スバル・デックス

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ダイハツ・クー > スバル・デックス

デックスDEX )は、富士重工業(現・SUBARU)がかつて販売していた小型トールワゴンである。ダイハツ・クー姉妹車OEM)で、生産はクーとトヨタ・bB(2代目)同様、ダイハツ工業池田工場にて行われていた。

スバル・デックス
M401F型
前方から撮影。
後方から撮影。
概要
別名 トヨタ・bB(2代目)
ダイハツ・クー
欧州 : ダイハツ・マテリア
製造国 日本の旗 日本大阪府池田市
販売期間 2008年11月 - 2012年11月[1]
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアトールワゴン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
プラットフォーム ダイハツ・Aプラットフォーム
パワートレイン
エンジン K3-VE型 1.3L 直列4気筒 DOHC
変速機 4速AT
サスペンション
ストラット式
トーションビーム式(2WD)
3リンク式(4WD)
車両寸法
ホイールベース 2,540 mm
全長 3,800 mm
全幅 1,690 mm
全高 1,635 mm
車両重量 1,060-1,120 kg
系譜
後継 スバル・トレジアに統合
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概要[編集]

2008年4月10日トヨタ自動車・ダイハツ工業・富士重工業(当時)の3社による業務提携強化が発表され、その一環として、クーをベースにOEM供給を受け、2008年11月13日に発表・発売された。スバルにおけるダイハツからのOEM車の第1号である。搭載されるエンジンは、ダイハツ製K3-VE直4DOHC16バルブ1,300ccのみで、クーやbBに用意される3SZ-VE型4気筒DOHC16バルブ1,500ccの設定は無い。トランスミッションは4速ATのみ。

以前、オペルからOEM供給されていたトラヴィックの足回りはスバルの手によってチューニングが施されたが、同じOEMでもデックスの足回りに関しては富士重工業の社内における走行実験(実験車両はベースのクー)の段階で「操安性や乗り心地等、必要十分な性能ゆえに手を加える必要がない」と判断されたため、クーと同じセッティングである[2]

フロント周りに関してはヘッドライトフェンダーなどの基幹部品は基本的にクーと同一であるが、バンパー(ちなみにターンランプとフォグランプはL150S/152S/160S型ムーヴカスタム(後期型)に採用されているものと同一パーツ)やフロントグリルはデックス専用品を採用し、初代ステラの「カスタム」や「リベスタ」を彷彿とさせるものとなっている。各部にクローム処理が施してあり、スポーティーな趣きがある。グレードはベーシックグレードの「1.3i」、オートエアコンアルミホイールを採用した上級グレード「1.3i-L」、エアロパーツやMOMO製本革巻ステアリングなどを採用し、スポーティ色を高めた「1.3i-S」の3グレードが設定されている。全車にAWD車も設定される。なお、ボディーカラーは全5色で、「クー」に設定されているホワイトとグレイッシュパープルメタリックオパールの設定は無かった。

年表[編集]

  • 2008年平成20年)11月13日 - 発表・発売。TVCMにはモデルの蛯原友里が起用された[注釈 1]
  • 2010年(平成22年)7月 - 仕様変更。JC08コールドモードに対応。このため、低排出ガス認定レベルが「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」に変更となった。
  • 2011年(平成23年)11月 - 生産終了。以後は在庫のみの対応となる[3]
  • 2012年(平成24年)11月 - 在庫分の未登録車の登録を全て完了し販売終了。後述するトレジアが事実上の代替となった。

車名の由来[編集]

器用さや機敏さを意味する「Dexterity」からの造語。スピーディーさやスマートさをイメージしている。また、宣材等においてはDEsign boXの略であるという、姉妹車であるbBのそれ(black Box)とよく似た説明も用いられている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後に2代目前期型ホンダ・フリードのCMに出演。

出典[編集]

  1. ^ デックス”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月2日). 2020年1月2日閲覧。
  2. ^ ベストカー2008年12/26号 P30-31
  3. ^ デックスのサービスキャンペーンについて”. 株式会社SUBARU (2016年10月20日). 2021年8月19日閲覧。

関連項目[編集]