中西紀雄

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中西 紀雄(なかにし のりお、1965年 - )は、日本のテレビカメラマン撮影監督である。日本放送協会所属。

来歴[編集]

1965年熊本県生まれ[1]。1984年、熊本県立玉名高等学校[2]。1987年、日本工学院専門学校卒。同年、日本放送協会入局。その後、同局の潜水撮影チームに所属。水中撮影と安全潜水スキルを習得した。NHK鹿児島放送局NHK沖縄放送局NHK松山放送局NHK熊本放送局NHK放送センターなどに勤務[3]。自然番組を中心とした多くのドキュメンタリーを撮影[4][5]

同局では水中撮影のカメラマンとして、潜水班のリーダー的役割を務めるなど[6]重要なポジションをまかされている[7]。また自然番組での撮影技術の継承活動や人材育成及び指導にもあたっている[8]

水中機材の新規開発も積極的に行う[3]。自身が中心になって原理を開発した「TWINS CAM 水面合成カメラシステム[9]」は2012年ロンドンオリンピックで国際映像として各国に提供され反響を呼んだ[10]。また水中・水上の動きを一枚の画で表現することで、「新しい映像表現で効果的に競技を伝えることができた」「教育番組の教材映像としても効果を発揮した」と評価された[9]。この技術は映画テレビ技術協会技術開発賞を受賞。特許も取得した[4][5]

受賞[編集]

  • 2002年 - Jules Verne Awards Documentaries Best Picture - 『VAMPIRE FROM THE ABYSS』により[8]
  • 2002年 - 第13回映画テレビ技術協会 鈴木賞奨励賞[3]
  • 2010年 - 第64回映画テレビ技術協会 技術開発賞 - 『TWINS CAM 水面合成カメラシステム』の開発により[3]
  • 2014年 - 第44回小倉・佐伯賞 - 『4K制作「月の魔法が命をよぶグレート・バリア・リーフ大産卵」撮影報告(映画テレビ技術第741号掲載)』により[8][11]
  • 2020年 - 第50回日本映画テレビ技術協会 優秀制作技術賞[4][5]

特許[編集]

  • 水上水中撮像装置、及び水上水中撮影方法[4][5]

主な担当番組[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b #152 8Kで地域の災害を記録し、伝えつづける意味 ~NHK熊本 8K防災ワークショップから~NHK文研ブログ.2018年11月2日閲覧
  2. ^ 平成30年度第2回キャリア教育講演会 熊本県立玉名高等学校.2018年11月9日閲覧
  3. ^ a b c d 『映画テレビ技術』日本映画テレビ技術協会.2011年7月号,p11
  4. ^ a b c d 『映画テレビ技術』日本テレビ技術協会.2021年8月号,p58
  5. ^ a b c d 優秀制作技術賞(柴田賞・鈴木賞)受賞一覧一般社団法人 日本映画テレビ技術協会
  6. ^ 人類未開の地を追った15年、地球最後の秘境・アマゾンを撮った男たちの秘話『NHK取材班 アマゾンを撮る男たち』株式会社 宝島社プレスリリース2016年6月15日閲覧
  7. ^ 『NHK取材班 アマゾンを撮る男たち』宝島社, p.90
  8. ^ a b c 『映画テレビ技術』日本テレビ技術協会.2015年11月号
  9. ^ a b 仲野良, 沢田智, 中西紀雄, 武藤一利, 柳澤斉「2-4 TWINS CAM「水面合成カメラシステム」の運用 : 水面合成カメラを使った番組制作(第2部門 放送現業)」『映像情報メディア学会年次大会講演予稿集』第2010巻、映像情報メディア学会、2010年、2-4-1-_2-4-2_、doi:10.11485/iteac.2010.0_2-4-1ISSN 1343-1846NAID 110009598800 
  10. ^ ロンドンオリンピックが「ツインズカム」を採用 NHK報道資料.2012年7月5日閲覧
  11. ^ 優秀執筆賞(小倉・佐伯賞)受賞一覧一般社団法人 日本映画テレビ技術協会
  12. ^ 驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た! DVDNHK Enterprises

外部リンク[編集]