フェラーリ・599XX

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フェラーリ・599XX/ 599XX EVO
Ferrari 599XX/ 599XX EVO
599XX
599XX
599XX EVO
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 2009年 - 2013年
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン Tipo F140C型 5,998cc V型12気筒DOHC
最高出力 537kW(730PS)/9,000rpm
最大トルク 686Nm(70kgfm)/6,500rpm
変速機 6速セミAT(F1マチック)
前後:ダブルウィッシュボーン
前後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,750mm
全長 4,787mm
全幅 1,972mm
全高 1,283mm
車両重量 1,345kg(乾燥重量)
1,450kg
系譜
先代 フェラーリ・FXX
後継 フェラーリ・FXX K
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599XXは、イタリアフェラーリ599GTBフィオラノをベースに開発したサーキット走行専用車である。レースへの参加や公道走行はできない。フェラーリにとっての技術実験車の役割も担う。

概要[編集]

599XX[編集]

FXXのニューモデル開発プログラムと並行して行われる「599XXプログラム」専用のマシンで、2009年に599GTBフィオラノをベースとしてジュネーブ・ショーで発表された。日本では、「フェラーリ・フェスティバル・ジャパン2009」の会場である富士スピードウェイパドックに作られた専用のテントで、「FXX」のオーナーをはじめとした限られたオーナーのみに公開された。

2010年から599XXプログラムがスタートし、カスタマーはFXX同様フェラーリのコルセ・クリエンティ部門によるフルサポートプログラムを受けられ、バーチャルレースエンジニア(車両パフォーマンスインデックス)と呼ばれる、車両パフォーマンスをリアルタイムで表示する計器(データロガー)でデータを抽出される。

599XX EVO[編集]

2011年11月にムジェロ・サーキットで行われた「フィナーリ・モンディアーリ」で、進化版の「599XXエボリューション・パッケージ」が、限られた顧客向けのシークレット・プレビューにて公開され、12月に開催された「ボローニャ・モーターショー」で一般公開された。

その後2012年3月に鈴鹿サーキットで開催された「フェラーリ・レーシング・デイズ・鈴鹿2012」において世界初の公開走行が行われた。

空力や排気系などを中心にモディファイを受け、電動可変式リヤウイングなど多数のエアロデバイスが付けられた。なお同バージョンは、既存のモデルへのレトロフィットが提供されるほか、新規での生産も行われると発表されている。

特徴・機構[編集]

インテリア

ボディはアルミニウム製スペースフレームを基本構造とし、軽量化と剛性の確保のためCFRP(カーボン素材)が使われた。リヤセクションCピラーには、F1マシンではお馴染みのカナードが設けられた。左右の元テールライト部は、アンダーボディを通過するエアを2個のファンによって強制的に排出させるため、筒状のエアアウトレットになっている。

走行中に変化する車体の姿勢に応じて不安定になる空力性能だが、アンダーボディを通過したエアを2個のテールライト部、ディフューザー部から排出させ、常に最適量のダウンフォースを得る、ACTIFLOW(アクティフロー)というシステムを実現している。このギミックは599XXが初搭載になる。

599GTBフィオラノの排気量設定はそのままに、構成部品のチューニングによって700PS/9,000rpmという高回転での高出力を生み出す5,999ccの65度V型12気筒DOHCエンジンを搭載。FXX比では100馬力低い。トランスミッションは、599GTBフィオラノのF1スーパーファストをベースに改良され、最短で60m秒でギアチェンジを行なうことができる。

タイヤミシュラン製のレーシングスリックタイヤを装着している。ホイールとタイヤはフロントが11J×19+29/67R19、リヤが11J×19+31/71R19に設定されている。ブレーキディスクとホイールリムの一部は、F1マシンにも使用されたドーナツカバーで覆われている。

ルーフはカーボン製。メーター類はデジタル式。ダッシュボードパネルやセンターコンソールパネルはすべてカーボン製。ウインドウはスライド式。ドアミラーもカーボン製でステーは1本になっている。ブレーキはCCM(カーボン・セラミック・ディスク)とカーボン素材を導入した小型キャリパーが組み合わされる。サイドブレーキは装備されていない。

サーキット・タイム[編集]

フェラーリのホームコースであるフィオラノサーキットでは、1分17秒というラップタイムをマークする。 これはFXXよりも1秒速く、FXX エボルツィオーネにあと1秒というラップタイムであった。 ニュルブルクリンクのラップタイムは6分58秒16。

外部リンク[編集]