平井輝七

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平井 輝七(ひらい てるしち、1900年〈明治33年〉12月5日 - 1970年〈昭和45年〉12月11日)は、日本戦前を代表する前衛的な写真家のひとり。

1900年 (明治33年) 12月5日、大阪生まれ[1][2]。 アマチュア写真家として、「浪華写真倶楽部」、「丹平写真倶楽部」、「アヴァンギャルド 造影集団」などのグループで活躍した。1970年 (昭和45年) 12月11日、で亡くなった[3]

平井は、フォトモンタージュや彩色を駆使した、極めて幻想的なシュルレアリスム的作品を得意とする。「月の夢想」、「モード」、「生命」などの作品は、他に類例のない、独自の幻想世界を構築しており、日本戦前の写真作品全体にとっても、代表作といってよい。

平井輝七の作品「月の夢想」について、飯沢耕太郎はその著書『写真に帰れ 光画の時代』の中で、「江戸川乱歩の小説のような幻想世界を作りあげている」「『前衛写真』の記念碑的な作品」と評している[4]

主要参考文献[編集]

そのほか、展覧会カタログは存在しないが、「コラージュとフォトモンタージュ」展(東京都写真美術館2006年)でも、平井作品が展示され、「生命」がチラシに用いられている[注 1]

脚注[編集]

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  1. ^ 「生命」の図版あり[5][6]

出典[編集]

  1. ^ 長野重一飯沢耕太郎木下直之 編『小石清と前衛写真』岩波書店、1999年7月13日、67頁。ISBN 4-00-008355-4 
  2. ^ 『日本写真年報 1963年版』日本写真協会、1963年、288頁。 
  3. ^ 長野重一、飯沢耕太郎、木下直之 編『小石清と前衛写真』岩波書店、1999年7月13日、69頁。ISBN 4-00-008355-4 
  4. ^ 飯沢耕太郎『写真に帰れ 『光画』の時代』平凡社、1988年、116頁。ISBN 4-582-23104-7 
  5. ^ コラージュとフォトモンタージュ展”. 2010年2月閲覧。
  6. ^ コラージュとフォトモンタージュ展チラシ”. 2010年2月閲覧。

関連項目[編集]