ロニー・ロドリゲス

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ロニー・ロドリゲス
Ronny Rodríguez
デトロイト・タイガース時代
(2019年4月30日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 首都地区サントドミンゴ
生年月日 (1992-04-17) 1992年4月17日(32歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
170 lb =約77.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手二塁手三塁手
プロ入り 2010年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2018年5月31日
NPB / 2021年4月22日
CPBL / 2022年4月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
プレミア12 2015年

ロニー・ロドリゲス・マルティネス(Ronny Rodríguez Martinez、1992年4月17日 - )は、 ドミニカ共和国サントドミンゴ出身のプロ野球選手内野手)。フリーエージェント(FA)。右投右打。

CPBLでの登録名は龍德力

愛称はエル・フェリーノEl Felino - スペイン語で「」の意)[1]。野球以外にもラッパーとしても活動しており、ラッパーとしてはこの名前を使っている。

経歴[編集]

プロ入りとインディアンス傘下時代[編集]

2010年10月にクリーブランド・インディアンスと契約してプロ入り。

2011年に傘下のA級レイクカウンティ・キャプテンズでプロデビュー。98試合に出場して打率.246、11本塁打、42打点、10盗塁を記録した。

2012年はA+級カロライナ・マドキャッツでプレーし、126試合に出場して打率.264、19本塁打、66打点、7盗塁を記録した。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、スコッツデール・スコーピオンズに所属した。

2013年はAA級アクロン・エアロズでプレーし、116試合に出場して打率.265、5本塁打、52打点、12盗塁を記録した。

2014年はAA級アクロン・ラバーダックス[2]でプレーし、118試合に出場して打率.228、5本塁打、34打点、4盗塁を記録した。

2015年もAA級アクロンでプレーし、72試合に出場して打率.286、11本塁打、29打点、4盗塁を記録した。オフの11月に開催された第1回WBSCプレミア12ドミニカ共和国代表に選出された。11月12日の日本戦では小川泰弘から本塁打を打った[3]

2016年はAAA級コロンバス・クリッパーズでプレーし、116試合に出場して打率.258、10本塁打、59打点、4盗塁を記録した。

2017年もAAA級コロンバスでプレーし、117試合に出場して打率.291、17本塁打、64打点、15盗塁を記録した。オフの11月6日にFAとなった[4]

タイガース時代[編集]

2017年12月21日にデトロイト・タイガースとマイナー契約を結び、2018年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[5]

2018年は開幕を傘下のAAA級トレド・マッドヘンズで迎え、5月30日のシラキュース・チーフス戦ではサイクル安打を達成している[6]。翌31日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[7]、同日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャーデビュー[8]。8月23日のシカゴ・ホワイトソックス戦ではジェームズ・シールズからメジャー初本塁打を打った[9]。この年メジャーでは62試合に出場して打率.220、5本塁打、20打点、2盗塁を記録した。

2019年は84試合に出場して打率.221、14本塁打、43打点、3盗塁を記録した。

ブルワーズ傘下時代[編集]

2019年12月9日ウェイバー公示を経てミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[10]

2020年9月14日にDFAとなり[11]、16日にマイナー契約となった[12]。オフの11月2日にFAとなった[4]

日本ハム時代[編集]

2020年11月27日、北海道日本ハムファイターズとの契約に合意[13]。年俸4,000万円の1年契約を結んだ(金額は推定)[14]。2桁本塁打を記録した長打力と内野全般を守れるユーティリティ性などが評価された[13][15]。同じ苗字の投手であるブライアン・ロドリゲスがいるため、報道上の表記およびスコアボード上の表記は「R.ロドリゲス」が使われる。

2021年COVID-19の影響で来日が4月3日と遅れ、隔離期間を終えた4月18日に入団会見を開きチームに合流[16]。調整を経て4月22日に一軍登録され、同日の千葉ロッテマリーンズ戦に6番三塁で来日初出場。しかし14打数連続ノーヒットと苦しみ、さらに新型コロナウイルスに感染してしまい5月2日に登録抹消[17]。5月25日に一軍復帰すると同日の東京ヤクルトスワローズ戦で来日初安打[18]、翌26日のヤクルト戦では来日初本塁打を記録したものの[19]6月4日に登録抹消。6月26日に再び一軍登録され、同日のロッテ戦では来日初盗塁を記録したが[20]、前半戦は打率.088と打撃不振に苦しんだ。しかしエキシビションマッチで好調をアピールすると[21]中田翔が不祥事でチームから放出され、渡邉諒は打撃不振が続き、一塁と二塁での出場機会が増加。レギュラーシーズン再開後も好調を維持し、8月は月間打率.273、9月はスタメン起用された6試合で3本塁打を記録[22]。一塁高濱祐仁・二塁佐藤龍世・三塁野村佑希と若手が優先される中、少ないスタメンでの出場機会で結果を残し、10月8日のロッテ戦では来日初の猛打賞を記録した[23]斎藤佑樹の引退試合となった10月17日のオリックス・バファローズ戦(札幌ドーム)では先制の適時二塁打を放つも[24]走塁時に右太もも裏を痛め、第2打席の途中でベンチに退いた[25]。右ハムストリングの肉離れ(1度)と診断され、翌18日に登録を抹消された[26]

