ヴィタリー・ビアンキ

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ヴィタリー・ヴァレンチーノヴィチ・ビアンキロシア語:Виталий Валентинович Бианки ヴィターリイ・ヴァレンチーナヴィチ・ビアーンキ, ラテン文字転写の例:Vitalii Valentinovich Bianki1894年2月11日 - 1959年6月10日)は、ロシアの小説家(児童文学作家)である。動物文学で世界的に知られる。表記はヴィタリ、ビタリ、ビタリーとも。

概要[編集]

ロシア帝国時代のサンクトペテルブルクに生まれた。父親は鳥類学者でヴィタリー本人もはじめ鳥類学を学んだ。イタリア系で(曽祖父の代にロシアへ移住)、姓のビアンキ(Бианки)も、イタリア姓であるビアンキ (Bianchi) に由来する。

1923年に「森の小さな家」でデビュー。児童文学者のチュコフスキーマルシャークと交友があった。作品に「子ねずみのピーク」、「森の新聞」などがある。これらはロシアの野山を舞台にした動物文学であり、同じジャンルで活躍したことから、ビアンキはしばしばアメリカシートンと並び称され、著書は200冊を超える。ビアンキの作品は、日本では戦後(主に理論社によって)数十冊が紹介された。

主要な邦訳作品リスト[編集]

全集[編集]

  • 『ビアンキ動物記(全7巻)』
    • 樹下節、タカクラ・タロー訳、理論社、1968年
  • 『ビアンキ動物記(全22巻)』
    • 同上、理論社、1981 - 82年
  • 『ビアンキのこども動物記(全7巻)』
    • 内田莉莎子・飯田規和ほか訳、理論社、1968 - 69年

単発[編集]

  • 『子ねずみのピーク』(『子ネズミのピーク』)
    • 網野菊訳、岩波少年文庫、1954年・94年
  • 『森の動物記』
    • 中沢美彦訳、角川文庫、1975年

ほか多数。

現在、入手が容易なものとして以下が挙げられる。

  • 『きつねとねずみ』
  • 『初めての狩』
    • 片山ふえ訳、ヴェーラ フレーブニコワ、ピョートル・ミトゥーリチ絵、未知谷、2004年 ISBN 978-4896421170
  • 『くちばし どれが一番りっぱ?』
  • 『どうぐはなくても』
  • 『ビアンキの動物ものがたり』

参考文献[編集]

  • ビアンキ『孤独な森の巨人』(木下節訳、1984年、理論社「10代の本セレクション」版)
  • ビアンキ『森の動物新聞』(木村浩訳、1989年、講談社「青い鳥文庫」)