延米

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延米(のべまい)は、江戸時代年貢米に対する付加税のひとつである。

概要[編集]

年貢米をに詰める時に目減りを考えて付加されたものである。 最初は目減りを考えてに山盛りにして納め、それで3斗5升入りの俵に4斗ほどもはいった。

元和2年7月、枡に山盛りにすることはせずに、斗掻き(とかき)でかきならして、そのかわりに別に2升を加えて3斗7升俵として納めた。 「延米」は、3斗7升-3斗5升=2升をいう。

関東の相模国武蔵国安房国上総国下総国常陸国上野国および下野国伊豆国駿河国三河国および遠江国では、「本石計立」(ほんこくはかりだて)といった。

ただし延米は3斗5升に対する2升である(これは三七延という)とはかぎらず、国々によって異同があった。

延米は明治維新ののちも徴収され、石代納が許されたのちは金銭に換算されて課され、地租改正によって消滅した。

なお、「地方凡例録」によれば、「延米」という名称は私領におけるもので、幕領においては「出目米」(でめまい)と称したようであるが、その区別は必ずしも明確ではない。