セガサミーフェニックス

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セガサミーフェニックス
2018年創設(6年目)
所属選手
戦績
優勝(0回)
ファイナル進出(2/6)
オーナー企業
セガサミーグループ

セガサミーフェニックスは、競技麻雀のチーム対抗戦のナショナルプロリーグ・Mリーグのチーム。セガサミーグループがオーナー企業となり、2018年に設立された。

概要[編集]

Mリーグ発足初年度から参加する7チームのうちの一つで、チーム名には、「不死鳥のように、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で最後まで諦めず戦います」という想いが込められている。

サンロッカーズ渋谷B.LEAGUE)、セガサミー硬式野球部社会人野球)、SEGA SAMMY LUXD.LEAGUE)、セガサミーカップJGTOツアー)などと並んでセガサミーグループのスポーツ事業の一つとして位置づけられている[1]が、Mリーグ公式サイトにおけるオーナー表記はグループ統括会社のセガサミーホールディングス名義ではなく「エンターテインメント企業グループ『セガサミーグループ』によるチーム」とされており[2]、Mリーグの運営母体・一般社団法人Mリーグ機構の理事にはグループの子会社であるセガの常務取締役・山下滋が就任する、2020年シーズンまでの監督にセガ・インタラクティブ(現・セガ)所属のゲームクリエイター・高畑大輔が務めるなど、グループ内ではセガの関与の強いチームとなっている。

略歴[編集]

2018年8月7日に行われた第1回Mリーグドラフト会議において、1巡目に『最速マーメイド』と呼ばれ、「モンド王座」「第44期王位」「女流桜花」「女流モンド杯」を制してきた魚谷侑未、2巡目に独自の感性が導く手順が魅力で、「第37・40・41・43期最高位」「最強位」といった最高峰タイトルを獲得してきた『大魔神の系譜』近藤誠一、3巡目に『天才すぎるオンナ雀士』と称され「女流最高位」「女流モンド杯」などのタイトルを獲得した茅森早香を指名した。

2018-19シーズンでは、年内は中盤争いを繰り広げるが、1月に入り急失速し格闘俱楽部と入れ替わる形で最下位に転落。最終戦で近藤がトップを獲得するも、ボーダーのドリブンズには大きな差をつけられ、レギュラーシーズン6位での敗退となった。

2019年7月9日に行われた第2回Mリーグドラフト会議では、4人目の選手として肉食系な見た目と攻撃スタイルから「超攻撃型アマゾネス」と呼ばれ、プロクイーンを2度獲得している和久津晶を指名した。この指名でセガサミーフェニックスは8チーム中唯一、女性選手3名が所属することになった。2019-20シーズンでは、12月に失速し年内6位で終えるも、魚谷・近藤がチームを牽引し、1月から怒涛の追い上げで首位に浮上。2月には魚谷が2週連続の役満(国士無双、四暗刻)和了から独走状態に入り、2位のABEMASに200pt以上もの差をつけ、レギュラーシーズンを1位で終える。セミファイナルも安定した試合運びで長らく1位を維持するが、終盤にサクラナイツに追い上げられ2位で終える。ファイナルシリーズはサクラナイツを早々に交わし残り2戦となった時点で首位に位置する。最終日の1戦目、パイレーツとABEMASとの優勝争いでパイレーツの石橋がトップを取り、2位に転落。2戦目の南4局、魚谷が跳満を上がればトップで優勝という場面で6巡目に跳満の聴牌を入れる。しかし、アガリ牌を回収され流局となり、準優勝で終えた。

2020-21シーズンは序盤から苦しみ、中盤には最下位に転落。年明けも復調することはなく3月に突入。残り6戦時点で最下位に位置しラスを引くとセミファイナルが絶望的になる中、近藤が連投で2連対しボーダーに復帰する。しかし最終日にトップが取れず、レギュラーシーズン最下位で敗退となった。シーズン終了後、和久津との契約満了を発表した。

2021年8月2日に行われた第4回Mリーグドラフト会議では、4人目の選手として第15期夕刊フジ杯麻雀女王で、グラビアアイドルとしても活動している東城りおを指名。2021-22シーズンは、レギュラーシーズンを5位で終え、セミファイナルシリーズも突破のボーダーライン上にいたが、ライバルのU-NEXT Pirates、EX風林火山をかわして4位でファイナルシリーズ進出となった。ファイナルではKADOKAWAサクラナイツと激しい優勝争いを繰り広げ最終日を迎え、最終試合で近藤が一時はサクラナイツ堀慎吾を追い詰めるも最後は堀が突き放して2度目の準優勝となった。

