アナザーコード 2つの記憶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アナザーコード 2つの記憶
Another Code: Two Memories
Trace Memory
ジャンル アドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS[DS]
開発元 シング
発売元 任天堂
プロデューサー 宮川卓也
ディレクター 金崎泰輔
シナリオ 鈴木理香
人数 1人
メディア DSカード
発売日 日本の旗 2005年2月24日
欧州連合の旗 2005年6月24日
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 2005年9月26日
対象年齢 CERO:全年齢
ESRB:T
PEGI:7+
OFLC:M
テンプレートを表示

アナザーコード 2つの記憶』(アナザーコード ふたつのきおく、北米タイトル:Trace Memory、欧州タイトル:Another Code: Two Memories)は、シングが開発し任天堂より2005年2月24日に発売されたニンテンドーDSアドベンチャーゲームキャッチコピーは「さわれる推理小説」。

2009年2月5日に、続編にあたるWii用ソフト『アナザーコード: R 記憶の扉』が発売された。また、2024年1月19日には、シリーズ2作品を纏めて収録したNintendo Switch用ソフト『アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉』が発売された。いわゆる画質を向上させたリマスターではなく、ストーリーの展開に追加や変更が施されたリメイクとなる[1]

概要[編集]

主人公の少女・アシュレイが、まだ見ぬ父親リチャードに会うために「ブラッド・エドワード島」を訪れ、かつて資産家のエドワード家が暮らしていた洋館の内部に施された様々な謎に挑む。ストーリーが進むにつれ、11年前にアシュレイの目の前で起きた事件の謎、アシュレイの父リチャードと母サヨコが行っていた研究の謎などが解明されていく。また、道中で出会うゴーストの少年ディーの生前の記憶も、徐々に明らかとなる。

ゲーム内で解く謎には、ニンテンドーDSの特性(2画面やタッチスクリーン、マイク機能など)を使って解くものが多い。

テレビCMや雑誌の広告記事などにはユースケ・サンタマリアが出演した。

ストーリー[編集]

ある日、もうすぐ14歳の誕生日を迎える少女・アシュレイのもとに、1通の手紙とDASと書かれた小型の機械が届く。それは、死んだと聞かされていたアシュレイの父、リチャードからのものであった。アシュレイは、その手紙に導かれ、リチャードが待っていると記されていた地、血塗られたエドワード家の孤島「ブラッド・エドワード島」へ向かうことになる。

登場人物[編集]

