モンスターハンター エピソード (漫画)

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モンスターハンター エピソード
ジャンル ファンタジー
漫画
原作・原案など モンスターハンター漫画部
作画 布施龍太
出版社 カプコン
掲載誌 モンハン部
レーベル CAPCOM COMICS
発表期間 2009年11月12日 -
巻数 全3巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

モンスターハンター エピソード』は、布施龍太による日本漫画作品。ケータイモバイル『モンハン部』で配信されたショート・ストーリーを小説化し、さらに漫画化したものである。『モンスターハンター3』の世界観を主流としている。

あらすじ[編集]

砂漠最大の街・ロックラックで海運業を営む船長。彼のところに様々なハンターが訪れ、そしてひとつひとつの物語を創っていく。船長が語り部として物語は進行していく。

ストーリー&登場人物[編集]

船長
ロックラックで海運業を営んでいる竜人族の船長。太刀使いとしても有名で、名立たるハンターも彼の船を利用し、新米ハンターにパーティーの紹介や『物語』を語ってあげるなど、面倒見がいい。語尾に「ゼヨ」を付けるクセがある。

第1話 「伝説を求めて」[編集]

とある商人から水没林の奥深くに存在すると言われている「マカライト色に輝く神殿」の話を聞いたガイユ達のパーティーは、その真相を探るべく水没林のクエストへ出発した。

ガイユ
パーティーのリーダー格で、スラッシュアックスを使う。神殿の情報を聞き、クエストがてらに捜索する事を決意する。熱血だが、物事を冷静に判断する事ができる。
コジャ
片手剣使いでガイユとは古い仲。神殿で宝石を見つけて一生遊んで暮らそうと考えている。性格は軽く消極的だが、仲間を思う気持ちはガイユと同じくらいある。
ボルソン
ハンマー使い。巨体を生かし、時には緊急離脱時のサポートをする事(高所からの大ジャンプ時のキャッチ役など)もある。
ミュジィ
ライトボウガン使い。小柄で、その体型を生かし身軽な動きをする。常に冷静な判断をし、ガイユも時として頼りにするほど。

第2話 「小さな勇気」[編集]

三年経っても未だにイャンクックを討伐できなく、落ち込んで引退をしようか悩む若手のハンターに、船長はかつて一年経ってもランポスすら倒せずにいたとあるハンターの話をした。

フィジカ
女のハンターで大剣使い。幼馴染のジルと一緒にハンターをはじめて約一年。しかし臆病な性格のため未だにランポスすらまともに狩れない始末。はじめて狩ったランポスの爪をお守りとしてジルとおそろいで持っている。
ジル
フィジカの幼馴染で女のハンターで双剣使い。長い間フィジカと一緒に狩りをしていたが、いつまでもランポスを狩れないフィジカに苛立ちを感じ、今回のクエストを最後に別離しようと考えている。

第3話 「双角」[編集]

とあるクエストで仲間達に先立たれて以来、一人で狩りをする様になった男・シドウに、船長がジーナという女の子を無理矢理押し付けてしまう。そしてシドウの噂を聞いた二人のハンターが、シドウとジーナに「あるクエスト」の協力を依頼する。

シドウ
太刀使いの青年ハンター。名を馳せたハンターで、リオレウス亜種の蒼い防具を身に纏っている事から「蒼空のサムライ」と呼ばれている。昔、とあるクエストで仲間を失って以来一人で狩りをするようになったが、船長から無理矢理ジーナを押し付けられてしまった。
ジーナ
片手剣使いの少女。船長の知人の娘で、船長の紹介で無理矢理シドウのパーティーに入った。今まで故郷で狩りをしていただけあり実力はそれなりにあり、時として冷静な判断をする。
ハンター(男)
ランス使い。シドウの噂を聞き、シドウにとあるクエストの協力を依頼した。
ハンター(女)
片手剣使い。それまでハンター(男)と一緒に行動しており、シドウにとあるクエストの協力を依頼した。狩りの最中にハンター(男)が彼女に対し「ゾディア」と叫んでいるので、彼女の名前と思われる。

第4話 「私の村の銀狼」[編集]

凍土の寒村でベリオロスが出没し、幾多のハンターが挑んだがことごとく失敗。村を捨てるかの瀬戸際までになり、村長は船長にベテランのハンターを紹介してくれるよう依頼、船長はかつて「銀狼」と呼ばれたベリオロスを得意とするハンター・アルゼンに依頼した。

