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ジュール・ヴェルヌ

ジュール・ヴェルヌJules Verne, 1828年2月8日 - 1905年3月24日)は、フランスの小説家H・G・ウェルズとともにSFの開祖として知られ、SFの父とも呼ばれる。ヴェルヌの日本への紹介は、1878年(明治11年)、川島忠之助が『八十日間世界一周』の前編を翻訳刊行したのが最初である(標題は『新説八十日間世界一周』。後編は1880年(明治13年)に刊行)。同書はまた、日本における最初のフランス語原典からの翻訳書であった。

1883年(明治16年)には、黒岩涙香が『月世界旅行』を翻案(翻案途上で中断、出版もされていないという説がある)。1896年(明治29年)、森田思軒が英訳からの重訳であったが『二年間の休暇』を翻訳して「十五少年」という標題で雑誌『少年世界』に連載し、単行書として刊行した。同書は、少年文学の傑作として評価され、多くの読者を獲得した。翻訳されたヴェルヌの作品は、翻訳文学史において大きな位置を占めた。

ヴェルヌの作品の多くは、子供用の物語として書き直されたり、映画やアニメのような映像作品の原作になったりと、広い人気を誇る。これは21世紀にまで続いており、ヴェルヌ作品は一種の共通認識になっていると言っても良い。