時計館の殺人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
館シリーズ > 時計館の殺人
時計館の殺人
著者 綾辻行人
発行日 1991年9月
発行元 講談社
ジャンル ミステリー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 講談社ノベルス
ページ数 626(文庫)
前作 人形館の殺人
次作 黒猫館の殺人
コード ISBN 4-06-181550-4
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

時計館の殺人』(とけいかんのさつじん)は、推理作家綾辻行人による長編推理小説。綾辻の代表シリーズである館シリーズの第五作である。

1992年度 第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作にして[1]、作者の代表作の一つである。

あらすじ[編集]

大手出版社・稀譚社の新米編集者である江南孝明は、友人であり駆け出しの推理作家でもある鹿谷門実を訪ねる。そこで彼は担当している超常現象を取り扱うオカルト雑誌『CHAOS』の取材のため、2人と因縁のある中村青司の建築した通称「時計館」に行くことを伝える。その館には10年前に死亡した少女の霊が出るという。江南はその霊について取材するため、3日間泊まり込みで霊との交信を行うこととなった。『CHAOS』の副編集長、稀譚社のカメラマン、霊能者、W**大学の超常現象研究会のメンバーらとチームを組み、彼らは「時計館」を訪れる。しかしそこで凄惨な殺人事件が幕を開ける。

主な登場人物[編集]

取材チーム[編集]

江南 孝明(かわみなみ たかあき)
稀譚社が発行する雑誌『CHAOS』の新米編集者。鹿谷門実とは以前あった事件で知り合って以来の友人。
小早川 茂郎(こばやかわ しげお)
同副編集長。今回の企画の発案者で取材班リーダー。W**大学OB。横浜市在住で妻子持ち。
内海 篤志(うつみ あつし)
同社写真部のカメラマン。口髭を蓄え、髪を伸ばして後ろで束ねている。
光明寺 美琴(こうみょうじ みこと)
霊能者。鹿谷門実の住んでいるマンションの隣人。
瓜生 民佐男(うりゅう みさお)
W**大学3年生で超常現象研究会会長。色白でほっそりした顔立ち。大学では建築を学んでいる。早希子・河原崎・福西とは、W**大学の附属中学の受験時からの幼馴染である。
樫 早希子(かたぎ さきこ)
同会員。瓜生より色白で長い髪がよく似合う美人。
河原崎 潤一(かわらざき じゅんいち)
同。色黒で短髪、がっしりした体型でしゃくれた顎という出で立ち。
新見 こずえ(にいみ こずえ)
同。学年は2年。急に来られなくなった福西の代役。ショートヘアに子狐のような顔立ち。
渡辺 涼介(わたなべ りょうすけ)
同。学年は2年。今回の企画を大学のサークルに持ち込んだ人物。取材チームで唯一眼鏡をかけている。小柄でずんぐりした体型。

その他[編集]

鹿谷 門実(ししや かどみ)
本名は島田潔。九州にある寺の三男。駆け出しの推理作家で江南の友人。江南たちの取材開始後自らも時計館に訪れ、それがきっかけで紗代子からある依頼を受ける。
福西 涼太(ふくにし りょうた)
W**大学3年生で超常現象研究会会員。眼鏡をかけている。両親が離婚しており母親に引き取られた。親戚の不幸で急遽取材に参加できなくなったが、後に訪れた時計館で鹿谷と出会う。瓜生・早希子・河原崎とは幼馴染み。

時計館関係者[編集]

古峨 倫典(こが みちのり)
時計館の先代当主。古峨精計社の前会長。故人。
古峨 時代(こが ときよ)
倫典の妻で永遠の母。故人。
古峨 永遠(こが とわ)
倫典と時代の娘。故人。時計館に現れる霊は彼女の霊であるとされている。
古峨 由季弥(こが ゆきや)
倫典の息子。時計館現当主。元々は倫典の従弟の息子だったが、両親が亡くなったため養子となった。永遠が亡くなってから紗代子曰く「"夢の世界"で生きている」。
足立 輝美(あだち てるみ)
倫典の妹。由季弥の後見人。現在は夫の仕事の都合でオーストラリアに住んでいる。
馬渕 長平(まぶち ちょうへい)
倫典の友人。現在は鎌倉市内の老人ホームに入居している。
馬渕 智(まぶち さとる)
長平の息子。永遠の許嫁であった。故人。
野之宮 泰斉(ののみや やすひと)
倫典が信頼を置いていた占い師。時代や永遠の死期を当てている。現在は時計館に住んでいる。取材チームに、破滅の相が見えるとして帰るよう警告する。
伊波 裕作(いなみ ゆうさく)
時計館の使用人。故人。
伊波 紗代子(いなみ さよこ)
優作の妻。時計館の現在の管理責任者。日本に来られない輝美の代わりも務めている。耳を悪くしたため補聴器を付けている。鹿谷にある調査を依頼する。
伊波 今日子(いなみ きょうこ)
裕作・紗代子の娘。故人。
寺井 明江(てらい あきえ)
看護師。長谷川の紹介で永遠の看護のため雇われていた。故人。
寺井 光江(てらい みつえ)
明江の妹。一時期古峨家に使用人として雇われていた。
長谷川 俊政(はせがわ としまさ)
古峨家の主治医。故人。
服部 郁夫(はっとり いくお)
倫典の部下。倫典から信頼されていた。故人。
田所 嘉明(たどころ よしあき)
時計館の使用人。昼だけ通いで働いている。主に紗代子が困難な力仕事を任されている。

書籍情報[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 1992年 第45回 日本推理作家協会賞 長編部門 日本推理作家協会公式サイト参照。

関連項目[編集]