2016年愛知県稲沢市殺人放火事件

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愛知県稲沢市殺人放火事件は、2016年2月に愛知県稲沢市で起きた殺人事件および放火事件。「愛知・資産家殺害放火(事件)」とも[1]

概要 [編集]

当時60歳の男性[1]が殺され、自宅が放火され全焼した事件[2][3]。被害者のTは、結婚相談所の紹介で知り合った女Fと2015年7月に結婚したが[4]、その7か月後に殺された[1]。結婚の翌月に、妻Fを受取人とした生命保険がかけられていた[1]

逮捕 [編集]

2019年9月18日、愛知県警は(元)妻Fおよびその交際相手の男Mを殺人容疑で逮捕した[5]

捜査関係者によると、被告Mは「(Fから)殺害を依頼され、報酬として250万円を受け取った」などと供述した[4]

(元)妻Fに関して、捜査一課は、容疑者の(元)妻FはTを殺害して死亡保険金などを不正に受け取ろうと企て、2016年3月22日に大手生命保険会社に約3千万円を請求した疑いがある、としていた[4]

刑事裁判[編集]

まず共謀者の男のほうの裁判が行われた。裁判で(元)妻Fの交際相手の男Mは殺人や非現住建造物等放火などの罪に問われた。 起訴状によると、保険金などの目的で殺害を企てた者(首謀者)は(元)妻のFのほうであり、Mは事件当時、Tの(元)妻Fと交際しており、Fに加担し、2016年2月、Tの胸を刃物で数回刺して殺害し自宅に放火して全焼させ遺体を燃やした、という[6]。Mのほうの裁判は2021年2月4日に結審し、2月24日に判決が言い渡され[6][7]、判決内容は懲役30年で、刑は確定した[8]

次に(元)妻Fの裁判が行われた。(元)妻Fはやはり殺人や非現住建造物等放火などの罪に問われた。 起訴状によると、妻Fは、交際相手だったMと共謀し、平成28年(2016年)2月6日、Tの胸を刃物で数回刺して殺害、同13日にT宅に放火し全焼させ、遺体を燃やしたとしている[9]名古屋地裁裁判員裁判で、検察側は2022年3月17日、無期懲役を求刑した[8]。名古屋地裁は、4月14日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した[8]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d [1]
  2. ^ [2]
  3. ^ [3]
  4. ^ a b c 朝日新聞デジタル「元妻を死亡保険金の詐欺未遂容疑で再逮捕 稲沢市の殺人」
  5. ^ 2年半前の「愛知・資産家殺害放火」で妻と愛人逮捕!犯行7カ月前に結婚してゴッソリ遺産相続
  6. ^ a b 産経新聞「殺人放火事件で懲役30年求刑 「共謀者に加担」 愛知」
  7. ^ 事件番号:令和1(わ)1924。事件名:殺人、非現住建造物等放火、死体損壊
  8. ^ a b c KYODO「愛知の殺人放火、元妻に無期懲役求刑」
  9. ^ 男性殺害し放火、元妻に無期懲役判決 愛知