無線LANコントローラ

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無線LANコントローラ(英語:Wireless LAN Controller)は、アクセスポイントを管理するデバイスで、SSIDや周波数チャンネルを一元管理する[1]。また、WLCはアクセスポイントに電力を供給する側(PSE)に該当する。

物理ポート[編集]

無線LANコントローラにはいくつかの物理ポートがある。シスコ製では以下がある。

  • ディストリビューションシステムポート - 通常のトラフィックや管理トラフィックを送受信する。1台のスイッチに対して複数のディストリビューションシステムポートを接続して帯域幅を増やす、所謂リンクアグリゲーションに対応(そのスイッチ側はトランクポートモードにする必要がある)。
  • サービスポート - 上記ポートがデータ通信と管理通信の両方が出来るのに対し、サービスポートは管理トラフィックのみ送受信する。これはディストリビューションシステムポートに不具合が発生した場合でも、遠隔操作で障害対応するためである。なお、管理トラフィックのみ送受信できるよう制限されているのは、輻輳なく通信させせるためである。結果、対抗のスイッチポートはアクセスポートでなければならない。また、このポートのIPアドレスの割り当てに関しては、固定IPアドレスを割り当てたり、DHCPを使用してIPアドレスを取得したりすることが可能。
  • コンソールポート - コンソールケーブルでPCを接続し、直接無線LANコントローラの設定や障害対応ができる。
  • 冗長ポート - LANケーブルで他のWLCと接続して冗長化を図るためのポート。

結果、ディストリビューションシステムポートはインバンド方式(一般ユーザのトラフィックと管理トラフィックを分けない)であるのに対し、上位機種に備わっているサービスポートはアウトオブバンド方式(一般ユーザのトラフィックと管理トラフィックを分ける)となる。

パケットフィルタリング[編集]

無線LANコントローラもルータと同様にパケットフィルタリングが可能で、Access Control Listを使用する。ACLは以下の2つに大別される。

  • 「WLCを通過していくパケット」をフィルタリングするには、ACLを「Dynamicインターフェース」に適用。
  • 「WLCに対するパケット」をフィルタリングするには、「CPU Access Control Lists」にACLを適用。

Access Pointのモード[編集]

APにはいくつかのモードを設定できる。以下その一覧。

  • Localモード - LAPの初期設定モード。無線LANクライアントとデータを送受信する。
  • Bridgeモード - メッシュネットワークでの距離が離れたAPの中継などに利用する。
  • FlexConnectモード - 主にWAN経由で WLCと接続する時に使用するモード
  • Monitorモード - 不正なAPの検出をする。その他IDSRFID用の専用センサーとして動作するモード
  • Rogue Detectorモード - 有線ネットワーク上に不正なAPやクライアントがいないか監視するモード
  • Snifferモード - 特定のチャネル上のすべてのパケットを収集して、指定したデバイスに送信するモード

関連項目[編集]

参照[編集]