ワルイージ

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ワルイージ
マリオシリーズのキャラクター
初登場作品マリオテニス64
声優チャールズ・マーティネー

ワルイージ(Waluigi)は、任天堂が発売したコンピュータゲームソフトのシリーズ、マリオシリーズに登場する架空の人物で、同社の登録商標(第5999894号ほか)。

ワルイージのイニシャルマーク

担当声優は『マリオテニス64』から『マリオストライカーズ バトルリーグ』までチャールズ・マーティネー

登場の背景[編集]

元々彼は純粋な任天堂キャラクターではなく、2000年7月21日発売のNINTENDO64用ソフト『マリオテニス64』開発元のキャメロットによって新たに作り出された経緯がある。デザインはキャメロット所属のグラフィックスタッフである青木文秀が担当した。

当時はテニスというゲームの特性から、型またはそれに近いキャラクターを大量に必要としており、それまでのマリオシリーズの主要人物だけでは到底足りず、デイジードンキーコングJr.等、長期にわたって出番のなかった懐かしいキャラクターまで引っ張り出された。

しかし、ワリオとダブルスを組むのにふさわしい人物が見当たらず、キャラクター選考に難航していた事から、ある社員が挙げた「ルイージライバルキャラクターを作ったらどうか?」という案が、任天堂の宮本茂との相談を経て採用された。当初は「ワイージ」という名やアメリカ側のスタッフからは「ジェロージ」や「ジナニー」などの名前が提案されたが、言いやすさやインパクトから「ワルイージ」となった[1][2]。ちなみに、ワリオのガールフレンドかつピーチのライバルとして「ワルピーチ」というキャラクター案も候補に挙がったが、こちらは「かわいくなさそう」「どうせドロンジョみたいなんでしょ」ということで却下された[3]。マリオを強調したワリオと同様に、体格はルイージを強調した長身のガリガリ体型となり、帽子には「M」を上下反転させて「W」としたワリオに倣い、「L」を上下反転させた「Γ」(ギリシャ文字の「ガンマ」の様な文字)のマークを付けた。当初、帽子のマークが「W」と「L」を重ねたデザインとなっていたが、当時の任天堂でキャラクター監修を担当していた小田部羊一から「ワリオのWはマリオのMの逆さまなんですよ」と助言を受けて「Γ」マークに変更された。髭の形は「L」をモチーフにしている。衣装の色は、マリオの、ルイージの、ワリオのに加え、ピーチのピンクやデイジーのオレンジを外した色の中で印象的なもの、それらが並んだ時の色見のバランスを考えた際にが相応しいと制作スタッフ達が判断したため紫が採用された。[1]

概要[編集]

ルイージと同い年であり彼を一方的にライバル視している(スマブラDXフィギュア名鑑より)。ルイージより長身で、かなり痩せ細った体型をしている。一人称は「オレ様」または「オレ」である。顔は、ギョロ目でが長く、ワリオと同様とがっている耳、く長いを持っており、色をベースとした服装やカイゼル髭も合わせて不気味なイメージのキャラとなった。なお、ワリオとの関係については「良き相棒」としか発表されていない。マリオ、ルイージ、ワリオ達同様、初登場から『マリオストライカーズ バトルリーグ』までの間はチャールズ・マーティネーが声優を務めており、マリオ同様に高い声を発する事が多い(むしろ、彼より高い声を発しているゲームもある)。主な登場作品はマリオカートシリーズマリオパーティシリーズ等のレースゲームとスポーツゲーム、パーティゲーム作品でプレイヤーキャラクターとして登場するのがメインであり、スーパーマリオシリーズ等のアクションゲームやペーパーマリオシリーズ等のRPG、アドベンチャー系の作品にワルイージ本人が直接登場したことは無い。但し、彼に関係する要素として『ペーパーマリオRPG』や『スーパーマリオオデッセイ』ではマリオの服を彼の服と同じ色に変えることが可能であり、『スーパーマリオメーカー』ではキャラマリオの一種としてワルイージの姿に変身することが可能である。

性格設定に関する詳しい発表は無いが、長い手足によるトリッキーなプレイスタイルや「パワフルさ」が自慢であるワリオの相棒ということもあり、「ずる賢さが自慢、頭脳派」と描写される傾向が強い。ゲーム中では非常に自信たっぷりで高飛車な言動を見せ、ナルシストと思われる面を時折覗かせており、『マリオパーティ8』では、スター獲得時とゲーム勝利時はバラを片手に、もう片方の手で帽子の鍔を掴むキザなポーズを見せた。そのほか同ゲームのおじゃまボイスでは「Waluigi No.1!」と発言している。『マリオテニス エース』ではムーンウォークを披露したり、スペシャルショットではバラを口に咥え、指を鳴らす仕草を見せる等、ナルシストなキャラクターが強調されている。

マリオの弟であるルイージを強くライバル視しているが、彼にとってはマリオブラザーズそのものを超えることも興味深いようである。『Dance Dance Revolution with MARIO』では単独での悪役として登場しており、マリオ(或いはルイージ)とダンスで対決をしている。『マリオテニス64』での初登場時には「大活躍をしているマリオブラザーズに対抗出来る力を備えるまで、下積みを続けてきた苦労人」という設定がなされている。また、目が光る演出を見せることもある(『マリオテニス オープン』ほか)。スポーツゲームにおいては身長や手足の長さを活かしたプレイをする(ただし、野球では投手能力が高いのみ。なお、サウスポーである)。『マリオテニスGC』以降体が非常に柔らかいという設定が追加された。ゲーム中でもビールマンスピンイナバウアーを見せたり、『マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック』のフィギュアスケートでは、体の柔らかさを利用して実際のプロ選手並の華麗な演出を見せている。また、同ゲームでは競技中に水色の眼鏡をかけていることがある。

