岐氏

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岐氏(ふなとし)は、奈良時代における大隅国大隅郡岐郷の豪族である。

「岐」について[編集]

岐郷は、『和名抄』に大隅郡岐と記されており「支刀(フナト、支は岐の省略)」と読むとされる。岐は、『日本書紀』に岐神とあるのを、『古事記』に船戸神と載せているので、フナトと読み、刀の字を補っても同訓と考えられる。フナトのトは御津(ミト)のトで、岐氏は郡内の重要な港を拠点としていた豪族と推測できる。

概要[編集]

姓を称しているため、同じく直姓であった大隈氏の一族である可能性がある。

岐氏は、『続日本紀天平勝宝元年(749年)8月条に、「外正六位上曾縣主岐直志自羽志、加禰保佐並に外從五位下を賜ふ」と見えるが、曾縣主の姓は曾君であると考えられ、かつ縣主と他の姓とを重複した例は全くなく、さらにこの文には加禰保佐に氏姓の記載がないことを考慮すれば、曾縣主志自羽志岐直加禰保佐の誤写とであると推測できる。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]