前シーズンの雪辱を目指した2022-23シーズンでは、開幕戦で魚谷がU-NEXT Pirates・鈴木優との師弟対決を制する幸先のいいスタートを飾ったが、結果的に魚谷は3度の師弟対決以外でトップを取れず、トップから四暗刻単騎に放銃するという惨事などもあり、個人成績が最下位となってしまった。茅森・近藤も恵まれない展開が続き個人成績も下位に沈み(茅森が個人27位、近藤が個人28位)、東城がMVP争いに加わる奮闘をして個人9位の成績を残すも、 2度目のレギュラーシーズン最下位で敗退となってしまった。シーズン終了後、体調不良を理由に近藤誠一が勇退(契約満了)を発表、チームの慰留もあって新たに監督に就任した(2021-22シーズンより監督を務めていた吉野慎一は人事異動に伴い退任)。

2023年6月30日に行われた第6回Mリーグドラフト会議では、新監督となった近藤曰く「結果的に自分の中の第一希望が通った」という第45期最高位の醍醐大を指名、雪辱を期すことになった[3]

所属選手[編集]

シーズン 選手
2018-19 魚谷侑未[4] 近藤誠一[4] 茅森早香[4]
2019-20 和久津晶[4]
2020-21
2021-22 東城りお
2022-23
2023-24 醍醐大

監督[編集]

麻雀ゲーム「MJシリーズ」のディレクターである高畑大輔が2018-19から2020-21シーズンの3年間、監督を務めた[4]。 高畑が人事異動に伴い退任となり、後任として「MJシリーズ」の総合プロデューサーである吉野慎一が2021-22シーズンより監督として就任した。 2022-23シーズン終了後、吉野が人事異動に伴い退任となり、後任として選手として勇退を発表した近藤誠一が監督に就任することが発表された。[5]

チーム成績[編集]

総合成績[編集]

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セガサミーフェニックス シーズン成績
総合 レギュラーシーズン セミファイナル ファイナル
シーズン 総合
順位
順位 ポイント 平均 試合数 1着 2着 3着 4着 1着率 連対率 4着
回避率
順位 トータル
ポイント
SFシリーズ
ポイント
持越 試合数 1着 2着 3着 4着 順位 トータル
ポイント
Fシリーズ
ポイント
持越 試合数 1着 2着 3着 4着

2018-19 6位 6位 ▲170.1 ▲2.1 80 20 17 21 22 25% 46% 73%
2019-20 2位 1位 495.5 5.5 90 25 29 16 20 28% 60% 78% 2位 172.0 ▲75.8 247.8 16 2 6 4 4 2位 185.1 99.1 86.0 12 4 4 2 2
2020-21 8位 8位 ▲396.7 ▲4.4 90 23 16 26 25 26% 43% 72%
2021-22 2位 5位 184.2 2.0 90 25 19 23 23 28% 49% 74% 4位 120.2 28.1 92.1 16 4 4 6 2 2位 141.6 81.5 60.1 12 3 5 2 2
2022-23 8位 8位 ▲574.4 ▲6.1 94 19 22 25 28 20% 44% 70%

レギュラーシーズン[編集]

シーズン 順位 総合 選手・得点
2018-19[6] 6位 ▲170.1 近藤誠一 144.4 茅森早香 ▲65.4 魚谷侑未 ▲249.1
2019-20[7] 1位 495.5 魚谷侑未 451.4 近藤誠一 332.0 和久津晶 ▲130.0 茅森早香 ▲157.9
2020-21[8] 8位 ▲396.7 茅森早香 110.2 近藤誠一 ▲46.7 魚谷侑未 ▲179.3 和久津晶 ▲280.9
2021-22[9] 5位 184.2 茅森早香 251.6 東城りお 55.9 近藤誠一 5.4 魚谷侑未 ▲128.7
2022-23[10] 8位 ▲574.4 東城りお 163.0 茅森早香 ▲186.3 近藤誠一 ▲195.9 魚谷侑未 ▲355.2


セミファイナル[編集]

シーズン 結果 総合 持越 セミファイナル 選手・得点
2019-20 2位 172.0 247.8 ▲75.8 近藤誠一 67.5 魚谷侑未 0.5 和久津晶 ▲41.7 茅森早香 ▲102.1
2020-21 レギュラーシーズン敗退
2021-22 4位 120.2 92.1 28.2 近藤誠一 87.0 魚谷侑未 18.1 東城りお 6.3 茅森早香 ▲83.3
2022-23 レギュラーシーズン敗退

ファイナル[編集]

