IBM 1130

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IBM 1130計算システムの操作卓。後ろにIBM 1442カード読取り・穿孔装置

IBM 1130計算システム(英文:IBM 1130 Computing System)はIBM社が1965年に発表した科学計算用の小型コンピューターで、IBM System/360に使われた最新のソリッド・ロジック・テクノロジー(SLT)を利用しているにもかかわらず、比較的低価格で、日本も含めた世界中で広く使われた。IBM 1620の後継機種に当る。

概要[編集]

IBM 1130計算システムIBM社が1965年に発表した科学計算用の小型コンピューターであった。IBM System/360に使われた最新のソリッド・ロジック・テクノロジー(SLT)を利用している。IBM 1620の後継機種に当り、プロセス制御用機能を搭載してIBM 1800のベースにもなった。

機種構成は次の通り。

  • IBM 1131 中央演算処理装置(CPU)、
    • 操作卓(Operator's Console)および磁気ディスク付き
  • IBM 1442 カード読取り・穿孔装置 (Card Reader/Punch)
  • IBM 1132 印刷装置(Printer)
  • IBM 1403 印刷装置(Printer)
  • IBM 2311 磁気ディスク駆動装置(Magnetic Disk Drive)
  • IBM 2250 グラフィック表示装置(Graphic Display Unit)
    • ベクタースキャン方式、1024×1024グリッドの解像度。英数字描画パターンを内蔵。
  • IBM 1627 プロッター
  • IBM 1130 多重端末機制御アダプター(Multiple Terminal Control Adapter,)
    • IBM 2741 キーボード・プリンター(Keyboard Printer)を4台まで

IBM 1130システムは、コンピューター内部では16ビットワードマシンであった。プログラミング言語は、アセンブリ言語のアセンブラー(Assembler)と高級言語のFORTRANが標準で用意されていて、 ユーザーが製作したFORTHLISPGPSS英語版などのIBMのユーザー団体のシェア(SHARE英語版)などに登録のある開発言語・アプリケーションプログラムをIBMが代行配布をしていた。

利用例[編集]

最新の技術を使っているにもかかわらず、比較的低価格で、日本も含めた世界中で、大学・研究所・工場現場などで広く使われた。

愛好者[編集]

  • IBM 1130を昔使った人たちは多く、愛好者による「IBM 1130.org」[※ 1]などを作っている。パソコンで動く「IBM 1130 FORTRAN Simulator」をダウンロードなどもできる。

注釈[編集]

  1. ^ IBM1130.org: All about the IBM 1130 Computing System ノーム・アレックス(Norm Aleks)とブライアン・ニッテル(Brian Knittel)が運営するIBM 1130愛好者のサイト

参照項目[編集]

外部リンク[編集]