草野なつか

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くさの なつか
草野 なつか
生年月日 1985年
出生地 日本の旗 日本 神奈川県
職業 映画監督
ジャンル 映画
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草野 なつか(くさの なつか、1985年[1] - )は、日本映画監督・小説家。神奈川県出身[1]

経歴[編集]

東海大学文学部文芸創作学科を卒業後。映画美学校第12期フィクション・コース高等科修了[2][3]。映画の道に進んだきっかけは、大学で山根貞男の授業を受講したことだったという。

インディーズ映画の撮影や製作などに関わったのち、2014年に『螺旋銀河』で長編映画を初監督[4][5]。同作は、埼玉県川口市でデジタル撮影作品を対象に開かれる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」にて監督賞を受賞[6][7]。またシンガポールやフィンランドの映画祭にも参加、ドイツで開かれる日本映画祭「ニッポン・コネクション」では審査員賞を受賞した[8][9]

2016年、愛知芸術文化センターの助成を得て長篇第2作『王国(あるいはその家について)』を監督[10][11]。この作品は再編集版が2019年に製作され、英国映画協会が優れた現代日本映画の1本に選ぶなど国外でも注目を集めた[12]。イギリスの『ガーディアン』紙は同作について、「日常的な会話が不安と恐れをはらみコントロールできなくなってゆくさまを、厳しい密室劇で描いた」と述べ、コロナ禍時代の映画だと評した[13]

2023年、舞台製作などを手がける「マレビトの会」による「広島を上演する」と題したシリーズの1本として、短編「夢の涯てまで」を監督[14]。マルセイユ国際映画祭でも上映された[15]

作品[編集]

映画[編集]

  • 少女と夏の終わり(2012年) - 撮影
  • Dressing Up(2012年) - 制作
  • 螺旋銀河(2014年) - 監督・脚本
  • 王国 (あるいはその家について)(2018年) - 監督
  • 夢の涯てまで(2023年)- 監督

ミュージック・ビデオ[編集]

  • Little Phrase「Hanami by the River」(2015年)[16]

小説[編集]

  • 「丘の船着き場」(『ことばと』書肆侃々房、5号、2022年)[8]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014 - 長編コンペ部門選出日本人監督鼎談 - 加藤悦生 × 草野なつか × 遠藤幹大 (1/3)”. INTRO (2014年10月28日). 2015年5月2日閲覧。
  2. ^ 卒業生で映画監督の草野なつかさんが長編デビュー作で各賞を受賞しました”. 東海大学 (2014年8月27日). 2015年5月2日閲覧。
  3. ^ 「螺旋銀河」が ニッポンコネクション2014にて受賞!”. 映画美学校 (2014年6月5日). 2015年5月2日閲覧。
  4. ^ 『螺旋銀河』 草野なつか監督インタビュー | インタビュー|神戸映画資料館”. kobe-eiga.net. 2023年9月20日閲覧。
  5. ^ 2人の女性の孤独や不安が交錯し変化する様を繊細に描く - CO2助成作品・映画『螺旋銀河』草野なつか監督インタビュー”. CINEMA TOPICS ONLINE (2014年3月12日). 2015年5月2日閲覧。
  6. ^ SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023”. www.skipcity-dcf.jp. 2023年9月20日閲覧。
  7. ^ 最優秀作品賞決定! SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014、長編部門はオランダ映画『約束のマッターホルン』(1/2)”. シネマトゥデイ (2014年7月27日). 2015年5月2日閲覧。
  8. ^ a b 本学科出身の映画監督、草野なつかさんが小説を文芸誌に発表します! | ニュース | 文化社会学部 | 東海大学 - Tokai University”. 文化社会学部 (2022年4月14日). 2023年9月20日閲覧。
  9. ^ Pecoross wins at Nippon Connection”. Film Business Asia (2014年6月4日). 2015年5月2日閲覧。
  10. ^ YIDFF: インタビュー: 2019”. www.yidff.jp. 2023年9月20日閲覧。
  11. ^ 草野なつか監督『王国(あるいはその家について)』:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscape”. 美術館・アート情報 artscape. 2023年9月20日閲覧。
  12. ^ The best Japanese films – one per year” (英語). BFI. 2023年9月20日閲覧。
  13. ^ Bradshaw, Peter (2020年3月25日). “Domains review – eerie echoes of a world in isolation” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/film/2020/mar/25/domains-review-natsuka-kusamo-coronavirus 2023年9月20日閲覧。 
  14. ^ マレビトの会”. www.marebito.org. 2023年9月20日閲覧。
  15. ^ 夢の涯てまで – FIDMarseille” (英語). 2023年9月20日閲覧。
  16. ^ News”. Little Phrase (2015年1月8日). 2015年5月4日閲覧。

外部リンク[編集]