三菱・ブラボー

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三菱・ミニキャブ > 三菱・ブラボー
三菱・ブラボー
5代目 ターボ4WD
概要
販売期間 1989年-1999年
2011年-
ボディ
ボディタイプ 5ドアセミキャブオーバー型ワンボックスカー
駆動方式 FR/4WD
系譜
先代 三菱・ミニキャブエステート
後継 三菱・タウンボックス(1999年に販売が終了した時の後継)
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ブラボー (Bravo) は、三菱自動車工業が販売しているワンボックスカー軽自動車である。販売上は乗用自動車扱い(ミニキャブの乗用モデル)だが、登録上は貨物自動車扱いである。

概要[編集]

ミニキャブエステートの後継車として発売され、タウンボックスがブラボーの後継車として発売される。

貨物自動車登録ながら、エアコン、全席全開閉式パワーウインドウ、集中ドアロック、内装フルトリム、4スピーカー搭載オーディオなど、当時としては乗用車に引けをとらない豪華装備を備えた上級グレードも存在した[1]

名目上はワゴン車だが、車検証の登録上では「貨物」扱い(4ナンバー)となっている。最大積載量は200kg(ミニキャブは350kg)。

独立車種としては1999年に消滅したが、2011年11月のミニキャブバンの一部改良で豪華装備を持つ上級グレードの名称として復活した。

初代(1989年-1991年)U14V/U15V/U18V/U19V・U14VG/U15VG型[編集]

三菱・ミニキャブブラボー
U14V/U15V/U18V/U19V・U14VG/U15VG型
スーパーエアロルーフ 4WD
概要
販売期間 1989年2月 - 1991年1月
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 5ドアセミキャブオーバー型ワンボックスカー
駆動方式 後輪駆動/パートタイム4WD
パワートレイン
エンジン 3G81型550cc直列3気筒SOHC
3G81型550cc直列3気筒SOHCスーパーチャージャー
3G83型660cc直列3気筒SOHC
変速機 3速AT/5速MT
サスペンション
ストラット式
半楕円リーフスプリング式
車両寸法
全長 3,195-3,245 mm
全幅 1,395 mm
全高 1,905 mm
車両重量 760-910 kg
系譜
先代 三菱・ミニキャブエステート
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  • 1989年2月 - ミニキャブエステートの後継車としてミニキャブブラボーの名でデビュー。当初は550cc(3気筒SOHC自然吸気、同3気筒SOHCスーパーチャージャー。エンジンはいずれも3G81型)。実質的にはミニキャブエステートのマイナーチェンジ版であった。
  • 1990年2月 - マイナーチェンジに伴い、自然吸気エンジンのみ660cc(3気筒SOHC。エンジンは3G83型)化され、全車ボディの全長がおよそ50mm延長された(実際は前後バンパーのオーバーハングの若干の延長のみに留まっている)。

2代目(1991年-1999年)[編集]

三菱・ブラボー
スーパーエアロルーフ スーパーエクシード(後期型)
概要
販売期間 1991年1月 - 1999年4月
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 5ドアセミキャブオーバー型ワンボックスカー
駆動方式 後輪駆動/HCU式フルタイム4WD
パワートレイン
エンジン 3G83型659cc直列3気筒SOHC12バルブ
3G83型659cc直列3気筒DOHC15バルブ
3G83型659cc直列3気筒DOHC15バルブICターボ
4A30型659cc直列4気筒DOHC20バルブICターボ
変速機 3速AT/5速MT
サスペンション
マクファーソンストラット式
半楕円リーフスプリング式
車両寸法
全長 3,295 mm
全幅 1,395 mm
全高 1,915 mm
車両重量 780-990kg
系譜
後継 三菱・タウンボックス
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  • 1991年1月22日 - 前年(1990年)の軽自動車の規格改正に完全対応させるために開発され、発売された。「ミニキャブ」から独立し、名称が「ブラボー」となる。
全車マルチバルブ化され、普及グレードには3気筒SOHC12バルブ(3G83・1気筒あたり4バルブ)シングルキャブレターエンジンが、中堅グレードには3気筒DOHC15バルブ(3G83・1気筒あたり5バルブ) ECIマルチエンジンが、最上級グレードには3気筒15バルブ(3G83・1気筒あたり5バルブ)DOHCインタークーラーターボが搭載された。
現在でも軽ワンボックスとしては数少ないステアリングチルトや後席フットランプ(ステップ付近に樹脂カバー付きのランプを搭載)が装備される仕様も存在する。さらに当時のスライドドア車全体的に見ても非常に珍しいスライドドアパワーウィンドウもパワーウィンドウ装着車に設定。この頃はヒンジ式のリアドアであっても手動式ウィンドウも多かった(同社の1999年発売のミラージュディンゴも当初はリアは全グレード手動式であった)。
  • 1994年1月 - マイナーチェンジ。
フロントフェイス、およびリアバンパーの意匠を変更。リアサスペンションがリーフスプリングから3リンク式コイルスプリングに変更、中堅グレードは4気筒16バルブSOHC ECIマルチエンジン(4A30)に、最上級グレードは4気筒20バルブ(1気筒あたり5バルブ)DOHC インタークーラーターボエンジン(4A30)に換装された。
もっとも、ミニカに搭載された4A30エンジンの場合、ATは4速(ファジーシフト)であったが、当該車種はその性格を考慮し、同年12月に発売されたパジェロミニ同様にATは3速のままであった。
  • 1999年4月 - 後継車のタウンボックスが発売され、販売終了。