アルゼン
太刀使い。パーティーは組まず、ベリオロス一式の装備をしている事から「銀狼」と呼ばれているベテランハンター。過去に妻と娘を失い、その孤独から狩りの中に「死」も求めていた。村長からベリオロスの依頼を受け、そのクエストを機にハンターを廃業しようと考えている。
セラ
寒村のギルドで見習いをしている少女。父親を幼い頃に失い、母親は街へ出稼ぎに行っているため一人で暮らしており、表はしっかりしているが内心寂しがっている。アルゼンの顔を見て自分と同じく寂しい思いをしているのだと感じ、前夜に夕食を食べながら会話をした後にお守りを渡した。

第5話 「運のいい者達」[編集]

大都市ドンドルマの酒場で、運に見放されたG級トリオを旧火山素材ツアーに連れて行く事になった船長。彼等に自信を取り戻させようと船長は偶然出会った知人でベテランハンターのホルトに協力してもらう様依頼した。

ホルト
船長の知人のハンター。熱血漢で、若いが実力は本物で、人を軽々と投げ飛ばす怪力を持ち、過去に古龍を撃退した事がある。
トッティ
G級トリオのリーダー格。大剣使い。
モアロ
G級トリオの一人。ブルファンゴフェイクを被っている。ランス使い。
ダヌゥ
G級トリオの一人。アイルーフェイクを被っている。片手剣使い。顔は見えずにほぼディフォルメされて登場するので分かり難いが女性である。

第6話 「熱砂に誓う」[編集]

砂原から東へ10km離れたトキヤ村。村を豊かにするべく砂上船を建造していたが、その度に近辺に生息しているボルボロスに敵と間違われて破壊される。その話を聞いた仲の悪い双子のハンターはどちらが早くボルボロスを討伐でき、どちらが村一番のハンターか競争する事となった。

バノン
村に住んでいる双子のハンターの片方。スラッシュアックス使いで、攻撃力を重視するタイプ。自分が村一番のハンターだと豪語し、アディを敵視している。
アディ
村に住んでいる双子のハンターの片方。スラッシュアックス使いで、閃光玉などのアイテムを活用し、手数で稼ぐタイプ。自分が村一番のハンターだと豪語し、バノンを敵視している。

第7話 「狩人よ、前へ」[編集]

ドンドルマの酒場でハンター日誌を拾った船長とギルド娘のベッキーは、ついつい中身を読んでしまう。そこにはティガレックスに一人立ち向かうハンターの闘いが書かれていた。

ベッキー
ドンドルマの酒場で働くギルドの娘。船長とは知り合い。
ハンター(男)
雪山にてたった一人でティガレックスに挑んだハンターで太刀使い。日誌にはそのハンターの闘いが書かれている。
ハンター(女)
日誌の持ち主。プライベート装備一式に多少ドジっ子な所があり、日誌とのギャップが激しいが、所持している太刀が天上天下無双刀と高レアな武器な事から、かなりの実力者。

第8話 「君の道」[編集]

姉弟で息の合ったコンビネーションで幾多のモンスターを狩る「ドスト三兄弟」。末弟のノイルは己の腕を試すためソロクエストを発注したが、リーダーで長女のレギアは気が気でならなく、ソロクエストにこっそり付いて行く事にした。

レギア・ドスト
ドスト三兄弟の長女でリーダーで大剣使い。豪快な性格で長身に筋肉質な体格の持ち主で、コンガ装備をしている時はババコンガと見間違うほど。ノイルを溺愛し、ノイルがソロクエストに挑むと聞いた時激しく狼狽し、こっそりクエストに付いて行った。
ノイル・ドスト
ドスト三兄弟の末弟で片手剣使い。三兄弟の仲でも天性の才能があり、今回は自身の力量を試すためにソロクエストに挑んだ。
ダギ・ドスト
ドスト三兄弟の長男でガンナー。常識人でノイルのソロクエストには賛成したが、結局姉のレギアと一緒にこっそり付いて行く事になった。

第9話 「世界の果てまで」[編集]

伝説を求めて旅をしていたガイユ達パーティーは、ロックラックでハンターのクーレルから白く輝く古龍の目撃情報を得る。ドンドルマを訪れた一行は、古龍の話を信じない周囲からクーレルを馬鹿にされて意気消沈していたクーレルの息子・ホレイと出会う。ガイユ達はクーレルの汚名をそそぎ、ホレイを元気付けるために古龍の棲む雪山へと向かうのだった。