台湾・味全時代[編集]

2022年1月19日に台湾プロ野球味全ドラゴンズと契約した[27]。4月28日にCPBL初出場を果たした。6月22日の試合で負傷したことにより出場選手登録を抹消され、以降は1軍に昇格出来ず、8月17日に解雇された[28]

メキシカンリーグ時代[編集]

2023年は、メキシカンリーグの2球団でプレーした[29]

選手としての特徴・人物[編集]

二塁を中心に内野全ポジションと外野をこなすユーティリティープレイヤー[30][31]。打撃ではパンチ力が武器[30]。一方で、選球眼と確実性を課題としている[32]

ラッパーとしても活動しており、2017年のシーズン終了後にはミュージック・ビデオをリリースしている[33]

日本ハム時代は英語が話せる谷内亮太と特に親しく、彼をスペイン語で友達を意味する「アミーゴ」と呼び慕っている[34][35][36]。日本ハム退団後の2023年9月27日に行われた谷内の引退セレモニーではビデオでメッセージを送っている。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2018 DET 62 206 191 17 42 7 0 5 64 20 2 0 3 2 10 0 0 42 7 .220 .256 .335 .591
2019 84 294 276 29 61 12 3 14 121 43 3 1 0 5 13 0 0 82 5 .221 .252 .438 .690
2021 日本ハム 50 125 122 11 24 8 1 6 52 12 1 0 0 0 3 0 0 38 2 .197 .216 .426 .642
2022 味全 12 45 44 5 12 3 0 0 15 5 0 0 0 0 1 0 0 13 3 .273 .289 .341 .630
MLB:2年 146 500 467 46 103 19 3 19 185 63 5 1 3 7 23 0 0 124 12 .221 .254 .396 .650
NPB:1年 50 125 122 11 24 8 1 6 52 12 1 0 0 0 3 0 0 38 2 .197 .216 .426 .642
CPBL:1年 12 45 44 5 12 3 0 0 15 5 0 0 0 0 1 0 0 13 3 .273 .289 .341 .630
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成内野守備[編集]



一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)
















































2018 DET 10 53 5 2 3 .967 17 20 40 1 9 .984 12 5 12 2 0 .895 24 25 45 6 5 .921
2019 13 88 7 0 9 1.000 31 40 77 2 20 .983 6 2 8 2 0 .833 20 19 54 4 10 .948
2021 日本ハム 6 43 5 1 6 .980 22 25 30 0 7 1.000 9 3 7 2 0 .833 1 2 0 0 0 1.000
MLB 23 141 12 2 12 .987 48 60 117 3 29 .983 18 7 20 4 0 .871 44 44 99 10 15 .935
NPB 6 43 5 1 6 .980 22 25 30 0 7 1.000 9 3 7 2 0 .833 1 2 0 0 0 1.000
外野守備


左翼(LF) 右翼(RF)
























2018 DET - 1 0 0 0 0 ----
2019 1 1 0 0 0 1.000 -
MLB 1 1 0 0 0 1.000 1 0 0 0 0 ----
  • 2021年度シーズン終了時

記録[編集]

NPB[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 60(2018年 - 2019年)
  • 53(2021年 - 2022年)

