須川薫雄

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須川 薫雄(すがわ しげお、1943年[1] - )は、日本の武器兵器と国家安全保障の研究家。防衛省モニター、駐屯地モニターを経て防衛懇話会、交詢社外交研究会に所属、陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校武器技術資料館小火器コーナー顧問(アドバイザー)。2013年度、陸上自衛隊東部方面隊オピニオンリーダーを委嘱された。研究は日本古来の武器から第二次大戦中の兵器、現在の日本の装備品まで取り上げ、それらの記事を「日本の武器兵器」サイト上に発表、同サイトの運営管理を行っている。

略歴[編集]

学歴[編集]

職歴[編集]

2003年電通ワンダーマン社長に就任。社長在任中同社は日本IBMを担当、後にマイクロソフトを担当。2006年退任。 創業20周年の2005年3月には、ワンダーマン創始者のレスター・ワンダーマンを招聘し「これからのダイレクトマーケティングとインターネットの役割」をテーマにしたフォーラムを主催。フォーラム全体のモデレータとして、当時は広告でもITでもなく中途半端な状態であったダイレクトマーケテイングについて「一般広告の中に位置づけられるべき重要な手法であり、一般広告の効果を最大化するためのものである」とまとめている。この内容はWunderman Dentsuの2005年4月7日のニュースレターに詳しい。

(株)電通時代の主なクライアントはJAL, JVC,TOYOTA(海外)、PANASONIC(米国)」11年間米国勤務

主な活動[編集]

航空機操縦免状は陸上機単発・多発・滑空機上級・動力滑空機、航空無線通信士、米国FAAライセンス保持

在米中にATFE(兵器所持認可)ライセンスをとり日本の武器兵器の収集、操作・研究を行った。特に日本の軽機関銃研究の一人者である。帰国後、防衛省モニター、市ヶ谷駐屯地モニター、土浦駐屯地モニターなどを歴任し、武器学校、幹部学校、明野飛行学校、富士学校、市ヶ谷駐屯地業務隊などで日本兵器史の講義を行った。2017年3月、陸上自衛隊東部方面隊オビニオンリーダー8年間の任期を終了。武器学校作業で平成27年1月陸上自衛隊師団長表彰を受ける。武器学校資料館作業とBUコース講師はしばらく継続する。

論文の発表は日本銃砲史学会「日本銃砲史」各号、一般社団法人日本防衛装備工業会JADI誌2012年度各号、日本火薬工業会「エクスプロージョン」誌に行い、2013年雄山閣刊行「日本銃砲史」一部記事を執筆した。論文指導は国立歴史民俗博物館名誉教授宇田川武久博士、防衛大学教授伊達新吾博士より受けている。

前装銃射撃は、1994年スイスにおける第29回世界大会ヒザダイ競技4位入賞が最高位。

2008年より整備の始まった陸上自衛隊武器学校武器資料館の歴史的考証を行った。同校が保存していた各種武器兵器類を日本と外国のものに分類、日本のものは武器兵器の歴史としての展示を提案し、特に6.5mm系兵器時代、7.7mm系兵器時代、供与兵器時代、自衛隊の開発兵器時代などと特色を持たせた。その調査の中で九三式光学照準器(零戦用)、江戸期国友製気砲、日本製AR18などを発見した。この作業で茨城県防衛協会より表彰された。2013年5月「戊辰戦争コーナー」の新設と「九九式担撃銃」展示を行った。同作業で2010年土浦駐屯地表彰、2015年第一師団表彰を受けた。

日本前装銃射撃競技に国際ルール適応の厳正化を遂行した。特に使用する銃のオリジナリティを検査し検定証を発行することを提案し実行した。そのための一部会員の反発は非常に大きかった。銃砲刀剣類登録規則[3]にもあるように過去に於いて同連盟は改造火縄銃の温床のようにも言われていた。現在では200丁以上のオリジナル銃が検定に合格し、検定シールを発行されている。また、国際大会での銃器委員(火縄銃部門)である。国際大会(世界選手権7回環太平洋大会5回)参加。登録証が付いていても、競技に使用できない銃が公式に存在することになった。のちに日本前装銃射撃連盟は退会し、2018年3月日本銃砲史学会を退会する予定である。

現在[編集]

アメリカ南北戦争と日本の戊辰戦争に使われた兵器も新テーマである。「アメリカ南北戦争」に関しては、2011年夏、開戦150周年、ワシントンから、各地の古戦場、博物館をメイン州に至る地域を廻り、バージニア州では、ミニエ式小銃、前装コルト拳銃各競技に参加、各種大砲実射を体験した。その経験をもとに「アメリカ南北戦争と日本戊辰戦争の相関」と言う題目で2013年6月、防衛装備工業会において内容を発表した。現在、「薩摩筒と鉄砲伝来」「各種銃の命中率の比較」「古式銃登録制度の問題点」「NHKをはじめ歴史番組の非現実性の指摘」のテーマに取り組んでいる。

日本の安全保障問題研究では、防衛省・自衛隊の地位向上、効率的防衛、特に集団的安全保障、装備品、人事制度などの改善をテーマにしている。防衛懇話会、港区防衛親交会、各種見学会、行事に参加している。昨年(2013年)より緊張が続く東シナ海方面への関心は高く、研究を続けている。2014年5月、東北方面の基地、駐屯地の研修を行った。2015年中部方面の研修を行った。「防衛懇話会」会員。防衛懇談会の各行事には必ず参加しレポートを書いている。積極的に昨今の国際情勢激変と日本の危機を唱えている。

銃砲史学会の研究では、日本の大砲文明存在に関して大いに疑問をもち、戦国期の戦闘、幕末の大砲製造努力、明治以降の大砲開発をテーマにしている。「日本の武器兵器.net」にて、日本兵器史上、一夜にして消滅した豪華絢爛たる日本の弓矢文化に関して記事をのせている。

脚注[編集]

  1. ^ 須川 薫雄 - Webcat Plus”. webcatplus.nii.ac.jp. 2023年4月19日閲覧。
  2. ^ 『静中・静高同窓会会員名簿』平成15年度(125周年)版 169頁。
  3. ^ 銃砲刀剣類登録規則”. e-Gov. 2019年12月28日閲覧。

参考文献[編集]

  • 須川薫雄『日本の火縄銃1』 光芸出版 1989年 ISBN 4-7694-0084-5
  • 須川薫雄『日本の火縄銃1 英語版』 光芸出版 1990年
  • 須川薫雄『日本の火縄銃2』 光芸出版 1991年 ISBN 4-7694-0093-4
  • 須川薫雄『中国戦線の日本兵 英語版』 ロードストーン社 1994年
  • 須川薫雄『日本の軍用銃と装具』 国書刊行会 1995年 ISBN 4-336-03729-9
  • 須川薫雄『日本の機関銃』 SW社 2003年 全国書誌番号:21959202
  • 須川薫雄『日本の火縄銃3』 電子版 www.日本の武器兵器 2009年
  • 宇田川武久編『日本鉄砲の歴史と技術』 雄山閣 2013年 ISBN 978-4-639-02276-3
  • (社)日本防衛装備工業会発行JADI誌2012年4月2013年3月各号
  • 火薬工業界発行『エクスプロージョン』誌

外部リンク[編集]