第2歩兵師団 (韓国陸軍)

第2歩兵師団
創設	1947年12月1日
廃止	1950年7月25日
再編成	1950年11月17日
廃止	2019年12月6日
所属政体	大韓民国
所属組織	大韓民国陸軍
部隊編制単位	師団
兵科	歩兵
愛称	怒涛（노도）
上級単位	第3軍団（英語版）
主な戦歴	朝鮮戦争
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第2歩兵師団（だい2ほへいしだん、朝鮮語: 제2보병사단、第二步兵師團）は大韓民国陸軍の師団の1つ。

歴史[編集]

1947年12月1日に大田で第2旅団が創設され、1949年5月12日に第2師団に昇格した。麗水・順天事件の鎮圧に隷下部隊が投入された。この時、李承晩大統領が反乱に関与した軍人らを鎮圧する姿を「夏季の怒っている波涛を見ているようだ」と表現したことが部隊愛称の由来となった^[1]。同年11月から安東地区で共匪討伐作戦に従事。1950年4月に再び大田に駐屯。

創設当初は第2連隊（連隊長：崔徳新少領）、第3連隊（連隊長：林善河少領）、第4連隊（連隊長：李翰林少領）で編成されていたが、これらは他の部隊に編入され、1950年6月の時点で第5連隊（連隊長代理：朴基成中領）、第16連隊（連隊長：文容彩大領）による2個連隊編制となっていた。

朝鮮戦争が勃発した時、師団司令部と第5連隊は大田、第16連隊は清州に駐屯していた。第5連隊と第16連隊は議政府に投入され壊滅した（議政府の戦い）。

ソウル陥落後、第3連隊（連隊長：李尚根大領）、第5連隊（連隊長：崔昌彦大領）、第16連隊などによって混成第2師団に再編成され、漢江を防御した（漢江の戦い）。漢江御防御線が崩壊すると7月5日未明から曽坪-清州で第16連隊、第20連隊（連隊長：朴基丙大領）で再編成され、第1軍団予備として拘置された。

1950年7月25日、大邱地区防衛司令部に編入。

1950年11月17日、ソウルで第17連隊、第31連隊、第32連隊によって再編成される。金化-鉄原-平康のゲリラ討伐に任じる^[2]。1950年12月10日、第3軍団に編入^[3]。

1951年1月、中国人民志願軍の南下によって第1線に投入されるが、正月攻勢を受けて損害を出したので後方の小白山の南東麓に集結させ、警備と再編成に務めた^[4]。

1951年2月、アメリカ軍第1海兵師団からゲリラ討伐任務を継承。討伐は同年4月25日まで続いた^[5]。同年4月28日、アメリカ軍第9軍団に編入^[6]。

1952年3月30日、作戦地域をアメリカ軍第40師団に引き渡して予備となり、4月21日から6月15日まで部隊整備と教育訓練を実施^[6]。

6月26日付で金化地域に進出し、アメリカ軍第40師団の作戦地域を引き継ぎ同地域の防御に任じた^[7]。同年10月から狙撃稜線を巡って中国軍第15軍第45師と交戦し、同地を確保することに成功した。12月1日から20日まで部隊整備と教育訓練を実施^[6]。同年12月29日、鉄原地域（矢じり高地-中江里）に配備^[8]。

1953年1月10日、第7砲兵団を配属^[6]。

1953年7月6日から矢じり高地に第23軍第73師が攻撃を開始した。戦闘は7月11日まで続き、最終的に第2師団は同地を守り通した^[8]。

休戦後は蔚珍・三陟や大岩山地域など10回の対間諜作戦を行った^[9]。

1968年の捜索中隊を発端に、1976年に全軍で唯一の大隊規模のスキー部隊を運用した^[9]。この部隊は1981年まで運用され、雪飛虎の愛称で呼ばれた^[9]。

2019年12月6日に国防改革2.0により解体される。後身として第2迅速対応師団が編成される。

師団長[編集]

