誰ぞこの子に愛の手を (岡林信康のアルバム)

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誰ぞこの子に愛の手を
岡林信康スタジオ・アルバム
リリース
録音 1974年9月26日 (1974-09-26) - 27日
赤坂ミュージック・スタジオ
ジャンル フォーク
時間
レーベル CBS・ソニー
プロデュース 松本隆
チャート最高順位
  • 最高43位オリコン
  • 登場6回(オリコン)
  • 売上1.0万枚(オリコン)[1]
岡林信康 アルバム 年表
1973PM9:00→
1974AM3:00

1974年
誰ぞこの子に愛の手を
1975年
うつし絵
1975年
『誰ぞこの子に愛の手を』収録のシングル
  1. 誰ぞこの子に愛の手を
    リリース: 1975年1月20日 (1975-01-20)
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誰ぞこの子に愛の手を』(たれぞこのこにあいのてを)は、岡林信康1975年1月20日CBS・ソニー最後に発表したスタジオ・アルバム。シングル『誰ぞこの子に愛の手を』と、同時発売された。

解説[編集]

岡林は、前作『金色のライオン』制作後、初めてコンサートで生のボブ・ディランを見るため、ロサンゼルスへ行く。今までレコードでの声しか知らなかったので、もっと細くてナヨナヨしているのかと思ったら、実際のライヴでは、ザ・バンドとハードなロックコンサートをやっていることに驚く[2][3]。このとき、ジャック・エリオットの紹介で、コンサート打ち上げパーティーにもぐりこみ、ボブ・ディランと30秒対面するも、緊張して何も話せなかった[2]

このアルバムは、その影響を受けており、「もっと重たい、激しいサウンドを、静かな歌でも迫力のあるサウンドでいこうと、ボブ・ディランの『ブロンド・オン・ブロンド』みたいな音でいこう」と、前作に引き続きプロデューサーとなった松本隆に伝えて、岡林がスタジオ入りしたときには、ほとんどサウンドは出来上がっていた[2]

スタジオのミュージシャンはハックルバックのメンバーがほとんどで、ギターの鈴木茂の代わりに徳武弘文が入り、更にキーボードで矢野誠が加わっている。

当時、精神分析に興味を持って、関連の書籍を読み漁っており、「岡林信康っていうのは、どういう風に歪んで、どういう風になってしまったのかを、過去の生い立ちなんかを思い出しながら自己分析したんだ。要するに自己分析のアルバムを作ったんだな」と語っている[2]

収録曲[編集]

全作詞・作曲:岡林信康

Side A[編集]

  1. 僕の車はジェットエンジン – (4:27)
  2. Bのブルース – (5:05)
  3. つけもの石のブルース – (4:19)
  4. 誰ぞこの子に愛の手を(アルバム・バージョン) – (5:06)
    • シングル盤がギター弾き語りだが、こちらはバンドスタイル。
  5. 夜明けの風に – (5:06)

Side B[編集]

  1. Dr.パブロフ犬連れて – (3:43)
  2. 修道院のバスルーム – (6:43)
  3. 夜はやっぱり長いまま – (3:17)
  4. ゆがんだサングラス – (4:23)
  5. いつもの朝 – (5:30)

レコーディング・メンバー[編集]

ミュージシャン[編集]

スタッフ[編集]

  • プロデュース  – 松本隆
  • 写真撮影  – 川仁忍
  • デザイン  – 長友啓典
  • ミックス  – 松本裕
  • リミックス  – HIT STUDIO

発売履歴[編集]

発売日 レーベル 規格 規格品番 備考
1975年1月20日 (1975-01-20) CBS・ソニー LP SOLL-118
1991年6月15日 (1991-06-15) ソニー・ミュージック CD SRCL 1895 CD選書シリーズ。初CD化。
2006年4月5日 (2006-04-05) GT music CD MHCL 767 “70's FOLK 8選”シリーズ。2006年 (2006)デジタルリマスター盤、紙ジャケット仕様。

脚注[編集]

  1. ^ 「オリコンチャートブック〈LP編(昭和45年‐平成1年)〉」ORICON BOOKS、1990年5月1日、101ページ。
  2. ^ a b c d 『岡林、信康を語る』岡林信康、disk union、2011年7月13日、ISBN13:OKBOOK1、ISBN10:OKBOOK1、89-92頁。
  3. ^ 『伝説 信康』小学館、1991年8月1日、62頁、ロサンゼルスでの岡林信康の様子が写真に収められている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

SonyMusic