松井珠己

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松井 珠己
Tamaki Matsui
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1998-01-10) 1998年1月10日(26歳)
出身地 千葉県松戸市
ラテン文字 Tamaki Matsui
身長 170cm
体重 63kg
血液型 A[1]
選手情報
所属 ブラジルの旗 ユニライフ・マリンガ
愛称 タマキ
ポジション S
指高 220cm
利き手[1]
スパイク 285cm
ブロック 265cm[1]
獲得メダル
日本の旗 日本
U20世界選手権大会
2017 メキシコ
ユニバーシアード
2019 イタリア
アジア選手権
2019 韓国
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松井 珠己(まつい たまき、1998年1月10日 - )は、日本の女子バレーボール選手。

来歴[編集]

千葉県松戸市出身。3人兄妹の長女(兄と弟がいる)。小学3年生のとき、母の影響を受け自身もバレーボールを始めた[1]

富山第一高等学校では2年生の2015年1月開催の第67回春高バレーに出場。当時から「セッター松井中心のコンビバレー」と紹介されるなど、チームの正セッターとして活躍[2]

日本女子体育大学 時代[編集]

日本女子体育大学進学後、2016年の第5回アジアカップ女子大会に大学一年生ながら選出され、2試合にスタメン出場したのに続き[3]、2017年1月の全日本ジュニア女子チーム候補選手の強化合宿に、唯一の大学生として参加[4]。7月の第19回世界ジュニア女子選手権大会(U-20)(メキシココルドバボカ・デル・リオで開催)には、後にチームメイトとなる兵頭由希東谷玲衣奈らと共に選出され、キャプテンとしてチームを引っ張り3位に導く[5]。日本女子体育大学のキャプテンだった[6]2018年には女子アジア東部地区選手権でも、後にチームメイトとなる横田真未と共に全試合にスタメン出場し、5勝0敗でチームを優勝に導くなど[7]、大学時代からアンダーカテゴリーの主力として国際舞台で活躍する。

2019年に入ると7月の第30回ユニバーシアード競技大会(イタリアナポリで開催)でも横田と共に全試合にスタメン出場、3位に導き3大会連続のメダル獲得に貢献した[8]。8月に深谷ビッグタートルで開催された「2019女子バレーボール国際親善試合」では日本代表の若手主体のBチームにキャプテンとして選出。チャイニーズタイペイ戦にスタメン出場し3-0で勝利し[9][10]、そのBチームで挑んだ、韓国で開催された2019年バレーボール女子アジア選手権では後に日本代表でチームメイトとなる関菜々巳東レアローズ)と共に、準決勝でキム・ヨンギョン擁する韓国を破るなど若手主体のチームながら優勝という快挙を成し遂げる[11][12]。その活躍もあって、2020年には日本代表に初選出された[13][14]

デンソーエアリービーズ 時代[編集]

2019年11月に横田、そして福留慧美と共にデンソーエアリービーズへの入団(内定)が発表され[15][16]、翌2020年11月7日のJTマーヴェラス戦でVリーグデビューを果たす[17]。このシーズンは田代佳奈美が正セッターだったため、主に二枚替えでの途中出場がメインだったが、田代が代表に合流した後に行われたVCupでは全5試合にスタメン出場するなど[18]、シーズンを通して20試合に出場した。

2021年7月に行われた「2021 V・サマーリーグ西部大会」では「フレッシュスター賞(V1)」を受賞し、チームの初優勝に貢献[19][20]。迎えた2021/22シーズンは田代がVBナント、そして田原愛里PFUブルーキャッツに移籍したこともあり、正セッターとしてレギュラーラウンド全33試合にスタメン出場した[21]

また代表にも2022年度に再度選出され[22]、6月1日のネーションズリーグ・韓国戦にスタメンで初出場を果たした[23][24]

2023年4月24日、2022-23シーズンをもってデンソーエアリービーズを退団すると発表された。自分自身の成長を一番に考えて決断した[25][26]。その後、ブラジルスーペルリーガユニライフ・マリンガ (ptに移籍することとなった[27]

2024年2月23日、2024-25シーズンをアメリカ合衆国リーグ・ワン・バレーボール(LOVB)でプレーすることを発表した[28][29]

選手としての特徴[編集]

