星つむぎの歌

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星つむぎの歌
平原綾香シングル
初出アルバム『Path of Independence
B面 今・ここ・私
リリース
ジャンル J-POP
レーベル ドリーミュージック
チャート最高順位
平原綾香 シングル 年表
今、風の中で
(2007年)
星つむぎの歌
(2008年)
孤独の向こう
(2008年)
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星つむぎの歌』(ほしつむぎのうた)は、平原綾香の14枚目のシングル

解説[編集]

  • タイトル曲は、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の打ち上げ第1便に宇宙飛行士・土井隆雄が搭乗することに合わせて、彼への応援歌として作られた楽曲[1]
  • 2007年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による「宇宙連詩」に触発された山梨県立科学館高橋真理子が「宇宙連詩山梨版」(主催:山梨県立科学館、山日グループ)を発案した[2][3][4][5]。「みんなで星を見上げ、その想いをつむいで共に歌をつくりましょう」との呼びかけのもと、作詞家で詩人の覚和歌子がつむぎだした最初のフレーズ「空の青さがなつかしいわけは」に続く歌詞が1行ごとに順次公募された[† 1][2][4][5]。半年かけて2167名から寄せられた2690通から、覚がひとつひとつを選び、つむぎだすことで、『星つむぎの歌』の歌詞が生まれた[2][6]
  • 2008年3月12日、中学生時代を甲府で過ごした土井隆雄[† 2]スペースシャトル・エンデバーで2回目の国際宇宙ステーションに向かう際、贈られていた『星つむぎの歌』のCDを持参した[11][12]。土井は持参したCDをスペースシャトルの船内に浮かべ、窓越しに見える国際宇宙ステーションの太陽電池パドルと地球を背景に写真を撮った[2]。3月19日、土井夫人のリクエストによって『星つむぎの歌』がウェイクアップコールとして地上から国際宇宙ステーションに送信された。それを聞いて目覚めた土井は、歌の制作にかかわった人々に感謝の言葉を述べた[13]
  • 2009年、第76回(平成21年度)NHK全国学校音楽コンクール の「小学校の部 全国コンクール」のスペシャルステージ委嘱作品に選定され[14]、10月10日にはNHKホールにおいて3000人による合唱が行われた[15][16]。2009年10月31日から11月3日まで日本科学未来館とその周辺で行われたサイエンスアゴラ2009では、4日間の締めくくりとなる総括セッション(未来館ホール)において参加者全員による合唱(手話付き)が行われた[15][17][18][19]

収録曲[編集]

  1. 星つむぎの歌
  2. 今・ここ・私
    • 作詞:覚和歌子/作曲:財津和夫/編曲:財津和夫、清水俊也
  3. 星つむぎの歌~Vocal-less Track

タイアップ[編集]

星つむぎの歌
今・ここ・私

脚注[編集]

註釈[編集]

  1. ^ 新月と満月の日を公募開始および発表の日とし、上弦と下弦の日を締め切りの日に設定した[4][5]
  2. ^ 甲府市立東中学校で3年間を過ごす[7]。中学1年の秋から太陽の黒点観測を始め、山梨県立科学館の前身である山梨県立青少年科学センターに通った[7]。1991年から超新星の観測を始め[8]、1997年に日本人初の船外活動を行った後の2002年と2007年に超新星を発見した[8][9]。土井が親しんだ青少年科学センターのプラネタリウム投えい機は母校に展示されている[10]

出典[編集]

  1. ^ 2167人が作詞!平原綾香が宇宙飛行士に捧ぐシングル、ナタリー、2007年12月26日。
  2. ^ a b c d 高橋真理子『人はなぜ星を見上げるのか 星と人をつなぐ仕事』新日本出版社、2016年、63-72頁。ISBN 9784406060448https://www.shinnihon-net.co.jp/child/detail/name/%E4%BA%BA%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E6%98%9F%E3%82%92%E8%A6%8B%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B/code/978-4-406-06044-8/ 
  3. ^ 星空届ける。私は「宙先案内人」(後編)|読むらじる。”. NHK (2019年10月15日). 2022年1月1日閲覧。
  4. ^ a b c 宇宙連詩山梨版 星つむぎの歌”. 山梨日日新聞社. 2007年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
  5. ^ a b c 宇宙連詩山梨版 星つむぎの歌 : Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙” (2007年5月19日). 2022年1月1日閲覧。
  6. ^ 宇宙連詩山梨版 星つむぎの歌”. 山梨日日新聞社. 2007年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
  7. ^ a b 山梨)宇宙めざす原点 土井隆雄さん、中学校時代を語る”. 朝日新聞. 2022年1月1日閲覧。
  8. ^ a b 土井さん、超新星を発見(NAOニュース)”. アストロアーツ. 2022年1月1日閲覧。
  9. ^ 宇宙飛行士の土井隆雄さん、明るい超新星2007aaを発見”. アストロアーツ. 2022年1月1日閲覧。
  10. ^ 学校紹介 プラネタリウム”. 甲府市立東小学校. 2022年1月1日閲覧。
  11. ^ 宇宙連詩山梨版 星つむぎの歌”. 山梨日日新聞社. 2009年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
  12. ^ 林公代 (2011年9月). “DSPACE 土井隆雄さん―国連宇宙部で見えたこと、始めたこと。”. 三菱電機. 2022年1月1日閲覧。
  13. ^ JAXAデイリーレポート 飛行9日目(Flight Day 9):「きぼう」日本実験棟”. JAXA (2008年3月19日). 2022年1月1日閲覧。
  14. ^ NHK全国学校音楽コンクール 課題曲紹介”. NHK. 2022年1月1日閲覧。
  15. ^ a b 宇宙連詩山梨版 星つむぎの歌”. 山梨日日新聞社. 20121029時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
  16. ^ 楽譜『星つむぎの歌』”. 音楽之友社. 2022年1月1日閲覧。
  17. ^ 星つむぎの歌 手話付き大合唱.
  18. ^ 高橋真理子 (2009年11月9日). “サイエンスアゴラ2009 : Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙”. 2022年1月1日閲覧。
  19. ^ 十枝慶二「11月3日を科学文化の日に!」『JST News』第6巻第9号、独立行政法人科学技術振興機構、2009年12月、9頁。 

関連項目[編集]

  • 星つむぎの村 - 「星つむぎの歌」作詞者の覚和歌子、発案者の高橋真理子らプロジェクトメンバーが2010年に旧団体を設立。星の語り部が合流した際にテーマソングとなった。