シーズン 結果 総合 持越 ファイナル 選手・得点
2018-19 レギュラーシーズン敗退
2019-20 2位 185.1 86.0 99.1 魚谷侑未 126.0 和久津晶 54.2 茅森早香 21.5 近藤誠一 ▲102.6
2020-21 レギュラーシーズン敗退
2021-22 2位 141.6 60.1 81.5 魚谷侑未 32.3 近藤誠一 31.6 茅森早香 14.7 東城りお 2.9
2022-23 レギュラーシーズン敗退

個人成績[編集]

選手別成績[編集]

シーズン 選手数 魚谷侑未 茅森早香 東城りお 醍醐大 近藤誠一 和久津晶
スコア 順位 スコア 順位 スコア 順位 スコア 順位 スコア 順位 スコア 順位
2018-19[6] 21 ▲249.1 18 ▲65.4 14 144.4 5
2019-20[7] 29 451.4 1 ▲157.9 23 332.0 3 ▲130.0 19
2020-21[8] 30 ▲179.3 23 110.2 9 ▲46.7 18 ▲280.9 28
2021-22[11] 32 ▲128.7 21 251.6 5 55.9 15 5.4 18
2022-23[12] 32 ▲355.2 32 ▲186.3 27 163.0 9 ▲195.9 28
2023-24 36

獲得タイトル[編集]

  • 個人スコア・MVP
魚谷侑未 2019-20
  • 最高スコア
魚谷侑未 2019-20
  • 4着回避率
近藤誠一 2019-20
  • 平均打点
茅森早香 2018-19

役満[編集]

シーズン シリーズ 日付・曜日・回 東家 南家 西家 北家 出典
2019-20 レギュラー 第15戦 全180戦 2019年10月11日 第1戦 東4局 大三元 内川幸太郎 近藤誠一 瀬戸熊直樹 藤崎智 [13]
第167戦 2020年2月27日 第1戦 東1局 国士無双 石橋伸洋 魚谷侑未 松本吉弘 前原雄大 [14]
第174戦 2020年3月3日 第2戦 南3局1本場 四暗刻 園田賢 魚谷侑未 小林剛 多井隆晴 [15]

 和了者   放銃者 

ユニフォームスポンサー[編集]

2019-20シーズン
2023-24シーズン[16]

脚注[編集]

  1. ^ スポーツ”. セガサミーホールディングス. 2023年9月14日閲覧。
  2. ^ Mリーグを構成するクラブチーム一覧”. Mリーグ. 2023年9月14日閲覧。
  3. ^ 『Mリーグ』フェニックス近藤誠一新氏、監督として初仕事 ドラフト指名の醍醐大にポーズを厳命「やってもらわないと」”. ORICON NEWS (2023年6月30日). 2023年9月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e 魚谷侑未,近藤誠一,茅森早香,和久津晶,高畑大輔(インタビュー)「【TOPICS】個性あふれる4選手が活躍自由な雰囲気で感動届ける」『朝日新聞デジタル』、2019年11月5日https://www.asahi.com/ads/mleague/clubteam/phoenix/article01/2020年3月1日閲覧 
  5. ^ https://www.segasammy.co.jp/ja/release/35717/
  6. ^ a b RANKING”. M.LEAGUE. 2019年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月16日閲覧。
  7. ^ a b M.LEAGUE公式サイト”. M.LEAGUE. 2020年3月6日閲覧。
  8. ^ a b M.LEAGUE公式サイト”. M.LEAGUE. 2021年6月28日閲覧。
  9. ^ M.LEAGUE公式サイト”. M.LEAGUE. 2022年4月9日閲覧。
  10. ^ M.LEAGUE公式サイト”. M.LEAGUE. 2024年1月21日閲覧。
  11. ^ https://m-league.jp/2021-season/
  12. ^ https://m-league.jp/2022-season/
  13. ^ まさに近藤誠一オリジナル!奇跡の手順で役満・大三元 ツモアガリに渾身の「カッ!」/麻雀・Mリーグ”. ABEMA麻雀TIMES (2019年10月12日). 2019年10月12日閲覧。
  14. ^ 光り輝く人魚姫、魚谷侑未がリーグ最高記録更新、9万4400点の特大トップ/麻雀・Mリーグ”. ABEMA麻雀TIMES (2020年2月28日). 2020年2月28日閲覧。
  15. ^ 「ウルッと来ちゃいました…」魚谷侑未、リーグ史上初1シーズン2度目の役満で個人トップに/麻雀・Mリーグ”. ABEMA麻雀TIMES (2020年3月4日). 2020年3月4日閲覧。
  16. ^ https://www.segasammy.co.jp/ja/sports/segasammy-phoenix/

外部リンク[編集]