サンテミリオン (競走馬)

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サンテミリオン
欧字表記 Saint Emilion
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 2007年1月30日
死没 2024年3月4日(17歳没)
登録日 2009年12月10日
抹消日 2013年1月22日[1]
ゼンノロブロイ
モテック
母の父 ラストタイクーン
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 吉田照哉
調教師 古賀慎明美浦
調教助手 大西貴久[2]
競走成績
生涯成績 18戦4勝
獲得賞金 1億7674万1000円
勝ち鞍
GI 優駿牝馬 2010年
GII フローラステークス 2010年
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サンテミリオンSaint-Emilion)は。日本競走馬である。おもな勝ち鞍は2010年優駿牝馬。馬名はフランス有数のワインの産地、世界遺産であるサン=テミリオン地域に由来する。

戦績[編集]

2010年1月5日中山競馬場新馬戦芝2000mでデビュー。1番人気に応えて初戦を勝利した。2戦目は1月24日の500万下の若竹賞でここでも3番人気だったが、直線抜け出して2勝目をあげた。3戦目で初の重賞挑戦となったフラワーカップは、後ろからの競走となってしまい3着となった。陣営は桜花賞への出走を選ばず、優駿牝馬(オークス)を目標にしたローテーションを組んだ。そして4月25日フローラステークスでは1番人気に応えて重賞初制覇となった。

5月23日、雨の中で開催された優駿牝馬ではリングを着用[3]、 8枠18番という外枠での発走から中団後方を追走し、最終直線残り1ハロンあたりからアパパネとの叩き合いになり、そのまま並んで2頭がゴール板を駆け抜けた。15分近い写真判定の結果、アパパネと1着同着となった(JRA主催GIでは史上初、2021年5月1日現在でJRA主催G1での同着優勝はこのレースのみである)。この結果、鞍上の横山典弘に初の優駿牝馬優勝を、調教師の古賀慎明には初のGI制覇をもたらした。そしてゼンノロブロイ産駒にとっても初のGI優勝となった。

秋はトライアルレースを使わずに秋華賞に直行することとなった。それまで主戦を務めていた横山典弘が落馬負傷したため藤岡佑介に乗り替わりとなったが、迎えた本番ではゲート内で扉に顔をぶつけスタートで出遅れるというアクシデントに見舞われ、また頭をぶつけた際に口を切り出血していたためハミを取ることができず、終始最後方のまま6馬身の大差しんがり18着に大敗した。エリザベス女王杯では主戦の横山が武蔵野ステークスでユノゾフィーに騎乗するため、ミルコ・デムーロを鞍上に迎えたが、中団追走も直線で伸びを欠いて9着に敗れた。

2011年クイーンステークスで始動、中団追走も直線で全く伸びず最下位14着。府中牝馬ステークスでは中団後方を追走するも11着に敗れた。エリザベス女王杯では終始後方のまましんがり18着に大敗した。

2012年アメリカジョッキークラブカップで始動、好位から脚を伸ばして4着となった。ダイヤモンドステークスでは中団追走も直線で全く伸びず12着に大敗。日経賞は先団追走も直線で伸びを欠いて6着、目黒記念は最下位18着に敗れた。夏は休養し、この年はあと3走したがいずれも着外に終わった。2013年1月のアメリカジョッキークラブカップ11着を最後に現役を引退。北海道千歳市社台ファーム繁殖牝馬として供用された[4]

2024年3月4日、病気のため、繋養先の社台ファームで死亡した[5]

競走成績[編集]

以下の内容は、JBISサーチ[6]およびnetkeiba.com[7]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2010.01.05 中山 3歳新馬 芝2000m(良) 14 4 5 003.60(1人) 01着 R2:06.1(35.2) -0.2 0内田博幸 54 クォークスター 464
0000.01.24 中山 若竹賞 500万下 芝1800m(良) 9 7 7 004.50(3人) 01着 R1:51.2(34.6) -0.4 0横山典弘 54 (バシレウス) 458
0000.03.20 中山 フラワーC GIII 芝1800m(良) 16 5 9 001.60(1人) 03着 R1:50.7(34.8) -0.4 0横山典弘 54 オウケンサクラ 456
0000.04.25 東京 フローラS GII 芝2000m(良) 15 8 15 001.90(1人) 01着 R2:00.2(34.6) -0.2 0横山典弘 54 (アグネスワルツ) 454
0000.05.23 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(稍) 18 8 18 008.50(5人) 01着 R2:29.9(35.3) -同着 0横山典弘 55 アパパネ 460
0000.10.17 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 3 5 007.90(3人) 18着 R2:00.7(35.6) -2.3 0藤岡佑介 55 アパパネ 460
0000.11.14 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 4 7 012.70(5人) 09着 R2:14.0(35.4) -1.5 0M.デムーロ 54 スノーフェアリー 456
2011.08.14 札幌 クイーンS GIII 芝1800m(良) 14 7 12 024.90(7人) 14着 R1:48.4(37.1) -1.8 0藤岡佑介 55 アヴェンチュラ 480
0000.10.16 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(稍) 16 6 11 040.40(9人) 11着 R1:47.5(34.6) -0.7 0三浦皇成 56 イタリアンレッド 468
0000.11.13 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 3 6 085.7(12人) 18着 R2:14.0(35.6) -2.4 0M.デムーロ 56 スノーフェアリー 460
2012.01.22 中山 AJCC GII 芝2200m(不) 11 8 11 114.50(9人) 04着 R2:18.5(37.4) -1.2 0北村宏司 54 ルーラーシップ 472
0000.02.18 東京 ダイヤモンドS GIII 芝3400m(良) 16 7 13 033.9(11人) 12着 R3:38.0(35.8) -1.2 0北村宏司 54 ケイアイドウソジン 472
0000.03.24 中山 日経賞 GII 芝2500m(重) 14 1 1 094.1(10人) 06着 R2:38.7(37.1) -1.3 0北村宏司 54 ネコパンチ 478
0000.05.27 東京 目黒記念 GII 芝2500m(良) 18 6 11 042.80(9人) 18着 R2:33.7(37.4) -3.1 0北村宏司 54 スマートロビン 474
0000.09.23 中山 オールカマー GII 芝2200m(重) 16 5 10 101.8(13人) 07着 R2:16.3(36.3) -0.8 0三浦皇成 54 ナカヤマナイト 484
0000.11.18 福島 福島記念 GIII 芝2000m(稍) 16 2 3 022.5(12人) 08着 R2:00.4(35.5) -0.9 0藤岡佑介 54 ダイワファルコン 472
0000.12.15 中京 愛知杯 GIII 芝2000m(稍) 18 1 1 046.4(15人) 18着 R2:05.3(36.0) -1.7 0丸山元気 54 エーシンメンフィス 474
2013.01.20 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 12 8 12 116.8(10人) 11着 R2:15.7(38.3) -2.6 0北村宏司 54 ダノンバラード 478

