雁爪

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雁爪(がんづめ)とは、水稲中耕除草用の手農具である。は、長柄付・短柄付の3種類があり、爪は3本と4本のものがある。

概要[編集]

宝永6年(1709年久留米藩の篤農家、笠九郎兵衛が考案[1][2]

この器具は、爪を土中に打ち込み、そのまま手前に引くようにして土を反転させ、中耕と同時に除草効果があるものである。雁爪は土の反転作用を重点において造られている。除草作業は農家にとって田植え後間もない初期成育期間に稲株の合間を中耕・除草する作業で炎天下で行われる過酷なものであったこともあり、手押し式中耕除草機は立ち姿勢で作業するので楽である。土の反転作用はよくできているが土の攪拌作用は、短柄付のような匍匐姿勢で行う作業より劣り、総合的な雁爪作業より劣るといわれている。

形状[編集]

  • 柄の長さ 121cm
  • 爪の長さ 12cm
  • 全幅 11.5cm
  • 重さ 0.5kg

脚注[編集]

  1. ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus(講談社)『笠九郎兵衛』 - コトバンク
  2. ^ 朝日日本歴史人物事典(朝日新聞社)『笠九郎兵衛』 - コトバンク