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Tigers' nicknames for Players' Weekend” (英語). MLB.com (2018年8月15日). 2018年9月13日閲覧。
  2. ^ 2014年より球団名変更
  3. ^ “日本ハム 前ブルワーズのロニー・ロドリゲスと契約合意”. スポーツニッポン. (2020年11月27日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/11/27/kiji/20201127s00001173230000c.html 2021年8月27日閲覧。 
  4. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2020年11月20日閲覧。
  5. ^ Jack Baer (2017年12月21日). “Ronny Rodríguez y otros tres peloteros firman pactos de liga menor con Tigres” (スペイン語). MLB.com. 2018年9月13日閲覧。
  6. ^ Chris Bumbaca (2018年5月30日). “Rodriguez hits for cycle, adds extra homer” (英語). MiLB.com. 2018年9月13日閲覧。
  7. ^ Evan Woodbery (2018年5月31日). “After offensive barrage at Toledo, Ronny Rodriguez will make MLB debut for Tigers” (英語). MLive.com. 2018年9月13日閲覧。
  8. ^ Los Angeles Angels at Detroit Tigers Box Score, May 31, 2018” (英語). Baseball-Reference.com. 2018年9月13日閲覧。
  9. ^ Jason Beck (2018年8月23日). “Boyd delivers scoreless showing vs. White Sox” (英語). MLB.com. 2018年9月13日閲覧。
  10. ^ Adam McCalvy (2019年12月10日). “After adding 2, Crew staying patient at Meetings” (英語). MLB.com. 2019年12月10日閲覧。
  11. ^ Steve Adams (2020年9月14日). “Brewers Claim Billy McKinney; Trey Supak, Ronny Rodriguez Designated For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月15日閲覧。
  12. ^ Brewers Outright Trey Supak, Ronny Rodriguez” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月17日閲覧。
  13. ^ a b "ロニー・ロドリゲス選手と契約合意". 公式サイト. 北海道日本ハムファイターズ. 27 November 2020. 2020年11月27日閲覧
  14. ^ シーズンオフはラッパー!日本ハムが内野の複数ポジションこなすロニー・ロドリゲスと年俸4000万円契約合意”. 中日スポーツ (2020年11月27日). 2021年5月1日閲覧。
  15. ^ "【日本ハム】マイナー通算98発ロニー・ロドリゲスの獲得を発表 栗山監督「チーム事情にフィット」". スポーツ報知. 報知新聞社. 27 November 2020. 2020年11月27日閲覧
  16. ^ 【日本ハム】ロニー・ロドリゲスが自己紹介ラップを披露 決めポーズはネコ”. スポーツ報知 (2021年4月18日). 2021年9月8日閲覧。
  17. ^ 日本ハム、新たにロドリゲス、高浜ら4選手コロナ感染 選手は計7人感染で2日の西武戦中止”. Sponichi Annex (2021年5月1日). 2021年9月8日閲覧。
  18. ^ コロナから復帰日本ハム・ロドリゲス来日初安打「眠れない日々過ごしてた」”. 日刊スポーツ (2021年5月25日). 2021年9月8日閲覧。
  19. ^ 日本ハムのR・ロドリゲスが来日初アーチ「完璧にとらえることができた」”. サンスポ (2021年5月26日). 2021年9月8日閲覧。
  20. ^ 【日本ハム】R・ロドリゲスが来日初盗塁 積極プレーにどよめき、栗山監督も「いいねぇ」”. 中日スポーツ (2021年6月26日). 2021年9月8日閲覧。
  21. ^ 日本ハム・R・ロドリゲス 後半戦へ上り調子 最近3試合で9打数4安打3打点”. Sponichi Annex (2021年8月7日). 2021年9月8日閲覧。
  22. ^ 日本ハムのR・ロドリゲス「ヤチパワー!」で4号 バット選びは“アミーゴ”谷内に相談”. Sponichi Annex (2021年9月25日). 2021年10月9日閲覧。
  23. ^ ラッパー日本ハムR・ロドリゲス「アリガトウ」1発含む来日初猛打賞”. 日刊スポーツ (2021年10月8日). 2021年10月9日閲覧。
  24. ^ 日本ハム 1点差逃げ切って斎藤の引退試合に勝利!オリックスは競り負け2位・ロッテと0・5差”. Sponichi Annex (2021年10月17日). 2021年10月18日閲覧。
  25. ^ 日本ハムのR・ロドリゲス4回打席途中で代打、右太もも裏に違和感”. 日刊スポーツ (2021年10月17日). 2021年10月18日閲覧。
  26. ^ 【日本ハム】R・ロドリゲスが右ハムストリング肉離れで離脱 実戦復帰まで10日の見通し”. スポーツ報知 (2021年10月18日). 2021年10月18日閲覧。
  27. ^ https://www.setn.com/News.aspx?NewsID=1060127
  28. ^ https://sports.ettoday.net/news/2318390
  29. ^ https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=rodrig003ron
  30. ^ a b 1年目からリリーフ陣再建のキーマンに!伊藤大海”. ラブすぽ (2021年3月17日). 2022年4月20日閲覧。
  31. ^ メジャー通算19発のロニー・ロドリゲス 日ハム入りに「感謝の気持ちで一杯」”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2020年11月27日). 2022年4月20日閲覧。
  32. ^ 日本ハムの新助っ人ロニー・ロドリゲスとは 2019年にシーズン14本塁打、オフはラッパーの異色ユーティリティー【成績データ分析】”. ベースボールチャンネル(BaseBall Channel). 2022年4月20日閲覧。
  33. ^ Evan Woodbery (2018年3月12日). “'El Felino' is an aspiring Tigers utility man and a budding Dominican rapper” (英語). MLive.com. 2018年9月13日閲覧。
  34. ^ 「僕がいなくても困らないと思う。ただ…」栗山監督が絶賛する“スーパーサブ”谷内亮太…“失策ゼロ”の原点「ヤクルト時代の金言」とは(高山通史)”. Number Web - ナンバー. 2022年4月20日閲覧。
  35. ^ 「ヤチパワー!」ラッパー日本ハムR・ロドリゲスV弾 アミーゴ谷内の力? - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2022年4月20日閲覧。
  36. ^ 「アミーゴを信じなくて良かった」ラッパーR・ロドリゲス弾で日本ハム勝利 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2022年4月20日閲覧。
  37. ^ “【日本ハム】R・ロドリゲスが来日初盗塁 積極プレーにどよめき、栗山監督も「いいねぇ」”. 中日スポーツ. 中日新聞社. (2021年6月26日). https://www.chunichi.co.jp/article/280076?rct=baseball 2021年6月27日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]