スズキ・セレリオ

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スズキ・セレリオ
3代目 ZXi
概要
別名 スズキ・アルト(初代)
マルチ・スズキ・Aスター(初代)
日産・ピクソ(初代)
スズキ・カルタス(2代目)
トヨタ・ヴィッツ(3代目)
製造国 インドの旗 インド(初代 - )
中華人民共和国の旗 中国(初代)
タイ王国の旗 タイ(2代目)
販売期間 2008年 -
ボディ
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
駆動方式 前輪駆動
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セレリオ(CELERIO)は、スズキが海外で製造・販売する欧州Aセグメント級の小型乗用車である。

初代(2008年 - 2014年)[編集]

スズキ・セレリオ(初代)
フロント
リア
概要
別名 スズキ・アルト(7代目海外仕様)
マルチ・スズキ・Aスター
日産・ピクソ
製造国 インドの旗 インド
中華人民共和国の旗 中国
販売期間 2008年 - 2014年
ボディ
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン K10B型 1.0 L 直3 DOHC 12 V
変速機 5速MT、4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,360 mm
全長 3,500 mm
全幅 1,600 mm
全高 1,470 mm
車両重量 890 - 895 kg
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2008年パリモーターショーにて発表された。同年12月、インドで発売開始。2009年4月から輸出が開始された。ヨーロッパなど大半の地域で「アルト」として、インドでは「Aスター」として発売され、フィリピン南アメリカ北アフリカなど一部地域で「セレリオ」の車名が使用された。

また、日産自動車にもヨーロッパ市場向けに日産・ピクソとしてOEM供給が行われた。ピクソはアルト/セレリオと異なるヘッドランプおよびフロントグリルが与えられている。

アルト/セレリオの外観は2008年1月のニューデリーオートエクスポに出展された「Aスターコンセプト」に基づいている。トヨタ・アイゴなどと同様にリアドアに嵌め殺し窓が採用されているが、一部モデルにはディビジョンバーが設けられて開閉可能になっている(画像参照)。

エンジンは1.0 L 直列3気筒K10B型エンジンが搭載され、5速MTおよび4速ATが組み合わせられた。

生産はマルチ・スズキ・インディアマーネーサル工場に集約され、世界各国に輸出された。なお、中国仕様車のみ重慶長安スズキで生産された。

日本国内でも、メーカーのテスト目的で至極少数が輸入・登録され、ディーラーに貸与された欧州仕様右ハンドル車が目撃されている。

2代目 FE42S型(2014年 - 2021年)[編集]

スズキ・セレリオ(2代目)
FE42S型
フロント
リア
インテリア
概要
別名 スズキ・カルタス(4代目)
製造国 インドの旗 インド
タイ王国の旗 タイ
販売期間 2014年 - 2021年
ボディ
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン K10B型 1.0L 直3 DOHC 12V
K10C型 1.0L 直3 DOHC 12V
E08A型 0.8L ディーゼル 直2 DOHC 8V
変速機 5速MT、5速AMTAGS)、CVT
車両寸法
ホイールベース 2,425mm
全長 3,600mm
全幅 1,600mm
全高 1,560mm
車両重量 810-830kg
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この代から車名がほぼ全世界で「セレリオ」に統一されるが、パキスタンにおいては「カルタス」を名乗る。2014年2月にニューデリーオートエクスポにて発表され[1]インド国内で発売開始した。セレリオの投入に伴い販売不振であった従来のAスターはエスティロとともに製造を終了した[2]。翌3月にはジュネーヴモーターショーバンコク国際モーターショーにも相次いで出展された[3][4]

スタイリングは2013年11月のタイモーターエキスポにて出展された「A:Wind」コンセプトに基づいている[5][4]

エンジンはインド仕様車が従来と同じK10B型1.0L 直列3気筒を搭載し、欧州仕様車にはデュアルジェット(デュアルインジェクション)システム搭載のK10C型も新たに用意される[3]。トランスミッションはインド仕様車と欧州仕様車には5速MTに加えて、新開発の「オートギヤシフト」 (Auto Gear Shift) と呼ばれる5速AMT(オートメイテッドマニュアルトランスミッション)が新たに用意された[6][1][3])。なお、マルチ・スズキではオートギヤシフトを「EZ Drive」テクノロジーと称している。一方、タイ仕様車は5速MTと副変速機付CVTが用意される[4]

インドでは発売開始から2週間で1万4000台の受注があり、うち51%をオートギヤシフト車が占めた[7]