  • 川北元前監督はガッツと、テンポの良さやスピーディーなリズムを評価している[30]
  • 2021年11月に対戦したトヨタ車体クインシーズ印東玄弥監督(当時)は「適確な判断で、スパイカーの能力を引き出している」と、A帳票で称賛している[31]
  • 竹下佳江はアンダーカテゴリーでの豊富な国際大会の経験と、「どう自分が動いて他の選手を生かすべきか」を考えられる点を評価している[32]

人物・エピソード[編集]

  • 高三のインタビューで、尊敬するアスリートとして小学校の時に同じチーム(東金町ビーバーズ)[1]で1学年先輩だった田原愛里を挙げた(2020/21シーズンでチームメイトになる)[33]

所属チーム履歴[編集]

球歴[編集]

受賞歴[編集]

  • 2017年 第19回 世界ジュニア女子選手権大会(U-20):ベストセッター賞[34]
  • 2019年度 春季関東大学女子1部バレーボールリーグ戦:最優秀選手 / セッター賞 / 会長特別賞[35]
  • 2019年度 秋季関東大学女子1部バレーボールリーグ戦:セッター賞[36][37]
  • 2021年 V・サマーリーグ西部大会:フレッシュスター賞(V1)[19][20]

個人成績[編集]

V.LEAGUEの個人成績は下記の通り(ファイナルステージ、VCup含む)[38]

大会 チーム 出場 アタック バックアタック アタック
決定本数
ブロック サーブ サーブレシーブ 総得点























































V1 2020-21 デンソー 20 62 27 14 1 51.9 0 0 0 - 0.23 4 0.06 116 0 4 1 30 9.7 1 0 0 0.0 14 4 4 22
V1 2021-22 33 124 78 36 3 46.2 0 0 0 - 0.29 12 0.10 462 1 12 18 98 7.1 5 1 1 30.0 36 12 13 61
通算:2シーズン 53 186 105 50 4 47.6 0 0 0 - 0.27 16 0.09 578 1 16 19 128 7.7 6 1 1 25.0 50 16 17 83

出演[編集]

YouTube[編集]

