痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!

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痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!(いたみにたえてよくがんばったかんどうしたおめでとう )は、大相撲平成13年夏場所優勝決定戦横綱武蔵丸を下し、13勝2敗で通算22度目の優勝を果たした貴乃花に、内閣総理大臣杯を授与した小泉純一郎が残した言葉である。

背景とその後[編集]

大相撲平成13年夏場所の優勝決定戦で貴乃花が横綱武蔵丸を下し、13勝2敗で通算22度目の優勝を果たした。前日の取組で右足を負傷し、千秋楽は出場自体が危ぶまれたが、強行出場。武蔵丸との結びの一番ではあっけなく敗れたが、優勝決定戦は気迫の上手投げで勝利した。だが、その代償は大きく、貴乃花はこの後、7場所連続休場することになる[1]

評価[編集]

小泉純一郎に対する評価[編集]

廣文館は、「喜怒哀楽を素直に表現するスタイル。小泉首相がメディア向きの政治家であることを、よく表している場面だった。」と評した[2]

財務省は、「普通の人は『痛みに耐えて頑張る姿に私は本当に感動しました。心からおめでとうと言いたいと思います』と言うのですが、これだと名文句にならないですよね。小泉純一郎元総理が言った言葉には余計なことが一切省かれています。しかも一つの文章に一つの意味しかない。主語さえありません。これくらい一つ一つの文を短くすることで話し言葉は相手に強いインパクトを与えます。」と評した[3]

貴乃花に対する評価[編集]

桂春蝶は、「あの名ゼリフ、『痛みに耐えてよく頑張った! 感動した! おめでとう!』。あれを言わせてしまうのも、『貴様』のすごさなのですよ。」「そして、ここからが大切です。『貴様』はこんな時でも、決して多くを語らない。インタビューで痛みを聞かれても、『特にないですよ』と言うだけでした。大変なけがだと、みんなが分かっている。観客は涙で大歓声を送りました。」「すべてを見せないからこそ、観客は演者に花を感じ、それを愛でる。世阿弥が求めた『秘すれば花』を地でいくのが『貴様』なのです。」「世阿弥が残した別の言葉に『初心忘れるべからず」があります。これは初心のピュアな気持ちを…ではありません。初心とは、芸能者としては心も技も『最低レベル』なので、そこに戻るなよ…という意味なんです。」「世阿弥は『時々は初心を忘れるべからず』という言葉も残していて、これは、『たまには、初心の時のように大恥かくような経験を、オッサンになってもした方がいいよ』という意味です。」「『貴様』はバッシングを受けたり、奥方とも離婚して大変です。これも世阿弥の注文通りです。そして、世阿弥は『老後まで初心を忘れるべからず』とも言いました。」「これは、「ジジィになっても、たまには炎上の1つでもして、世間からたたかれるくらいがいい」というのが私の解釈です。「貴様」は今後も、世阿弥のオーダー通り、話題を提供し続けてくれるでしょう。」「私も「貴様」を見習って、もうひと炎上してみようかなー(笑)。」などと評した[4]

類例[編集]

大相撲平成17年11月場所千秋楽、前日14日目に史上初の7連覇、年6場所完全制覇、そして年間最多勝新記録を達成、結びの一番で大関千代大海寄り切りで下し、通算15回目の優勝を有終の美で飾った朝青龍に、大相撲平成13年5月場所以来の観戦となった小泉首相が、内閣総理大臣杯を手渡し、「新記録!大記録!見事だ!おめでとう!」と祝福した[5]

関連項目[編集]

出典[編集]