ヤンググランプリ

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ヤンググランプリ
概要
格付け GII
概定番組 一発勝負
主催者 持ち回り
開催地 持ち回り
開催時期 12月28日
歴史
初回開催 2001年
開催回数 23回(2023年)
初代優勝者 荒井崇博
直近優勝者 太田海也(121期)
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ヤンググランプリは、毎年12月末のKEIRINグランプリ寺内大吉記念杯競輪シリーズの初日に実施される、競輪のGII競走である。

概要[編集]

1995年12月29日立川競輪場でのKEIRINグランプリシリーズ[注 1]2日目最終レース(第11レース)において、同年1月に発生した兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)の復興支援競輪(被災地支援競走)という位置付けで、企画レースとして実施された。そのため、「ヤンググランプリ」は当時としてはこの年限りで、以降暫く開催は途絶えた。

現在行われている当大会のルーツは、競輪祭の一環として行われた「浜田賞・全日本競輪新人王決定戦」(GI相当)であり、通常の競輪レースと同じくトーナメント形式として開催され、初期では優勝者に特典として全日本競輪王決定戦の決勝レース出場資格が与えられていたこともあった。

1999年度からの競輪の番組改正により競輪祭は6日間制から4日間制に短縮された(2018年より再度6日間化)関係で、新人王決定戦はトーナメント方式での開催は取りやめとなり、過去1年半以内のデビュー選手で競走成績が最優秀の選手9人により競輪祭最終日(4日目)に一発勝負で新人レーサー日本一を決定することとなった。しかし、2001年度からの競輪の番組制度改革に伴い競輪祭の開催が1月に変更されたため[注 2]新人王レースは廃止され、それに代わる新人レーサー実力日本一決定戦として、1995年に行ったヤンググランプリの名称を復活させ、それまでの新人王レースに替わる位置づけとしたのがこの大会であり、開催時期も1995年の時と同じく12月のKEIRINグランプリ開催前日(グランプリシリーズ開催2日目、基本的には12月29日)となった。なお、選手の選抜方法は競輪祭・新人王決定戦が単発レースとして行われた時代と同じである。なお、当レースではS級・A級混合で行われるが、通常はS級からのみで9名が選出されるためA級から選出されることは稀である。

2008年より12月29日には新設GIのSSカップみのりが行われることになったため、ヤンググランプリはその前日の12月28日に開催されることになったが、特別競輪の開催見直しにより2012年から再び開催日が12月29日に戻されることになった。

2016年の第16回からは、冠競走として行われている(2016年と2019年は楽天・Kドリームス協賛、2017年と2018年はチャリロト協賛、2020年以降はWINTICKET協賛)。

2020年の第20回はCOVID-19流行と感染拡大を防止する観点から入場は事前申込制とした上で、神奈川県在住のみで最大2000名[注 3]と制限した上での開催となった[2]。また、翌2021年の第21回は、一般入場については事前申込は不要ながら静岡本場の場内滞留が5,000名[注 4]を超えた場合は入場制限を実施するとした上で開催された。

2022年の第22回から、それまでKEIRINグランプリシリーズ初日に行われていたガールズグランプリと日程を入れ替え、2011年以来11年ぶりに再度12月28日の開催となった[3]。なお、開催当日は平塚本場の入場者数が先着20,000名を超えた場合は入場制限を実施するとしていたが、実施しなかった[注 5]

賞金[編集]

各着順における賞金額は、以下の通り。( )内は副賞(1着に授与)を含んだ金額[4]

1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着
470万円(650万円[5] 234.6万円 142.2万円 94.8万円 75.2万円 65.4万円 56.9万円 51.7万円 47.0万円

出場選手選抜方法[編集]