ガイユ、コジャ、ボルソン、ミュジィ
第一話「伝説を求めて」に登場していたパーティー。ロックラックで出会ったクーレルからクシャルダオラの亜種の目撃情報を聞いてドンドルマを訪れる。
クーレル
ガイユ達がロックラックで出会ったガンナー。絵画の才能もあり、ドンドルマにある彼の家には今まで狩ったモンスターの絵画が飾られている。
ホレイ
クーレルの息子。周りから父親を「ホラ吹きクーレル」と罵られているが、彼はクーレルがクシャルダオラ亜種を見た事を信じている。

第10話 「熱き冷水」[編集]

村専属のハンターを目指している少女・トリアは船長から紹介してもらった砂漠近くの小さな村に向かった。しかし現居付きのハンター・ガガンは外から来たトリアを拒絶してしまう。トリアはガガンのパートナー・リリィのとりなしもあって、とりあえず二人の狩りに同行する事になるのだった。

トリア
ドンドルマ出身の太刀使い。幼い頃の経験から小さな村やそこに住む人々を守るハンターになりたいと考えている。一人称が「ボク」のいわゆる『ボクっ娘』。
ガガン
砂漠近くの村を守るランス使いの老ハンター。ハンター歴60年を超える大ベテランであり、古龍(ラオシャンロン)の防具を纏う実力者。過去の一件から村の外から来た人間に対して不信感を抱えており、トリアにも拒絶の姿勢を見せる。
リリィ
ガガンと同じく砂漠の村を守る老女ハンター。自分たちの後を継いでくれるハンターを募集した当人。ガガンとは長年連れ添ったパートナーであり、互角のキャリア、装備、実力を持つ。穏やかな性格でガガンとトリアの間を取り持つ。

第11話 「弱肉強食」[編集]

自分こそ最強と信じて疑わない乱暴者のハンター・ナンド。「己の最強を証明したければ雪山にいるモンスターと戦え」という船長の言葉に乗って雪山に向かったナンドはティガレックスと遭遇。こいつこそ『最強の証』たるモンスターと確信したナンドはティガレックスと死闘を演じる。

ナンド
『弱肉強食』の信念と「己こそ最強」の自負のもと、自己中心的な振る舞いをしている問題児ハンター。大剣のガードを巧みに使いこなしてほとんど攻撃を受けずに立ち回るなど、口先だけではない確かな実力も持ち合わせている。船長の目利きではホルト並みの腕前らしい。

第12話 「シンボル」[編集]

密林の湖の入り口にあるセシル漁港は密林に現れたガノトトスによって危機に瀕していた。船長に連れられて丁度セシル漁港を訪れていた二人のハンター・トラヴィスとシェリィは街の住人の嘆願と船長の説得でガノトトス討伐に向かう。しかし狩場においてすら自分の髪型を気にするトラヴィスと彼に調子を合わせるシェリィの様子に、同行した街のハンター・リックの不安は募るばかりだった。

トラヴィス
ガンランス使い。長い髪をトサカのように逆立てた髪型が特徴。この「シンボル」を何よりも大切にしており、馬鹿にした者には武器を向ける事すら厭わないなど問題のある性格をしているが、ハンターとしての腕は確か。
シェリィ
トラヴィスに仕えるメイド兼ハンターの女性。ヘビィボウガン使いのガンナー。トラヴィスが子供の頃から彼の面倒を見ており、その頃の回想シーンにおいても今と容姿が変わっていない。
リック
セシル漁港で活動している片手剣使いの少年。まだ新米ハンターではあるが、街を守ろうとする意志は強い。単独でガノトトスに挑むものの失敗してしまう。その後トラヴィスとシェリィに同行するも、二人のマイペースな言動に不安を募らせる。

第13話 「大海の王、再び」[編集]

かつては逃げ帰る事しかできなかった超弩級のラギアクルスに挑むガイユ達パーティー。しかしラギアクルスの圧倒的な力の前に四人は徐々に追い込まれてしまう。ほとんどの道具類を使い果たした状況で、ガイユが最後の策を提示する。

ガイユ、コジャ、ボルソン、ミュジィ
第1話「伝説を求めて」、第9話 「世界の果てまで」に登場したパーティー。孤島を舞台にラギアクルスと死闘を繰り広げる。

第14話 「モンスターハンター」[編集]

