薬物のない世界のための財団

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薬物のない世界のための財団
設立 2006年10月 (2006-10)
種類 非営利(宗教)
20-5812172
目的 薬物乱用の防止
所在地
源流 サイエントロジー教会
貢献地域 世界的
組織的方法 薬物反対の、公共広告、薬物啓発イベント
会員数
不明
重要人物 Gail Carroll
Aris Gregorian
収入
不明
費用
不明
寄付基金
不明
従業員数
不明
ボランティア数
不明
ウェブサイト www.drugfreeworld.org
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「薬物の真実を知ってください」(Drug Free World)の屋台。こうした名前の下で、ナルコノンとサイエントロジーはそのプログラムを売り込んでいる。

薬物のない世界のための財団(やくぶつせかいのためのざいだん、Foundation for a Drug-Free World、FDFW)とは、 2006年サイエントロジー教会によって設立された薬物反対組織である[1]。財団による主張と、サイエントロジーとのつながりに気づいていない公共機関による支援とについての議論が存在する。

日本での支部は、日本薬物対策協会であり[2]、サイエントロジー東京に支援されている[3]東京薬物対策協会も同様である[4]。財団は、日本でも公立学校にて講演を行っている[5]

歴史[編集]

薬物のない世界のための財団は2006年10月に設立された。2008年には、国際連合国際薬物乱用・不正取引防止デーと提携した[6]

サイエントロジーとナルコノンとの関係[編集]

2012年に、サンタアナ警察は、薬物のない世界のための財団が提供する薬物反対の小冊子を配布した。記者は小冊子の連絡先の番号に電話し、どこで薬物乱用のための助けを得られるかを尋ねた。彼はナルコノン・インターナショナルの主要な更生施設であるナルコノン・アローヘッドに誘導された。このナルコノン・インターナショナルはIRSによってサイエントロジーの関連団体として分類されている。サンタアナ警察はつながりが報告された後に小冊子を回収した。[7]

2009年9月9日に、フィラデルフィア市ノーザン・リベルティーズ英語版における警察の公会堂の外で、住人は財団による小冊子を発見した。小冊子のある段落にはL・ロン・ハバードの名前と共に彼の教義が紹介されており、別の段落には、ハバードの方法を利用した75%以上の成功率である薬物更生プログラムの存在が紹介されていた。L・ロン・ハバードはサイエントロジーの創始者であり、ナルコノン薬物更生プログラムの考案者でもある[8]

「薬物のない司令官」(Drug-Free Marshal)プログラムは、ニューメキシコ州ラスクルーセスにおいて2008年11月に開始された。薬物のない世界のための財団は小冊子を供給した。その小冊子の下部には次のような著作権表示が書かれていた。薬物のない世界のための財団、ナルコノン、より良い生活と教育のための会英語版、すべてのプログラムはサイエントロジー教会が支援する。後に、薬物反対プログラムがサイエントロジー教会によって作成され資金援助されたものだと市長に発覚し、彼は謝罪してプログラムを終了した。[9]

カリフォルニア州による調査の後、州の責任者であるジャック・オコンネル(Jack O'Connell)は、ナルコノンの薬物反対教育プログラムは不正確で非科学的な情報であるとして、すべてのカリフォルニアの学校から取り下げるよう要請した[10]。2005年、薬物のない世界のための財団よりも前に資金提供されていた。

日本支部:日本薬物対策協会[編集]

財団は日本でも「薬物について真実を知ろう」と書かれた横断幕の下で、L・ロン・ハバードのデータに基づいている、薬物の知識を掲載した小冊子を無料で配布したり、公立中学校で講演を行ったりしている[5]

日本薬物対策協会は、薬物のない世界のための財団の日本支部であり[2]、サイエントロジー東京に支援されている[3]。以前の東京薬物対策協会も、サイエントロジー教会が後援し、所在地がサイエントロジー東京、市民の人権擁護の会日本支部と同一の住所に存在したとされる[4]

脚注[編集]

  1. ^ What is the Foundation for a Drug Free World?”. 2013年8月9日閲覧。
  2. ^ a b 日本薬物対策協会”. 2015年6月10日閲覧。 冒頭で、薬物のない世界のための財団日本支部と説明されている。
  3. ^ a b サイエントロジー東京 (2010年9月20日). “twilog2010年09月20日”. twilog. 2015年6月10日閲覧。
  4. ^ a b 藤倉善郎 (2009年11月21日). “【続報】人権のための国際青年団日本支部とサイエントロジー”. やや日刊カルト新聞. https://dailycult.blogspot.com/2009/11/blog-post_21.html 2015年6月10日閲覧。 
  5. ^ a b “誰もが“正しい知識を持つこと”こそ解決への鍵 ボランティアによる大規模な薬物小冊子配布キャンペーン開催”. 教育情報新聞. (2009年5月31日). http://www.kyoikujoho.ne.jp/topics/20090531.htm 2015年6月10日閲覧。 
  6. ^ “Family Participates in Drug-Awareness Event”. Bellevue Reporter. (2008年7月17日). http://www.bellevuereporter.com/community/25598894.html 2013年8月16日閲覧。 
  7. ^ Dulaney, Josh (2012年5月16日). “Anti-drug Pamphlets Linked to Scientology Gone From Santa Ana Police Department”. Orange County Weekly. http://blogs.ocweekly.com/navelgazing/2012/05/anti-drug_pamphlets_linked_to_scientology_gone_from_santa_ana_police_department.php 2013年7月24日閲覧。 
  8. ^ Thompson, Isaiah (2009年9月25日). “Did Scientologists infiltrate NoLibs Town Hall Meeting?”. Philadelphia City Paper. http://www.citypaper.net/blogs/nakedcity/did_scientologists_infiltrate_nolibs_town_hall_meeting.html 2013年7月25日閲覧。 
  9. ^ Meeks, Ashley (2008年12月7日). “Mayor abandons anti-drug program affiliated with Church of Scientology”. Las Cruces Sun-News. http://www.lcsun-news.com/ci_11158958 2013年7月25日閲覧。 
  10. ^ Asimov, Nanette (2005年2月23日). “Schools Urged to Drop Antidrug Program / Scientology-linked Teachings Inaccurate, Superintendent Says”. SFGate. http://www.sfgate.com/education/article/Schools-urged-to-drop-antidrug-program-2728677.php 2013年7月23日閲覧。 

外部リンク[編集]