声は「アナザーコード リコレクション」でのキャスト。

アシュレイ・ミズキ・ロビンズ
- 杉山里穂
本作の主人公。もうすぐ誕生日を迎える13歳の少女。3歳の誕生日の夜に起こった事件で母親が亡くなったと聞かされ、以後、叔母のジェシカと生活している。幼い頃のアシュレイがわずかに覚えている幼少期の記憶には、母親であるサヨコの姿と銃を構える男の光景が残されている。日米ハーフであり、日本人である母親譲りの黒い瞳が特徴。髪は白。誕生年は1991年で固定されているが、月日はDS本体に予め登録してある個人データが反映される[2]
物語内でアシュレイが用いる装置「DAS(ダス、Dual Another Systemの略)」は、DS版ではDS本体に似た形状、「リコレクション」ではNintendo Switch本体に似た形状をしている。
ディー(ダニエル・エドワード)
声 - 飯沼南実
ブラッド・エドワード島を57年前からさまようゴーストの少年。自分がなぜ死んだのかわからないため、天国に旅立つことができないでいる。アシュレイと出会ったことで徐々に記憶を取り戻していく。
ディーという名はフラニーが付けた愛称であり、本名はダニエル。実は父親のトーマスが遺産争いで叔父のヘンリーに殺害されるのを目撃しており、ヘンリーから逃げる途中で崖から落ちて死亡した[3]
なお、DS版では、ゲームの進め方によりディーの記憶が戻る度合いが異なり、すべての記憶を取り戻したかどうかでエンディングが分岐する。
ジェシカ・ロビンズ
声 - 岡村明美
アシュレイの育ての親である女性。リチャードの妹。高校の化学の教師。リチャードからの手紙を受け、アシュレイをブラッド・エドワード島に誘い、共に島に向かう。島に到着した際にビルと出会い監禁されるが、アシュレイに救出される[4]
リチャード・ロビンズ
声 - 森田順平[5]
アシュレイの父親。科学者。11年前に亡くなったとアシュレイは聞かされていた。娘の14歳の誕生日を共に過ごしたいと、アシュレイに手紙を送った。
ブラッド・エドワード島に移住したのは、サヨコの研究を受け継ぎ人の記憶を操作する『アナザー』を完成させるためであり、アシュレイの協力もありサヨコ殺害の真相にたどり着く[3]
サヨコ・ロビンズ
声 - 五十嵐裕美
アシュレイの母親。科学者。リチャード同様、11年前に亡くなったとアシュレイは聞かされていた。日本人。旧姓は「キタザト」。
生前は人の記憶を操作する『アナザー』を開発していた。事故などの辛い記憶を消すための装置だったが、悪用されそうになったことでにアナザーを封印。しかし、アナザーを狙うビルに殺害される[3]
ビル・エドワード
声 - 浜田賢二[5]
ブラッド・エドワード島でリチャードの研究に協力していた男性。『アナザー』を作るリチャードに食料などを提供していた[6]
サヨコを殺した犯人であり、アナザーを完成させるためにリチャードに協力していた。ジェシカを監禁し、アシュレイにリチャードを騙るなど暗躍するが、アナザーが破壊されたことで計画が瓦解。アシュレイ達の殺害を試みるが、ゴーストのディーに驚き崖から落ちて死亡した[3]。かつてブラッド・エドワード島に住んでいたフラニーの息子でもある[7]
『リコレクション』では何者かにアナザーのデータを送信する場面が追加されている[8]
ローレンス・エドワード
声 - ふくまつ進紗[5]
ブラッド・エドワード島にある屋敷の主。金鉱山で富を築いた。家出した息子のレナードが病死したことで孫にあたるトーマスとヘンリーを引き取る[6]
ヘンリー・エドワード
声 - 堀井茶渡[5]
ローレンスの孫。戦争で右手を失っている[9]。ローレンスの遺産争いで弟のトーマスを殺害してしまったことで心が壊れてしまい、妻のマリー・娘のフラニーと離別することになる[6]
トーマス・エドワード
声 - 小野塚貴志[5]
ローレンスの孫でディーの父親。戦争で心に傷を負っている。ローレンスの遺産争いで兄のヘンリーに殺害される[3]
フラニー・エドワード
声 - 吉田聖子[5]
ヘンリーの娘で、生前のディーとはよく遊んでいた[10]。ヘンリーがトーマスとディーを殺害したことで屋敷から離れる。ビルは彼女の息子である[6]
ウィリアム・ウェルズ
声 - ふくまつ進紗[5]
エドワード家の執事。疑り深いローレンスにも信用されていた。屋敷には彼の日記があり読むことができる。『リコレクション』では彼の部屋に銀食器の仕掛けがある[11]
船長
声 - 大塚明夫
アシュレイとジェシカをブラッド・エドワード島まで送った船の船長。人生経験豊富で、アシュレイにさまざまなことを教える。物語終盤でゴーストが見えることが判明する。

関連ソフト[編集]

脚注[編集]

  1. ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉 | Nintendo Switch | 任天堂”. 任天堂ホームページ. 2024年1月19日閲覧。
  2. ^ ドリマガ. ソフトバンク パブリッシング株式会社. (2005年4月1日). pp. 36,37,38,39, 
  3. ^ a b c d e アナザーコード 2つの記憶 第6章
  4. ^ アナザーコード 2つの記憶 第4章
  5. ^ a b c d e f g アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉 エンディング
  6. ^ a b c d アナザーコード リコレクション:2つの記憶 DASのキャラクター紹介
  7. ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 第7章
  8. ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 第7章
  9. ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 第2章
  10. ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 第2章
  11. ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉 第2章

外部リンク[編集]