プロングホーン科

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プロングホーン科
地質時代
中新世前期 - 現代
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
下目 : 真反芻下目 Pecora
上科 : キリン上科 Giraffoidea
: プロングホーン科 Antilocapridae

プロングホーン科 (Antilocapridae) は、哺乳綱鯨偶蹄目に属する分類群で、の階級を与えられている。現生群は、プロングホーン (Antilocapra americana) 一種のみである。

概要[編集]

北アメリカ大陸に生息する反芻獣のグループである。新生代中新世前期に小型のシカに似た動物であるメリコドゥスなどが出現している[1]その後、より複雑な角を持つイリンゴケロスヘキサメリックスなどが現れた中新世後期がその繁栄の頂点であった[2]。それ以降、鮮新世以降は衰退期となり、現在に至ってはプロングホーンを残すのみとなった[3]。現生、化石種ともに北アメリカ以外では発見されていない[2]

形態[編集]

プロングホーン科において最も特徴的なものが、の形態である。頭部に骨質の芯と角質の鞘(角鞘)から構成される洞角を持つ点は、ウシ科に類似する。しかし、角質部が枝分かれしており、角質部のみ1年に1回生え変わる[4]。(シカ科枝角のように骨質部が生え替わることはない。)現生のプロングホーンでは、角の枝分かれの形は比較的単純であるが、絶滅群では多種多様な形が姿が見られた[2]。体格は、アンテロープなどのウシ科やシカなどに似る。

分類[編集]

上位分類[編集]

下位分類[編集]

†は絶滅群を示す。

脚注[編集]

  1. ^ 『脊椎動物の進化』 435頁
  2. ^ a b c 『絶滅哺乳類図鑑』 198頁
  3. ^ 『脊椎動物の進化』 435 - 436頁
  4. ^ 『脊椎動物の進化』 436頁

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 遠藤秀紀『哺乳類の進化』東京大学出版会、2002年、107頁。ISBN 978-4-13-060182-5 
  • 富田幸光『新版 絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2011年、198頁。ISBN 978-4-621-08290-4 
  • エドウィン・ハリス・コルバート、マイケル・モラレス『脊椎動物の進化(原著第5版)』田隅本生、築地書房、2004年、435-436頁。ISBN 4-8067-1295-7