相棒のワリオが重量級やパワータイプとして扱われるのに対し、ワルイージはテクニックタイプの場合が多くワリオとは差別化されることが多い。例外として『マリオカートシリーズ』では身長の関係でマリオを上回る重量が設定され、『マリオカートWii』以降では重量級として扱われている。

マリオテニスアドバンス』では初めてワリオが未登場のゲーム作品に出演した。ストーリーでは一言だけ喋る場面があり、語尾には「ザンス」をつけている。

関連人物[編集]

ルイージ
ルイージ自身は「兄(マリオ)を抜く」という目標を持っているために、普段ワルイージの事はあまり気に留めていないようである。しかし、『マリオパーティ5』以降のタッグマッチでのコンビ名が「うんめいライバルズ」であり、『マリオパーティ3』の公式イラストで彼らが火花を散らし合っているなど、時としてワルイージに強烈なライバル心を持っている。『ゲームボーイギャラリー4』ではボクシングで対決している。『マリオテニス64』でコントローラを差していない状態で電源を入れると、64の本体を持って逃げるワルイージと、コントローラを持って追いかけるルイージを見ることができる。また『いただきストリートDS』ではルイージに見下されている場面が多い。
マリオ
ルイージの兄で当シリーズの主役キャラ。ワルイージとの接点はほとんどないがワルイージ自身は打倒マリオブラザーズという目標があるためルイージと同様にマリオも一方的にライバル視することがある。
ワリオ
ワルイージの兄貴分または親友にあたり、非常に相性の良いコンビであり、2人一組で悪事を働く事が多いが、『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』の3DS版のエピソードモードでの2人の会話によると、お互いに損得勘定でコンビを組んでいる様であり、自分が得にならない事に関してはお互い組むつもりはないらしい。前述の通り詳しい関係は不明であり、マリオ・ルイージと違い、2人が兄弟という設定はないが、任天堂ゲーム機専門雑誌『Nintendo DREAM』の2008年9月号でのインタビューにて、2人の関係を尋ねられたキャメロット副社長の高橋秀五が「(ワリオとワルイージは)相棒だけど仲間じゃない、助け合っていない間柄」と返答している。[1]
また、ワリオが主役となる『ワリオランド』や『メイド イン ワリオ』にワルイージは登場した事がない。但し、『メイド イン ワリオ ゴージャス』の「ワリオのamiiboスケッチ」にて、ワリオが描いたイラストとして間接的に姿を現している。
デイジー
サラサ・ランドの姫。『マリオパーティ3』でパーティシリーズに共に初登場した。なお『マリオパーティ』シリーズで2人がコンビを組むと「イージーズ」(『マリオパーティ5』より)、「ふらわるズ」(『マリオパーティ8』より)というコンビ名になる。
『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』では相性が悪いという設定になっている。『いただきストリートDS』でもデイジーが彼を見下していたり、ワルイージ自身も対抗心を燃やしていたりしている発言がある。
クッパ
マリオのライバル。基本的にはマリオやルイージ、ワリオと同様に敵対している場面が多いが、『マリオテニスGC』のOPにおいては、利害関係が一致したことでワリオとクッパの3人で「打倒マリオ兄弟」の下、共同戦線を張っている。
マリオパーティ3』のストーリーモードにおいて、クッパの乱入でミレニアムスターがうっかり放り投げてしまった「『わるさ』のスタンプ」をワルイージが自分のものにした際、実力行使で奪おうとしてきたクッパを返り討ちにしている。
沢田ユキオの漫画『スーパーマリオくん』のマリオテニス編ではクッパの仕向けた刺客としてテレサとタッグを組んでマリオヨッシー組と対戦している。
パタパタ
『マリオテニス64』のダブルスのトーナメントで、ワルイージをプレイヤーキャラとして使用した場合に、パートナーとして登場するキャラ。『マリオテニスGC』ではパタパタのトロフィー授賞式の際にワリオと共に意地悪をしていた。
パックンフラワー
マリオパーティ3』のデュエルマップで、ワルイージの初期お助けキャラとして登場。彼をモチーフにしたボードマップ「ワルイージとう」のイメージキャラにもなっている。『マリオパーティ4』ではワルイージのプレゼントとして「パックンシャワー」というアイテムがある。
カメック
スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』で相性が良いキャラの一人。
ブワルイージ
マリオ+ラビッツ キングダムバトル』で登場する種族「ラビッツ」のうちの一体。ワルイージのような姿をしたキャラクター。「ブワリオ」と手を組み「メガドラゴン」の部下となる。

登場作品[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c ワルイージ誕生秘話(2008年 9月号より)”. Nintendo DREAM WEB. 2023年2月27日閲覧。
  2. ^ マリオテニス64開発者インタビュー”. 任天堂おんらいんまがじん。. 2023年5月26日閲覧。
  3. ^ あなたのギモン その13”. キャメロット. 2020年8月15日閲覧。

参考文献[編集]