代	氏名		在任期間	出身校・期	前職	後職	備考
代	漢字/片仮名表記	原語表記	在任期間	出身校・期	前職	後職	備考
1	元容徳	원용덕	1947.12.1^[10] - 1949.1.15	セブランス医科専門学校軍英1期	第8連隊長	第5旅団長
2	蔡元凱	채원개	1949.1.15^[11] - 5.12	洛陽講武堂警士3期	第3旅団長
3	劉升烈	유승렬	1949.5.12^[11] - 7.30	日本陸士26期	第1師団長	慶尚北道編成管区司令官
4	宋虎聲	송호성	1949.7.30^[11] - 1950.1.5	邯鄲軍事講習所警士2期	第5師団長	青年防衛隊顧問団長
5	劉載興	유재흥	1950.1.5^[11] - 6.10	日本陸士55期軍英1期	第6師団長	第7師団長
6	李亨根	이형근	1950.6.10^[11] -	日本陸士56期軍英1期	第8師団長	第3軍団長
7	林善河	임선하	1950.6.28? - 7.1	軍英1期	歩兵学校副校長	第1軍団参謀長	大領
8	李翰林	이한림	1950.7.1^[12]- 7.25	同徳台2期日本陸士57期	陸士副校長	第2軍団副軍団長
9	咸炳善	함병선	1950.11.6^[12] - 1952.7.29	軍英1期	第2連隊長	教育総監兼全羅南道地区衛戍司令官	准将 1952年5月少将
10	丁一権	정일권	1952.7.29^[12] - 10.31	奉天5期日本陸士55期軍英1期	参謀総長	米第9軍団副軍団長	中将
11	姜文奉	강문봉	1952.10.31^[12] - 1953.4.22	同徳台5期日本陸士59期軍英1期	第1軍団副軍団長	米第10軍団副軍団長
12	金雄洙	김웅수	1953.4.22^[12]- 11.29	軍英1期	第2軍団参謀長	第1軍参謀長
13	姜英勲	강영훈	1953.11.29 - 1954.5	軍英1期	国防部次官	連合参謀本部長
14			1954.5 - 1955
15	文亨泰	문형태	1955 - 1956.11	警士2期	第1野戦軍作戦参謀	第20歩兵師団長
16	任忠植	임충식	1956.11 - 1957.5	警士1期	第1師団長	第6軍団長
17	朴基丙	박기병	1957 - 1958	軍英1期	第15師団長	軍事研究発展局長
19	宋孝淳（朝鮮語版）	송효순	1959 - 1961	警士2期	第30師団長	予備役	准将
	金国卿^[13]	김국경	1980 - 1983?	総合14期		第1軍参謀長
39	金秉寬（朝鮮語版）	김병관	1999 - 2001	陸士28期	陸軍大学教授部長	合参本部戦力企画部長
40	ミン・ギョンベク	민경백	2001 - 2003.4.28^[14]	陸士29期		第1軍参謀長
41	韓起鎬（朝鮮語版）	한기호	2003.4.28 - 2005.5.6	工学学士	第1軍司令部作戦処長	陸本情報作戦部長
42	李漢弘	이한홍	2005.5.6^[15] - 2007.5.3	学軍13期		教育司令部
43	ジュ・ヨンス	주용수	2007.5.3^[16] - 2009.4.28	陸士34期
44	李淳鎮（朝鮮語版）	이순진	2009.4.28^[17] - 2011.4.29	三士14期	陸軍副士官学校長	合参軍事支援本部軍民心理戦部長
45	コ・ヒョンス	고현수	2011.4.29^[18] - 2013.4.26	学軍20期	陸軍砲兵学校教授部長	陸軍本部監察室長
46	イ・ジョンソプ	이종섭	2013.4.26 - 2015.4.15	陸士40期	国防部政策企画次長	合同参謀本部
47	キム・ジョンムン	김종문	2015.4.15^[19]	陸士42期	1砲兵旅団長	合同参謀本部新連合防衛推進団長
48	ハン・ヨンフン	한영훈		陸士44期	陸軍人事司令部	合同参謀本部人事部長	少将
49	ジャン・グァンソン	장관선		三士25期	第2作戦司令部教育訓練庁長	第2迅速対応師団創設準備	2021年12月中将

出典[編集]

^ 신기수 2023, p. 58.
^ 白善燁『対ゲリラ戦』原書房、1993年、144頁。
^ 韓国国防軍史研究所編著著、翻訳・編集委員会訳『韓国戦争第3巻中共軍の介入と国連軍の後退』かや書房、2002年、256頁。
^ 白善燁『対ゲリラ戦』原書房、1993年、156頁。
^ 白善燁『対ゲリラ戦』原書房、1993年、157頁。
^ ^a ^b ^c ^d 国防部戦史編纂委員会 1986, p. 280.
^ 軍史研究所 2010, p. 70.
^ ^a ^b 軍史研究所 2010, p. 218.
^ ^a ^b ^c 신기수 2023, p. 59.
^ 佐々木 1983, p. 211.
^ ^a ^b ^c ^d ^e 佐々木 1983, p. 212.
^ ^a ^b ^c ^d ^e 박동찬 2014, p. 107.
^ “陸軍少将金國卿”. 国立大田顕忠院. 2017年9月12日閲覧。
^ “韓起鎬第2師団長就任”. 江原道民日報. (2003年4月29日) 2016年8月16日閲覧。
^ “師団長就任式イ・ハンホン2師団長（사단장 취임식이한홍 2사단장）”. 江原道民日報. (2005年5月7日) 2016年6月29日閲覧。
^ “陸軍2師団長離・就任式（육군 2사단장 이·취임식）”. 江原道民日報. (2007年5月4日) 2016年8月16日閲覧。
^ “軍威人、李淳鎮少将陸軍2師団長に就任（군위인, 이순진 소장 육군 2사단장 취임）”. N軍威新聞. (2009年5月4日) 2016年8月16日閲覧。
^ ジョン・グァンソプ (2011年4月30日). “陸軍怒涛部隊長に就任（육군 노도부대장 취임）”. 真ニュース 2016年8月16日閲覧。
^ ファン・ジュン (2015年4月15日). “「最精鋭山岳師団育成」…キム・ジョンムン2歩兵師団長就任（"최정예 산악사단 육성"…김종문 2보병사단장 취임）”. ニュース1コリア. http://news1.kr/articles/?2187458 2018年2月11日閲覧。

参考文献[編集]

佐々木春隆『朝鮮戦争/韓国篇上巻建軍と戦争の勃発前まで』（第4刷）原書房、1983年。ISBN 4-562-00798-2。
佐々木春隆『朝鮮戦争/韓国篇下巻漢江線から休戦まで』原書房、1977年。
韓国国防軍史研究所編著著、翻訳・編集委員会訳『韓国戦争第6巻休戦』かや書房、2010年。ISBN 978-4-906124-69-5。
“韓國戰爭要約” (PDF). 韓国国防部軍史編纂研究所. 2020年9月26日閲覧。
박동찬 (2014) (PDF). 통계로 본 6·25전쟁. 국방부 군사편찬연구소. ISBN 979-11-5598-010-1
신기수 (2023). 육군 부대 도감. 궁리. ISBN 978-89-5820-847-1

歴史[編集]

師団長[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]