生産はマルチ・スズキ・インディアマーネーサル工場に加えて、スズキ・モーター・タイランド(ラヨーン県)でも行われる[5][4]

2015年6月3日、インドでセレリオディーゼルが発売開始された[8][9]。搭載されるエンジンはスズキ初の自社開発ディーゼルエンジンであるE08A型 0.8L 直列2気筒 (DDiS125) であり、最高出力は35kW(47.6ps)/3,500rpm、最大トルクは125N·m/2,000rpmを発揮する。これに5速MTを組み合わせられたセレリオディーゼルは27.62km/Lの燃費性能を誇っている。

2018年 ベトナム市場で販売開始。タイからの輸入モデルとなる。

2020年5月 ベトナム市場で販売停止[10]

2020年6月12日、インドで天然ガス自動車「セレリオS-CNG」が設定された[11]。デュアルECU(電子制御ユニット)とインテリジェント噴射システムが搭載されており、同年4月にインドで施行された新排ガス基準「BS6」に適合。CNG1kgあたり30.47kmの燃費性能を実現している。

3代目(2021年 - )[編集]

スズキ・セレリオ(3代目)
フロント
リア
概要
別名 トヨタ・ヴィッツ(4代目)
製造国 インドの旗 インド
販売期間 2021年 -
ボディ
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
プラットフォーム HEARTECT(ハーテクト)
パワートレイン
変速機 5段MT/5段AMTAGS
車両寸法
全長 3,695mm
全幅 1,655mm
全高 1,555mm
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2021年11月10日、インド市場でフルモデルチェンジが発表された[12]。ヘッドライトやフロントグリルが一新され、内装はレイアウトの改善により足回りの空間が拡げられ、スマートフォンとの接続が可能な7インチのディスプレイオーディオを採用。軽量・高剛性のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が導入されたほか、エンジンには1.0Lのデュアルジェットエンジンが搭載され、トランスミッションは2代目同様に5MTとAGSオートギヤシフト)が設定される。生産は2代目同様、マルチ・スズキ・インディアのマーネーサル工場で行われ、インドでの販売を皮切りに、中南米中東アフリカへの輸出も順次開始される。

脚注[編集]

  1. ^ a b スズキ、インド・オートエクスポへの出展概要”. スズキ (2014年2月6日). 2014年3月5日閲覧。
  2. ^ Anjan Ravi (2014年2月25日). “IAB Report – Maruti A-Star and Estilo discontinued”. Indian Autos blog. 2014年3月5日閲覧。
  3. ^ a b c スズキ、Aセグメントの新型小型車「セレリオ」をジュネーブモーターショーで欧州初出品”. スズキ (2014年3月4日). 2014年3月5日閲覧。
  4. ^ a b c d スズキ、バンコク国際モーターショーに新型小型車「セレリオ」を出品”. スズキ (2014年3月25日). 2014年3月25日閲覧。
  5. ^ a b スズキ、タイモーターエキスポでコンセプトモデル「A:Wind」を発表”. スズキ (2013年11月28日). 2014年3月5日閲覧。
  6. ^ スズキ、新トランスミッション「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」を開発し、インドで公開”. スズキ (2014年1月14日). 2014年3月5日閲覧。
  7. ^ Anjan Ravi (2014年2月25日). “Report – Maruti Celerio gets 14,000 bookings, 51% for AMT variants”. Indian Autos blog. 2014年3月5日閲覧。
  8. ^ Anjan Ravi (2015年6月3日). “Maruti Celerio diesel launched at INR 4.65 lakhs – IAB Report [Updated]”. Indian Autos Blog. 2015年6月11日閲覧。
  9. ^ マルチ、「セレリオ」のディーゼル車を発売[車両]”. エヌ・エヌ・エー (2015年6月4日). 2015年6月11日閲覧。
  10. ^ Suzuki Việt Nam bất ngờ dừng bán Celerio”. Thanh Nien Newspaper (2020年5月22日). 2021年4月15日閲覧。
  11. ^ マルチスズキのグローバルコンパクト、最新天然ガス車設定…燃費はCNG 1kgあたり30km超”. Response. (2020年6月15日). 2020年9月10日閲覧。
  12. ^ スズキ、インドで新型「CELERIO(セレリオ)」を発売』(プレスリリース)スズキ株式会社、2021年11月10日https://www.suzuki.co.jp/release/d/2021/1110/2021年11月11日閲覧 

外部リンク[編集]