ヤンググランプリの出場選手は、KEIRINグランプリ出場者を除く若手選手の中から、以下の優先順位に従って正選手9名・補欠1名が選抜される。

  • 出場資格…開催当年から数えて2年以内[注 6]にデビューした男子選手。開催当年と、開催前年、開催前々年にデビューした計3期の男子選手が対象となる。
  • 選考期間…当年1月 - 9月(9ヶ月間)※ただし、当年デビューの場合は7月 - 9月(3ヶ月間)のみ
  • 選考月…10月
  • 最低出走回数…36出走※ただし、当年7月デビューの場合は12出走[注 7]
  1. 当年に夏季オリンピックが開催された場合は、そのオリンピックにおけるトラックレース競技の代表選手
  2. 平均競走得点上位者を、S級在籍者から順次選抜し、9名に達しない場合はA級在籍者からも選抜する
  3. 選考期間における平均競走得点が同点だった場合は、選考期間における選考用賞金獲得額上位者を上位とする

なお、補欠選手は正選手を除く平均競走得点上位者からさらに順次選抜される。

ヤンググランプリに選ばれた選手においては、のち当年のKEIRINグランプリに選ばれた場合、KEIRINグランプリの出場資格を付与し、ヤンググランプリについては補欠選手を繰り上げることになっている[7]

過去の優勝者[編集]

開催日 開催場 出場資格 優勝者
氏名 期別 府県
1 2001年12月29日 平塚 82期- 荒井崇博 82期 佐賀
2 2002年12月29日 立川 84期- 渡部哲男 84期 愛媛
3 2003年12月29日 京王閣 85期- 岡田征陽 85期 東京
4 2004年12月29日 立川 86期- 海老根恵太 86期 千葉
5 2005年12月29日 平塚 87期- 山崎芳仁 88期 福島
6 2006年12月29日 京王閣 88期- 金成和幸 88期 福島
7 2007年12月29日 立川 89期- 菊地圭尚 89期 北海道
8 2008年12月28日 平塚 90期- 飯野祐太 90期 福島
9 2009年12月28日 京王閣 91期- 神山拓弥 91期 栃木
10 2010年12月28日 立川 92期- 深谷知広 96期 愛知
11 2011年12月28日 平塚 95期- 柴田竜史 96期 静岡
12 2012年12月29日 京王閣 97期- 松岡篤哉 97期 岐阜
13 2013年12月29日 立川 99期- 猪俣康一 99期 愛知
14 2014年12月29日 岸和田 101期- 近藤龍徳 101期 愛知
15 2015年12月29日 京王閣 103期- 野口大誠 105期 熊本
16 2016年12月29日 立川 105期- 渡邉雄太 105期 静岡
17 2017年12月29日 平塚 107期- 鈴木竜士 107期 茨城
18 2018年12月29日 静岡 109期- 太田竜馬 109期 徳島
19 2019年12月29日 立川 111期- 松本貴治 111期 愛媛
20 2020年12月29日 平塚 113期- 松井宏佑 113期 神奈川
21 2021年12月29日 静岡 115期- 小原佑太 115期 青森
22 2022年12月28日 平塚 117期- 菊池岳仁 117期 長野
23 2023年12月28日 立川 119期- 太田海也 121期 岡山

テレビ中継[編集]

2015年までは地上波・BSでも放送されていたが、2016年[注 8] - 2021年SPEEDチャンネルのみの中継になっていた。

2022年以降は、BS日テレでも『坂上忍の勝たせてあげたいTV 若手人力最速王決定戦 ヤンググランプリ2022・2023』として放送され、同年はレース中継としては世界初となる「自由視点映像」も導入された[8][9]

今後の開催予定[編集]

  • 第24回(ヤンググランプリ2024) - 2024年12月28日 (静岡競輪場)
  • 第25回(ヤンググランプリ2025) - 2025年12月28日 (平塚競輪場)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 当時は、立川競輪場にてKEIRINグランプリが開催される場合のみ「阿佐田哲也杯」として行われていた。
  2. ^ 2001年は競輪祭の開催はなく、2002年1月に開催された。競輪祭は、のち11月開催に戻されている。
  3. ^ 実際は、919人が入場した。
  4. ^ 実際は、4,904名が入場した。
  5. ^ 実際は、2,921名が入場した。
  6. ^ なお、中川誠一郎は第1回大会から3回連続出場した[6]
  7. ^ 2020年は、COVID-19の影響であっせん状況を考慮して変更された。
  8. ^ 2014年のみBS日テレとSPEEDチャンネルのみの中継になっている。

出典[編集]

関連大会[編集]

外部リンク[編集]