平家公達草紙

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平家公達草紙』(へいけきんだちぞうし)は、鎌倉時代初期に成立したと見られる平家公達の逸話を集めた小編。作者不詳だが藤原隆房という説がある。現在までに内容を異にする3種の本が伝わっている。

判明している限りでは承安4年(1174年)から寿永2年(1183年)にかけての、公卿としての平家一門の華やかな日々を断片的に追想した挿話14段による回顧録。主に小松家(平重盛)一家の平維盛平重衡に関するエピソードが多い。ただし登場人物の官職名や名前が違っているものも多い。

『平家公達草紙』から抜き出した本文に白描絵巻絵を加えて、鎌倉時代末期に作られた『平家公達草紙絵巻』がある。

詞書[編集]

(松永記念本)

  • 「内裏近き火」
  • 「青海波」
  • 「公達の盗人」
  • 「花陰の鞠」

(国立博物館本)

  • 「かたのまもり」
  • 「秋のみ山のもみぢ葉」
  • 「将棋倒し」
  • 「建春門院の面影」
  • 「重衡とその想い人たち」
  • 「東北院の遊び」

(宮内庁書陵部本)

  • 「立ち明す車」
  • 「隠れ簔の中将」
  • 「小柴の内」

関連項目[編集]

参考文献[編集]