繁殖成績[編集]

生年 馬名 毛色 厩舎 馬主 戦績
初仔 2014年 サンジュリアン 鹿毛 ハービンジャー 美浦・古賀慎明 村野康司 4戦0勝(引退・繁殖)
2番仔 2015年 ポムロール 黒鹿毛 ノヴェリスト 美浦・古賀慎明
門別・林和弘
村野康司 4戦1勝(引退)
3番仔 2016年 フロンサック 鹿毛 ワークフォース 美浦・古賀慎明 村野康司 5戦0勝(引退・繁殖)
4番仔 2017年 アントルドゥメール 黒鹿毛 ノヴェリスト 美浦・菊沢隆徳
名古屋・角田輝也
→門別・堂山芳則
村野康司
→小田隆範
16戦2勝(引退・繁殖)
5番仔 2018年 シャドウモノリス 黒鹿毛 ロードカナロア 美浦・鹿戸雄一
船橋佐藤裕太
飯塚知一 29戦10勝(現役)
6番仔 2019年 イヴニングスター 黒鹿毛 美浦・戸田博文 村野康司 14戦1勝(現役)
7番仔 2020年 ヒーリングアート 黒鹿毛 美浦・鹿戸雄一
西脇・坂本和也
村野康司
→谷口祐人
9戦0勝(現役)
8番仔 2021年 キープインマインド 鹿毛 マインドユアビスケッツ 美浦・古賀慎明 村野康司 4戦0勝(現役)
9番仔 2022年 サンテミリオンの2022 鹿毛 サートゥルナーリア (デビュー前)
  • 2024年2月22日現在

血統表[編集]

サンテミリオン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系サンデーサイレンス系
[§ 2]

ゼンノロブロイ
2000 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ローミンレイチェル
Roamin Rachel
1990 鹿毛
*マイニング Mr. Prospector
I Pass
One Smart Lady Clever Trick
Pia's Lady

*モテック
Moteck
1995 黒鹿毛
*ラストタイクーン
Last Tycoon
1983 鹿毛
*トライマイベスト Northern Dancer
Sex Appeal
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
母の母
Sudaka
1986 黒鹿毛
Garde Royale Mill Reef
Royal Way
Didia Clara Sea Break
Patria F-No.16-g
母系(F-No.) 16号族(FN:16-g) [§ 3]
5代内の近親交配 Mill Reef 12.50% 4x4、Buckpasser 6.25% 5x5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ サンテミリオン 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com サンテミリオン 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ サンテミリオン 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  4. ^ netkeiba.com サンテミリオン 5代血統表2017年8月31日閲覧。

母はフランスの重賞フロール賞勝ち馬。祖母も重賞クレオパトル賞勝ち馬である。

スポーツ紙等での略称[編集]

前述の通り、馬名の由来はサン=テミリオンなのだが、スポーツ紙等で略称で表示する際に「サンテ」あるいは「ミリオン」と、由来の言葉とは違うところで区切った略し方で表示されることが多い。

脚注[編集]

  1. ^ サンテミリオンの競走馬登録抹消”. ラジオNIKKEI. 2022年6月25日閲覧。
  2. ^ 優駿』2011年6月号 143頁
  3. ^ 『優駿』2010年7月号、43頁。 
  4. ^ サンテミリオン号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2013年1月25日). 2013年1月28日閲覧。
  5. ^ 10年オークス馬サンテミリオン、死す…17歳 病気のため アパパネとオークス同着V - Sponichi Annex 2024年3月5日
  6. ^ サンテミリオン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年3月5日閲覧。
  7. ^ サンテミリオンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2024年3月5日閲覧。

外部リンク[編集]