アラムバラ

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アラムバラ: अलम्बल, Alambala)は、インド神話に登場するラークシャサの王である。ジャタースラの息子[1][2][3][4][5][6]クル・クシェートラの大戦争でカウラヴァ側に味方して戦った[6]

神話[編集]

かつてパーンダヴァ5王子の1人ビーマはアラムバラの父ジャタースラを退治していた[7][8]。そのためアラムバラはパーンダヴァとカウラヴァの間に大戦争が勃発すると、アラムバラはドゥルヨーダナのもとに現れ、父の仇を取るため参戦することを伝えた。そこでドゥルヨーダナはアラムバラに、カルナと戦っているガトートカチャを討つことを命じた。カルナの軍勢に助勢したアラムバラは種々の武器でガトートカチャと戦ったが、ガトートカチャは一騎のみで彼らを打ち破った。アラムブサは次に弓と格闘でガトートカチャに挑み、一歩も譲らない戦いを繰り広げた。続いて両者は幻力を振るって戦った。両者は火と海になり、ガルダタクシャカとなり、雲と強風となり、ヴァジュラと大山となり、となり、あるいはラーフ太陽となった。彼らは幻力で相反するものに変身することで相手を超越し、殺そうとした。彼らは様々な幻力を使いながら、鉄棒、棍棒投槍で戦い、山の頂をぶつけ合って、あるいはや象に騎乗し、徒歩で、戦車を操って戦った。最後にガトートカチャはアラムバラの巨体を持ち上げ、地面に叩きつけて殺した。その後、ガトートカチャはアラムバラの首を切断し、ドゥルヨーダナの戦車に投げ入れた[9]

脚注[編集]

  1. ^ 『マハーバーラタ』7巻149章5。
  2. ^ 『マハーバーラタ』7巻149章7。
  3. ^ 『マハーバーラタ』7巻149章9。
  4. ^ 『マハーバーラタ』7巻149章19。
  5. ^ 『マハーバーラタ』7巻149章21。
  6. ^ a b Alambala, Alam-bala: 3 definitions”. Wisdom Library. 2020年12月20日閲覧。
  7. ^ 『マハーバーラタ』3巻154章。
  8. ^ 『インド神話伝説辞典』p.173「ジャタースラ」の項。
  9. ^ 『マハーバーラタ』7巻149章5-35。

参考文献[編集]

  • 『原典訳 マハーバーラタ3』上村勝彦訳、ちくま学芸文庫、2002年。ISBN 978-4480086037 
  • 『原典訳 マハーバーラタ7』上村勝彦訳、ちくま学芸文庫、2003年。ISBN 978-4480086075 
  • 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年。ISBN 978-4490101911