何者 (朝井リョウ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
何者
著者 朝井リョウ
発行日 2012年11月30日
発行元 新潮社
ジャンル 青春小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 287
公式サイト 特設サイト
コード 978-4-10-333061-5
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

何者』(なにもの)は、朝井リョウの小説。2012年11月30日に、新潮社より書き下ろしで発刊。第148回直木三十五賞受賞作。

2016年10月15日に映画化作品が公開された。2017年秋に舞台化[1]

あらすじ[編集]

御山大学演劇サークルで脚本を書き、人を分析するのが得意な拓人。何も考えていないように見えて、着実に内定に近づいていく光太郎。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せる実直な瑞月。「意識高い系」だが、なかなか結果が出ない理香。就活はしないと宣言し、就活は決められたルールに乗るだけだと言いながら、焦りを隠せない隆良。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた22歳の大学生5人は、理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まる。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺などのさまざまなツールを駆使して就活に臨み、それぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就活に励む。SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が、それぞれの抱く思いを複雑に交錯し、人間関係は徐々に変化していく。やがて内定をもらった「裏切り者」が現れたとき、これまで抑えられていた妬みや本音が露骨になり、ようやく彼らは自分を見つめ直す。

登場人物[編集]

登場人物は少なく、ほとんど二宮・神谷・田名部・小早川・宮本の5人のやりとりで展開される。人物像を限定するような情報はある程度抑制され多少記号的に書かれる。

二宮拓人(にのみや たくと)
主人公。社会学部。学生サークルで演劇の脚本を作っていたが、就職活動を機にやめる。観察能力が高く、細かなことに気が付く。
神谷光太郎(かみや こうたろう)
二宮の友人で、ルームシェアをしている大学生。社会学部。学生時代はバンド活動に注力していた。性格は明るく、コミュニケーション能力が高い。
田名部瑞月(たなべみづき)
二宮の片思いの相手で、小早川の友人。社会学部。光太郎に片思いしており、一時期付き合っていたが振られている。米国でインターンシップを経験。5人の会話の中ではどちらかというと聞き役。
小早川理香(こばやかわ りか)
二宮・神谷の部屋の上の階に住む大学生。外国語学部国際教育学科。留学生交流会で田名部と知り合い、宮本とは付き合って三週間ながら同棲している。米国留学を経験。就職活動に対する意識が高く、エントリーシート記入、模擬面接、OB訪問に余念がない。毎日のできごとをポジティブな言葉で脚色したツイートを慣習的に行う。
宮本隆良(みやもと たかよし)
二宮・神谷の部屋の上の階に住む大学生。小早川の彼氏。小早川とは付き合って三週間ながら同棲している。小早川と同じ部屋に住んでいるため他3人が部屋に来た際は話に加わる。就職活動のありように批判的であり、当初は就職活動をしないと言っていたが、のちに4人に隠れて就職活動するようになる。
銀次(ぎんじ)
学生サークルで二宮とともに演劇の活動をしていた元大学生。大学をやめて自分の小劇団を設立し活動している。
サワ先輩
二宮と親交のある先輩。大学院二年。「理工学部院二年」とあるが専門は不明。

映画[編集]

何者
監督 三浦大輔
脚本 三浦大輔
原作 朝井リョウ『何者』
製作 市川南
畠中達郎
中村理一郎
弓矢政法
市村友一
髙橋誠
吉川英作
坂本健
荒波修
川村元気(企画・プロデュース)
製作総指揮 山内章弘
出演者 佐藤健
有村架純
二階堂ふみ
菅田将暉
岡田将生
山田孝之
音楽 中田ヤスタカ
主題歌 中田ヤスタカ
「NANIMONO(feat. 米津玄師)」
撮影 相馬大輔
編集 穂垣順之助
制作会社 東宝映画
製作会社 映画「何者」製作委員会
配給 東宝
公開 2016年10月15日
上映時間 97分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 10.7億円[2]
テンプレートを表示

同名タイトルの映画作品が、2016年10月15日に公開された[3]。監督・脚本は三浦大輔が担当[4]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

舞台[編集]

2017年、ジャニーズJr.阿部顕嵐Love-tune)の主演で舞台化[1][6]。東京・天王洲銀河劇場11月25日から12月10日まで上演。

キャスト(舞台)[編集]

スタッフ(舞台)[編集]

受賞[編集]

映画

脚注[編集]

外部リンク[編集]