シティ・ホール (ロンドン)

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シティ・ホール
タワーブリッジからの眺め
地図
概要
所在地 Southwark, London, England
住所 110 The Queens Walk, LONDON, SE1 2AA
入居者 グレーター・ロンドン・オーソリティー
完成 2002
所有者 More London Development Ltd.
設計・建設
建築家 ノーマン・フォスター
建設者 フォスター・アンド・パートナーズ
構造技術者 アラップ
ウェブサイト
www.london.gov.uk/city_hall
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シティ・ホール: City Hall)は、ロンドン市長ロンドン議会から構成される大ロンドン庁 (GLA) の本部である。庁舎はタワーブリッジに近い、テムズ川南岸のサザークに位置している。設計者はノーマン・フォスターで、GLAの設立から2年後の2002年7月に開庁した。

概要[編集]

グレーター・ロンドン・オーソリティーは当初、設立されてから2年間はウェストミンスターマーシャム・ストリートに面するロムニーハウス (Romney House) に入居していた[1]。ロンドン議会の会議は同じくマーシャム・ストリートにあるエマニュエル・センターで開かれていた[2]

シティ・ホールの庁舎は6500万ポンドの費用を投じて[3]、以前はプール・オブ・ロンドンに接する波止場として知られた場所に建設された。庁舎の所有権は大ロンドン庁 (GLA) には帰属せず、25年間の賃貸借契約により借用されている[4]。その名称にも拘らず、シティ・ホールはシティ(英国の自治体の地位の一つ)に所在するわけでも、具体的な公共サービスを提供するわけでもない。これは、しばしばグレーター・ロンドンとシティ・オブ・ロンドン(庁舎所在地はテムズ川北岸のギルドホール)の混同を招いている。しかし、2011年6月にボリス・ジョンソン市長が2012年のロンドンオリンピックの開催期間について発表した際、庁舎をロンドン・ハウス (London House) と呼んだことから、以後はこの名称が使用されるものと推測される[5]

グレーター・ロンドン・オーソリティーの前身は、グレーター・ロンドン・カウンシルおよびロンドン・カウンティ・カウンシルであり、その本庁舎はサウス・バンク上流部ランベスカウンティ・ホールに所在した。カウンティ・ホールの会議室は、2012年現在も完全な状態を保ったまま残されているが、高級ホテルやアミューズメント施設、水族館等の他用途における協約のために、GLAが使用することは出来ない。

設計[編集]

ロンドン・シティ・ホール内の螺旋階段
下から眺めた螺旋階段
レゴランド・ウィンザーにあるロンドン・シティ・ホールの模型

建物は、独特の、球根のような形状をしている。これは、表面積を減らしてエネルギー効率を上げる為だとも噂されるが、エネルギー利用の測定結果によれば、この建物はエネルギー利用の点で全くもって非効率的であることが示されている[6]ダース・ベイダーヘルメット、不格好なダンゴムシオートバイのヘルメットなど、これまで様々な"モノ"と対比されてきた。前市長のケン・リヴィングストンがそれを"glass testicle" (ガラスの金玉) に例えた[7][8]のに対し、現市長のボリス・ジョンソンは"The Glass Gonad" (ガラスの生殖腺)[9]、あるいは、より丁寧に"The Onion"[10]と例えた。設計者らは、テムズ川に掛けられた巨大な球のように見えたと述べたが、実際の建物は従来型の建物と同じく、地面にしっかりと据わっている。

ニューヨークソロモン・R・グッゲンハイム美術館のそれを思わせる、長さ500m の螺旋状の通路が建物の最上部まで昇っている。10階建ての建物の最上階は "London's Living Room"(ロンドンのリビングルーム)と呼ばれる展示・会議スペースとなっており、開放的な展望デッキを備えていることもあって、時折、一般開放されている。通路からは建物内部を眺める渡すことが出来、その透明性を象徴付けている。設計者のフォスターは、ドイツ国会議事堂の改修(1999年)の際にも、似たような設計を施している。2006年、建物に太陽光発電装置を取り付けることがロンドン気候変動局により発表された。

所在地[編集]

タワーブリッジ付近にあるテムズ川のサザーク・バンク
庁舎の最上階バルコニーから眺めるタワーブリッジカナリーワーフ

庁舎は、サザーク特別区テムズ川河岸に位置する。より広い範囲を対象とする、モア・ロンドン英語版と呼ばれる開発事業の一環として整備された。最寄りのロンドン地下鉄およびナショナル・レールの駅はロンドン・ブリッジ駅である。

脚注[編集]

  1. ^ [1]
  2. ^ [2]
  3. ^ "SPICe Briefing" Retrieved on 2010-03-01
  4. ^ "Inside City Hall" Retrieved 2010-03-01
  5. ^ [3]
  6. ^ [4] "Public Building CO2 Footprints Revealed" Retrieved 2011-11-25]
  7. ^ Deyan Sudjic (2001年7月8日). “A thoroughly modernising mayor”. The Observer. http://observer.guardian.co.uk/review/story/0,,518246,00.html 2010年1月23日閲覧。 
  8. ^ Inside London's new 'glass egg'”. BBC News (2002年7月16日). 2010年1月23日閲覧。
  9. ^ Stephen Robinson (2008年12月28日). “Is Boris on an upward spiral at last?”. The Sunday Times. http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article5394230.ece 2010年1月23日閲覧。 
  10. ^ 臀部を意味するスラングでもある。

外部リンク[編集]

座標: 北緯51度30分17秒 西経0度04分42秒 / 北緯51.50472度 西経0.07833度 / 51.50472; -0.07833