メンバーズ・エクスチェンジ

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メンバーズ・エクスチェンジ英語: Members Exchange、MEMX)は、アメリカ合衆国証券取引所ニュージャージー州ジャージーシティに所在する。

概要[編集]

取引の一部取引所による寡占化に歯止めをかけることを目的としている。MEMX設立前の時点において、アメリカ合衆国には23もの取引所が存在するが、インターコンチネンタル取引所NASDAQシカゴ・オプション取引所の3グループに、1日あたりの株式売買高の約6割が集約が集中している。この結果、取引コストが高止まりしており、取引情報などのマーケットデータに支払う利用料金が増加していることが指摘されている。MEMXは、注文形式の簡略化、最新のテクノロジ導入などにより、市場参加者が支払う売買手数料や接続料、情報提供料などのコストの引き下げを図っている[1]

2019年1月7日モルガン・スタンレーチャールズ・シュワブEトレードシタデルフィデリティ・インベストメンツUBSバーチュ・ファイナンシャル英語版バンク・オブ・アメリカTDアメリトレード英語版の9社によって設立が発表された。設立の声明文において、「競争を高め、運営の透明性を向上させるほか、固定費を一段と引き下げ、米国内の株式トレーディング執行を簡素化させる」ことを目指すと述べられ、他の投資家からの出資も受け入れるとされた[2]

その後2020年2月に、JPモルガン・チェースゴールドマン・サックスジェーン・ストリート・キャピタル英語版が経営に参画することを発表し、注目を集めた[3]

2020年9月4日に取引を開始した[4]

MEMXは、会員制組織の取引所を標榜し、そうした組織形態が取引所と取引参加者の利害を一致させ、取引参加者のニーズに応える取引所の実現を可能にするとしている[5]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 野田幹太. “メンバーズ・エクスチェンジ(MEMX)”. 金融経済用語集. iFinance. 2021年9月8日閲覧。
  2. ^ Nick Baker「金融9社、新たな米証券取引所創設-NYSEやナスダックなどに対抗」『Bloomberg』、2019年1月8日。2021年9月9日閲覧。
  3. ^ 野田幹太 (2020年3月21日). “新設予定の米証券取引所MEMXの狙いとは?日本人投資家への影響も解説”. モトリーフール. 2021年9月8日閲覧。
  4. ^ 新たな米証券取引所MEMX、9月4日に取引開始」『ロイター通信』、2020年5月29日。2021年9月9日閲覧。
  5. ^ 大崎 貞和 (2020年10月22日). “米国における新しい株式取引所の開設”. 野村総合研究所. 2021年9月8日閲覧。

外部リンク[編集]