小津安二郎記念蓼科高原映画祭

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小津安二郎記念蓼科高原映画祭(おづやすじろうきねんたてしなえいがさい)は、日本を代表する映画監督小津安二郎のゆかりのある長野県茅野市で毎年開催される映画祭である[1]

小津安二郎記念蓼科高原映画祭
日本の旗 日本
主催茅野市役所 観光まちづくり推進課内
初回1998年
公式サイト小津安二郎記念蓼科高原映画祭

概要[編集]

蓼科高原にある小津安二郎の別荘であった無藝荘にちなんで、第1回「小津安二郎記念蓼科高原映画祭」が1998年9月8日に開催(3日間)された。 以後ほぼ毎年続けられている[2]

小津安二郎監督作品の上映を中心に、シンポジウム短編映画コンクールなどを行う。

2009年、小津作品の常連だった佐田啓二の娘で女優の中井貴惠が、小津映画を音楽家とのコラボレーションで朗読公演にした「音語り[3]」の『晩春』を第12回映画祭で演じた。以後「音語り」は常連となる。

2022年、3年ぶりに第25回映画祭が9月17日から9月25日に開催されされた。

2023年、小津安二郎生誕120年の年を迎え、9月23日より第26回映画祭が開催される。

映画会場[編集]

  • 茅野市民館 - イベントのメイン会場。映画上映以外にシネマカフェ(市民ボランティアの地元食材でのおもてなし料理)・交流パーティー(会場「カフェ・アンダンテ」映画上映後の当日ゲストとの立食パーティ)等がおこなわれた年もあった。
茅野新星劇場
  • 茅野新星劇場 - 主な映画上映会場
  • 無藝荘 - 「夏の小津会」小津安二郎の関係者や、愛好家達と思い出話をしながらのお茶会が開催される。(期間中駅から無料シャトルバスが出る)

上映映画[編集]

小津作品以外にも様々な作品が上映される。

短編映画コンクール[編集]

当映画祭では2002年(第5回蓼科高原映画祭)より映像制作者の作品発表や登竜門の場として短編映画コンクールを開催している[4]

短編映画コンクール出品監督[編集]

小津安二郎記念館・無藝荘[編集]

無藝荘

1954年蓼科高原にあった野田高梧の山荘「雲呼荘」の近くにある片倉製糸の別荘を借り、「無藝荘」と名付けた。以来、小津と野田高梧の共同脚本作業の場となった。2003年、小津の生誕100年を記念し茅野市と地元で建物を引き取り、プール平(地名)に移築して保存・公開している。

  • 開館時間10:00~16:00
  • 開館期間4月下旬~11月初旬[5]


無藝荘から行ける小津安二郎が散歩していたコース「小津の散歩道」には、「小津の一本桜」や笠智衆佐田啓二新藤兼人井上和男等の山荘や「新・雲呼荘 野田高梧記念蓼科シナリオ研究所[6]」があり、当時の小津の山荘生活がうかがえる。

関連書籍[編集]

  • 『蓼科日記』蓼科日記刊行会 著 小学館スクウェア(2013)ISBN 978-4797981186 野田高梧の山荘「雲呼荘」に備えられていたノート「蓼科日記」(野田や小津や、訪問者が自由に書き込んだ)を本にまとめたもの。仲間たちと愛飲していた茅野市の日本酒「ダイヤ菊[7]」を飲み交わしたこと等が楽しげに描かれている。ダイヤ菊は諏訪大津屋本家酒造で造られていたが、2020年「戸田酒造株式会社」と社名を変えた[8]

脚注[編集]

  1. ^ デジタル大辞泉プラスの解説『小津安二郎記念蓼科高原映画祭』 - コトバンク
  2. ^ 2020年の第23回は短編映画コンクールと道の駅ビーナスライン蓼科湖の駐車場でドライブインシアターでの上映が行われた
  3. ^ 中井貴惠オフィシャルサイト - インフォメーション
  4. ^ 短編映画コンクール - 小津安二郎記念・蓼科高原映画祭
  5. ^ 蓼科高原観光ガイド・無藝荘
  6. ^ 取り壊された「雲呼荘」に残された様々な資料を保管、公開している。無藝荘からビーナスライン経由徒歩約5分バス停笹丸平のそば(新・雲呼荘 (noda.kogo2016) - Facebook)
  7. ^ コトバンク-ダイヤ菊とは
  8. ^ 戸田酒造株式会社ホームページ-ダイヤ菊の歴史参照

関連項目[編集]

外部リンク[編集]