3代目(2011年-2014年)[編集]

三菱・ミニキャブバンブラボー
概要
販売期間 2011年11月 - 2014年2月
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 5ドアセミキャブオーバー型ワンボックスカー
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン 3G83型657cc直列3気筒SOHCターボ
3G83型657cc直列3気筒DOHC
最高出力 3G83型ターボ64ps/6,000rpm
3G83型48ps/6,000rpm
変速機 3速AT/4速AT/5速MT
F:ストラット式サスペンション
R:3リンク式サスペンション
F:ストラット式サスペンション
R:3リンク式サスペンション
車両寸法
全長 3,395 mm
全幅 1,475 mm
全高 1,890 mm
車両重量 950-990 kg
その他
姉妹車/OEM 日産・NV100クリッパー「GX」
系譜
先代 三菱・タウンボックス(初代)
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  • 2011年11月 - ミニキャブバンの一部改良の際に、新たなグレードとして「ブラボー」の名称が復活する。なお、乗用車登録の「タウンボックス」は一旦廃止された。

4代目(2014年-2015年)[編集]

スズキ・エブリイ > 三菱・ブラボー
三菱・ミニキャブバンブラボー
7代目ミニキャブトラック M 4WDと
ミニキャブバンブラボー 4WD
概要
販売期間 2014年2月 - 2015年3月
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 5ドアセミキャブオーバー型ワンボックスカー
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン K6A型658cc直列3気筒DOHCターボ
K6A型658cc直列3気筒DOHC
変速機 3速AT/4速AT
サスペンション
ストラット式
I.T.L式
車両寸法
全長 3,395 mm
全幅 1,475 mm
全高 1,875 mm
車両重量 910-980 kg
その他
製造事業者 スズキ
姉妹車/OEM スズキ・エブリイ「JOIN」
マツダ・スクラムバン「BUSTER」
日産・NV100クリッパー「GX」
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  • 2014年2月 - ミニキャブバンがスズキ・エブリイOEMモデルとなりフルモデルチェンジ。「ブラボー」は継続設定され、ターボ仕様の「ブラボーターボ」も設定された。また、乗用車登録の「タウンボックス」もスズキ・エブリイワゴンのOEMモデルとして復活し、ミニキャブと同時にフルモデルチェンジされた。なお、OEM元のスズキ・エブリイが2015年2月にフルモデルチェンジされ、これを受けてミニキャブバンやタウンボックスも翌月にフルモデルチェンジが発表されたため、この代での販売期間は約1年1ヶ月間であった。

5代目(2015年-)DS17V型[編集]

スズキ・エブリイ > 三菱・ブラボー
三菱・ミニキャブバンブラボー
DS17V型
ターボ 4WD
概要
販売期間 2015年3月 -
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 5ドアセミキャブオーバー型ワンボックスカー
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン R06A型658cc直列3気筒DOHCターボ
R06A型658cc直列3気筒DOHC
変速機 5速AMT/4速AT/CVT
サスペンション
ストラット式
I.T.L式
車両寸法
ホイールベース 2,430 mm
全長 3,395 mm
全幅 1,475 mm
全高 1,895 mm
車両重量 890-950 kg
その他
製造事業者 スズキ
姉妹車/OEM スズキ・エブリイ「JOIN」
マツダ・スクラムバン「BUSTER」
日産・クリッパーバン「GX」
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  • 2015年3月 - ミニキャブバンおよびタウンボックスがOEMモデル移行後初のフルモデルチェンジを発表。ミニキャブバンは先代に引き続き、「ブラボー」・「ブラボーターボ」が設定されている。トランスミッションは自然吸気モデルは従来の3速ATから5速AMTに替わったうえ、過給器エンジンモデルは従来通りの4速ATになった。
  • 2017年5月25日 - 自然吸気エンジンモデルも過給器エンジンモデル同様の4速ATに変更。これによりNA・ターボ問わず全車4速ATのみになった。
  • 2019年7月11日 - 自然吸気エンジン[注釈 1]モデルが一旦廃止される。
  • 2022年4月21日 - 過給器エンジン[注釈 2]モデルが一旦廃止され、替わりに自然吸気エンジンモデルが復活した。
  • 2024年3月14日 - トランスミッションをCVTに変更し、自然給器エンジンモデルが再び廃止され、替わりに過吸気エンジンモデルが復活した。

車名の由来[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ エブリイ「JOIN」に相当。
  2. ^ エブリイ「JOINターボ」に相当。
  3. ^ 日本では同じ意味で綴りも同一の本車が既に商標登録されていたため、イタリア語で「最上級」を意味する「ブラビッシモ」という名称に変更された。

出典[編集]

  1. ^ なお、4ナンバーでありながら乗用車並みの装備を備えた車種・グレードは2024年現在、ミニキャブバン「ブラボー」のみならず、エブリイ「JOIN」、スクラムバン「BUSTER」、クリッパーバン「GX」、ハイゼットカーゴピクシスバン「クルーズ」、サンバー「VC」、N-VAN「+STYLE FUN」国内の主要メーカー全社に設定されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]