【カンテレ公式】カンテレバレーボール チャンネル

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 「デンソーエアリービーズ」『2020-21 V.LEAGUE公式プログラム チームの顔 女子 2020年12月号』、日本文化出版、2020年12月、59頁、ASIN B08KH3VJQC 
  2. ^ 春高バレー2015 - フジテレビ”. フジテレビ. 2022年6月13日閲覧。
  3. ^ a b 第5回アジアカップ女子大会”. 公益財団法人日本バレーボール協会. 2022年6月20日閲覧。
  4. ^ 全日本ジュニア女子チームの候補選手が強化合宿を実施”. 公益財団法人 日本バレーボール協会 (2017年1月27日). 2021年5月21日閲覧。
  5. ^ a b 第19回世界ジュニア 女子選手権大会(U-20)”. 公益財団法人日本バレーボール協会. 2022年6月14日閲覧。
  6. ^ 学友会優勝祝賀会にて”. 日本女子体育大学バレーボール部 (20190226). 2022年6月13日閲覧。
  7. ^ 2018女子アジア東部地区選手権”. 公益財団法人日本バレーボール協会. 2022年6月13日閲覧。
  8. ^ a b 全日本ユニバ女子、ハンガリーにフルセットで勝利し、銅メダルを獲得 第30回ユニバーシアード競技大会”. バレーボールマガジン (2019年7月13日). 2021年5月21日閲覧。
  9. ^ 「2019女子バレーボール国際親善試合 日本対チャイニーズタイペイ」に出場する日本代表A・Bチームのメンバーを発表。Bチームは石川真佑らU20メンバーから8人”. バレーボールマガジン (2019年7月31日). 2021年5月21日閲覧。
  10. ^ 2019女子バレーボール国際親善試合 日本対チャイニーズタイペイ”. 公益財団法人日本バレーボール協会. 2022年6月13日閲覧。
  11. ^ a b 第20回アジア女子選手権大会 2大会連続5度目の優勝”. 公益財団法人日本バレーボール協会 (2019年8月25日). 2022年6月13日閲覧。
  12. ^ 全日本女子Bチーム、韓国やタイを破りアジア選手権で優勝”. バレーボールマガジン (2019年8月25日). 2022年6月13日閲覧。
  13. ^ 日本代表女子 2020年度登録メンバーを発表。石井優希、石川真佑、宮下遥ら29人。及川真夢、林琴奈ら7人が初選出”. バレーボールマガジン (2020年1月27日). 2021年5月21日閲覧。
  14. ^ JPN-POL Women VNL 2022 14.06.2022”. volleyballworld.com. 2022年6月20日閲覧。
  15. ^ 入社内定選手”. デンソーエアリービーズ (2020年4月1日). 2021年5月21日閲覧。
  16. ^ デンソー 松井珠己(日本女体大)、横田真未(東海大)、福留慧美(龍谷大)の内定を発表”. バレーボールマガジン (2019年11月25日). 2021年5月21日閲覧。
  17. ^ JTマーヴェラス対デンソーエアリービーズB帳票”. Vリーグ機構 (2020年11月7日). 2022年6月13日閲覧。
  18. ^ V Cup 予選ラウンド Aグループ ラウンド一覧”. Vリーグオフィシャルサイト. 2022年6月13日閲覧。
  19. ^ a b 西部大会|2021 SUMMER LEAGUE”. 日本バレーボール協会 (2021年7月4日). 2021年7月4日閲覧。
  20. ^ a b デンソーが初優勝。MVPに工藤嶺(デンソー)、敢闘賞に万代真奈美(久光)2021 V・サマーリーグ女子西部大会”. バレーボールマガジン (2021年7月4日). 2021年7月4日閲覧。
  21. ^ V・レギュラーラウンド ラウンド一覧”. Vリーグオフィシャルサイト. 2022年6月13日閲覧。
  22. ^ 2022年度女子日本代表チーム 選手・監督・スタッフ”. 公益財団法人日本バレーボール協会. 2022年3月31日閲覧。
  23. ^ JPN-POL Women VNL 2022 14.06.2022”. volleyballworld.com. 2022年6月20日閲覧。
  24. ^ Volleyball Nations League 2022”. volleyballworld.com. 2022年6月20日閲覧。
  25. ^ 2022-23シーズン 退団選手およびスタッフのお知らせ”. デンソーエアリービーズ (2023年4月24日). 2023年4月25日閲覧。
  26. ^ “デンソー 森谷史佳主将、日本代表の松井珠己、兵頭由希、ネリマン・オズソイら6選手が退団 V1女子”. バレーボールマガジン. (2023年4月24日). https://vbm.link/653525/ 2023年4月25日閲覧。 
  27. ^ “Tamaki Matsui é a nova levantadora do Unilife/Maringá”. melhordovolei.com.br. (2023年5月8日). https://melhordovolei.com.br/noticias/item/tamaki-matsui-e-a-nova-levantadora-do-unilife-maringa 2023年8月1日閲覧。 
  28. ^ “報告“”. 2024年4月3日閲覧。
  29. ^ Cuttino Kingdon Rishel Winters Matsui Join Lovb” (英語). www.lovb.com. 2024年4月3日閲覧。
  30. ^ デンソー・川北元監督「横田真未はゲームを見る意識が高い」、井上琴絵「勝ちにこだわってやっていきたい」V1女子会見”. バレーボールマガジン (2021年2月10日). 2021年5月21日閲覧。
  31. ^ デンソーエアリービーズ対トヨタ車体クインシーズA帳票”. Vリーグ機構 (2021年11月7日). 2022年6月13日閲覧。
  32. ^ パリ五輪へ竹下佳江が期待するセッター。女子バレー界が「明るい未来」のためにやるべきことも提言”. web Sportiva (20211011). 2022年6月13日閲覧。
  33. ^ UPPERCUT'S B 富山第一高等学校 女子バレーボール部”. YELL 部活応援プロジェクト [エール]. 2022年6月13日閲覧。
  34. ^ 第19回世界ジュニア女子選手権大会(U-20) 銅メダル”. 日本女子体育大学 (2017-XX-XX). 2021年5月21日閲覧。
  35. ^ 2019年度 春季関東大学女子1部バレーボールリーグ戦 <最終結果>”. 関東大学バレーボール連盟 (2019年5月19日). 2021年5月22日閲覧。
  36. ^ 2019年度 秋季関東大学女子1部バレーボールリーグ戦<最終結果>”. 関東大学バレーボール連盟 (2019年10月28日). 2021年5月22日閲覧。
  37. ^ 関東大学リーグの個人賞が決まる。男子は武藤鉄也(早大)、女子は松本愛希穂(東海大)がMVPに”. バレーボールマガジン (2010年10月28日). 2021年5月21日閲覧。
  38. ^ 松井珠己|選手別成績|Vリーグ オフィシャルサイト”. Vリーグ機構. 2022年4月13日閲覧。

外部リンク[編集]