1959年ポルトガルグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポルトガル 1959年ポルトガルグランプリ
レース詳細
1959年F1世界選手権全9戦の第7戦
日程 1959年8月23日
正式名称 VIII Portuguese Grand Prix
開催地 モンサント・サーキット
ポルトガルの旗 ポルトガル リスボン
コース 公道コース
コース長 5.440 km (3.380 mi)
レース距離 62周 337.28 km (209.56 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー クーパー-クライマックス
タイム 2:02.89
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 スターリング・モス クーパー-クライマックス
タイム 2:05.07 (28周目)
決勝順位
優勝 クーパー-クライマックス
2位 クーパー-クライマックス
3位 フェラーリ

1959年ポルトガルグランプリ (1959 Portuguese Grand Prix) は、1959年のF1世界選手権第7戦として、1959年8月23日モンサント・サーキットで開催された。

8回目のポルトガルグランプリは62周、337kmで行われた。モンサント・サーキットでの開催は3回目で、F1世界選手権においては唯一の開催である。

レース概要[編集]

ロブ・ウォーカー・レーシングチームクーパー・T51で当レースに臨んだスターリング・モスがテクニカルなコースのモンサント・サーキットで手腕を発揮し、2位以下を周回遅れにしてシーズン初勝利を挙げた[1]クーパーのワークスドライバーのマステン・グレゴリーが2位、フェラーリダン・ガーニーが3位となった。ドライバーズランキング首位のジャック・ブラバムはリタイア、同2位のトニー・ブルックスは入賞圏外の9位に終わりポイントを獲得できなかった。

当レースは猛暑の中行われたため、ある低速コーナーには走行中のドライバーに浴びせるための水を入れたバケツが置かれていた[1]

ドライバーズチャンピオン争いはブラバムとブルックスはともに無得点だったため変わらず、優勝したモスがフィル・ヒルを抜いて3位に上がった。首位ブラバムとは9.5点差、2位ブルックスとは5.5点差である。コンストラクターズチャンピオン争いはクーパーがフェラーリとの差を6点に広げた。

エントリーリスト[編集]

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
1 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム イギリスの旗 クーパー・カー・カンパニー クーパー T51 クライマックス FPF 2.5L L4 D
2 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー
3 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン
4 イギリスの旗 スターリング・モス イギリスの旗 RRC ウォーカー・レーシングチーム クーパー T51 クライマックス FPF 2.5L L4 D
5 フランスの旗 モーリス・トランティニアン
6 アメリカ合衆国の旗 ハリー・シェル イギリスの旗 オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4 D
7 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ
8 イギリスの旗 ロン・フロックハート
9 アメリカ合衆国の旗 キャロル・シェルビー イギリスの旗 デヴィッド・ブラウン・コーポレーション アストンマーティン DBR4 アストンマーティン RB6 2.5L L6 A
10 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ
11 イギリスの旗 グラハム・ヒル イギリスの旗 チーム・ロータス ロータス 16 クライマックス FPF 2.5L L4 D
12 イギリスの旗 イネス・アイルランド
14 イギリスの旗 トニー・ブルックス イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 246 フェラーリ Tipo155 2.4L V6 D
15 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル
16 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー
17 イギリスの旗 イアン・バージェス 1 イタリアの旗 スクーデリア・セントロ・スッド クーパー T51 マセラティ 250S 2.5L L4 D
18 ポルトガルの旗 マリオ・カブラル
19 ブラジルの旗 フリッツ・ドーリー 1 マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6
ソース:[2]
追記
  • ^1 - エントリーしたが出場せず

結果[編集]

予選[編集]

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 4 イギリスの旗 スターリング・モス クーパー-クライマックス 2:02.9
2 1 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 2:04.9 + 2.0
3 2 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー クーパー-クライマックス 2:06.3 + 3.4
4 5 フランスの旗 モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 2:07.4 + 4.5
5 7 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ BRM 2:07.9 + 5.0
6 16 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー フェラーリ 2:08.0 + 5.1
7 15 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル フェラーリ 2:08.1 + 5.2
8 3 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 2:08.2 + 5.3
9 6 アメリカ合衆国の旗 ハリー・シェル BRM 2:09.1 + 6.2
10 14 イギリスの旗 トニー・ブルックス フェラーリ 2:11.0 + 8.1
11 8 イギリスの旗 ロン・フロックハート BRM 2:11.2 + 8.3
12 10 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ アストンマーティン 2:13.3 + 10.4
13 9 アメリカ合衆国の旗 キャロル・シェルビー アストンマーティン 2:13.6 + 10.7
14 18 ポルトガルの旗 マリオ・カブラル クーパー-マセラティ 2:15.3 + 12.4
15 11 イギリスの旗 グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 2:15.6 + 12.7
16 12 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 2:18.5 + 15.6
ソース:[3]

決勝[編集]

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 4 イギリスの旗 スターリング・モス クーパー-クライマックス 62 2:11:55.41 1 9 1
2 2 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー クーパー-クライマックス 61 + 1 Lap 3 6
3 16 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー フェラーリ 61 + 1 Lap 6 4
4 5 フランスの旗 モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 60 + 2 Laps 4 3
5 6 アメリカ合衆国の旗 ハリー・シェル BRM 59 + 3 Laps 9 2
6 10 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ アストンマーティン 59 + 3 Laps 12
7 8 イギリスの旗 ロン・フロックハート BRM 59 + 3 Laps 11
8 9 アメリカ合衆国の旗 キャロル・シェルビー アストンマーティン 58 + 4 Laps 13
9 14 イギリスの旗 トニー・ブルックス フェラーリ 57 + 5 Laps 10
10 18 ポルトガルの旗 マリオ・カブラル クーパー-マセラティ 56 + 6 Laps 14
Ret 3 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 38 トランスミッション 8
Ret 1 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 23 接触 2
Ret 7 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ BRM 10 エンジン 5
Ret 15 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル フェラーリ 5 アクシデント 7
Ret 11 イギリスの旗 グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 5 アクシデント 15
Ret 12 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 3 ギアボックス 16
ソース:[4]
追記

第7戦終了時点のランキング[編集]

  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

脚注[編集]

  1. ^ a b (林信次 1999, p. 78)
  2. ^ Portugal 1959 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年3月8日閲覧。
  3. ^ Portugal 1959 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年3月7日閲覧。
  4. ^ 1959 Portuguese Grand Prix”. formula1.com. 2014年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月16日閲覧。

参照文献[編集]

  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク[編集]

前戦
1959年ドイツグランプリ
FIA F1世界選手権
1959年シーズン
次戦
1959年イタリアグランプリ
前回開催
1958年ポルトガルグランプリ
ポルトガルの旗 ポルトガルグランプリ 次回開催
1960年ポルトガルグランプリ