表に示した3地区制にした1994年[1]から2011年までは、各地区の1位チーム3チームに加え、2位の中の最高勝率チーム1チームをワイルドカードとしてプレーオフのリーグセミファイナルに当たる1回戦・ディビジョンシリーズに出場させていた。2012年から2021年までは、ワイルドカードゲームとして、地区優勝3チームを除いたリーグの勝率上位2チームがワイルドカードへのノミネートチームとして進出するかたち[2]を取り、そこでの1試合でのプレーオフで勝利したチームが、ワイルドカードチームとして、このときからプレーオフの2回戦となったディビジョンシリーズへの進出ができるようになっていた。

歴代結果[編集]

アメリカンリーグ[編集]

開催年 地区1位の最低勝率チーム
(ホーム球団)
対戦成績 第3ワイルドカード
(ビジター球団)
第1ワイルドカード
(ホーム球団)
対戦成績 第2ワイルドカード
(ビジター球団)
2022 クリーブランド・ガーディアンズ 2-0 タンパベイ・レイズ3位) トロント・ブルージェイズ2位) 0-2 シアトル・マリナーズ西2位)
2023 ミネソタ・ツインズ 2-0 トロント・ブルージェイズ3位) タンパベイ・レイズ2位) 0-2 テキサス・レンジャーズ西2位)

ナショナルリーグ[編集]

開催年 地区1位の最低勝率チーム
(ホーム球団)
対戦成績 第3ワイルドカード
(ビジター球団)
第1ワイルドカード
(ホーム球団)
対戦成績 第2ワイルドカード
(ビジター球団)
2022 セントルイス・カージナルス 0-2 フィラデルフィア・フィリーズ3位) ニューヨーク・メッツ2位) 1-2 サンディエゴ・パドレス西2位)
2023 ミルウォーキー・ブルワーズ 0-2 アリゾナ・ダイヤモンドバックス西2位) フィラデルフィア・フィリーズ2位) 2-0 マイアミ・マーリンズ3位)

出典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ただし、1994年は労使交渉によるストライキのため途中打ち切り、ポストシーズンも行われなかったため、実際に行われたのは1995年からである
  2. ^ 2020年のみ新型コロナウィルスによる日程変更のため、各地区の上位2チームずつ6チームと、3位以下の中から2チームをワイルドカードノミネートチームとして扱っていた。