6つのメヌエット (ベートーヴェン)

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6つのメヌエットWoO.10は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン1795年に作曲し、翌年出版された作品。元はオーケストラ曲であったが、ピアノ編曲版しか現存していない。中でも第2番ト長調が有名で、「ト調のメヌエット」として広く知られる。以下、この第2番を中心に説明する。

なお、ベートーヴェンはほぼ同じころに弦楽三重奏のための『6つのメヌエット』WoO.9を作曲しているが、こちらの演奏の機会は少ない。

概要[編集]

以下の6曲からなる。テンポ指定はない。

  1. ハ長調
  2. ト長調
  3. 変ホ長調
  4. 変ロ長調
  5. ニ長調
  6. ハ長調

ト調のメヌエット WoO.10-2[編集]

第2番ト長調は穏やかで温かみのある旋律から、交響曲ソナタ作品などの大作と並んで広く好まれている。ト長調という調性から編曲も容易で、ヴァイオリン小品としても愛されている。

一般的な出版譜ではAllegrettoが指定される。

弱起の付点リズムではじまり、H-C-D-Cis-D-Cis-D-Cis-Dの優美な旋律。版によってはヴァイオリンに3度の和声をつけるものもある。中間部は3度と6度の和音がアルペジョで歌われる。

外部リンク[編集]