船長と共にユクモ村を訪れたハンター・ロック。はじめて訪れたユクモ村の周辺にある狩場とそこにいるモンスターに興味を惹かれたロックは出発の時間が迫っているにも関わらず、狩りに繰り出してしまう。その様子に船長は今まで出会ってきた多くのハンター達の姿を思い浮かべ、穏やかな笑みを浮かべた。

ロック
ポッケ村在住のハンター。船長に連れられてユクモ村に湯治に訪れるも、好奇心を抑えきれずに狩りに出てしまう。帰りの時間に間に合うよう「タケノコ狩り」という名目かつ、自前の装備を全て没収された状態での狩りとなったが、構わずモンスターに挑むつもりでいる。
ポルチ
ロックに同行する事になったオトモアイルー。タケノコ狩りのはずがモンスターを狩る気満々のロックに泣きながら付いて行く事に。

モンスター[編集]

ラギアクルス
第1話「伝説を求めて」、第13話 「大海の王、再び」に登場。水没林にある「マカライト色に輝く神殿」に巣食う神殿の主で、右目に過去にハンターに受けたであろう刃物傷がある。金冠中の金冠の巨躯を持ち、あらゆる攻撃も受け付けないほど頑丈な鱗を持つ。第13話では孤島に移動しており、「島の生態系を脅かすほどの存在」と呼ばれた。
リオレイア
第2話「小さな勇気」に登場。フィジカとジルが受注したクエスト「飛竜の卵の運搬」の卵の持ち主。ジルが卵を持ち出した事に怒り、執拗に追尾する。
片角
第3話「双角」に登場。金冠サイズのディアブロス亜種で、過去にシドウ達三人パーティーと闘い、二人の命を奪った。その時に右側の角を折られている事から「片角」と名付けられた。
ベリオロス
第4話「私の村の銀狼」に登場。通常のモノより遥かに体力があり、寒村は幾多のハンターに討伐を依頼したがことごとく排除している。
バサルモス
第5話「運のいい者達」に登場。身体からも鉱石が採取できると、そしてG級トリオに自信を付けさせようと討伐しようとしたが、突如現れたリオレウスのブレスに倒れた。
リオレウス
第5話「運のいい者達」に登場。G級トリオに不運をもたらした元凶であり、今回も海を渡って現れ、バサルモスをブレスで倒した後、ホルト達に襲い掛かった。
ボルボロス
第6話「熱砂に誓う」に登場。トキヤ村周辺に生息しており、トキヤ村で建造中の砂上船を敵だと思い込み、度々攻撃・破壊していた。
ティガレックス
第7話「狩人よ、前へ」、第11話 「弱肉強食」 に登場。どちらでも雪山に生息しており、それぞれ別の固体。第7話ではハンター(男)と死闘を演じた。第11話ではナンドを苦しめ、『最強の証』と確信させるほどの強さを見せた。
ショウグンギザミ
第8話「君の道」に登場。ノイルが一頭狩猟クエストとして発注したが、その後縄張り争いでもう一頭が出現。結局ドスト三兄弟による二頭狩猟クエストになった。
ドドブランゴ
第9話「世界の果てまで」に登場。雪山でブランゴの頭首として君臨していたが、クシャルダオラに倒された。
クシャルダオラ
第9話「世界の果てまで」に登場。ドドブランゴを倒した後、ガイユ達パーティーに立ちはだかる。クーレルが雪山で目撃した『クシャルダオラ亜種』は「白く輝く古龍」で、全身が白く輝く鱗で覆われていたらしい。
黒猫
第10話「熱き冷水」に登場。砂漠の村近くに度々出没するディアブロス亜種。極めて強力な固体で、並外れた実力者であるガガン、リリィですら撃退がやっと。余りの気性の荒さから常時怒り状態にあり、音爆弾が通用しない。「黒猫」の仇名は既に両角が破壊されている為、頭部のシルエットが猫のそれに見えるからだと思われる。作中の台詞からこの角を破壊したのがガガン達で、二人が使用しているランス『レイジングテンペスト』の素材として使われている事がわかる。
ラージャン
第11話「弱肉強食」 に登場。死闘を演じるナンドとティガレックスの前に姿を現した。
ガノトトス
第12話「シンボル」 に登場。密林に現れ、セシル漁港の仕掛け網を破壊するなどの被害をもたらした。
ジンオウガ
第14話「モンスターハンター」 に登場。渓流に向かったロックとポルチの前に現れた。

単行本[編集]

  • 1巻 2010年6月10日
  • 2巻 2010年12月10日
  • 3巻 2011年5月10日(完)