ヨドゼゼラ

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ヨドゼゼラ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : カマツカ亜科 Gobioninae
: ゼゼラ属 Biwia
: ヨドゼゼラ B. yodoensis
学名
Biwia yodoensis
(kawase and hosoya, 2010 )
英名
Yodo dwarf gudgeon[1]

ヨドゼゼラBiwia yodoensis)は、淀川水系固有種の小型の底生淡水魚タイプ産地京都府大山崎町桂川の三川合流地点。2010年ゼゼラとは別の種類として新種記載された[2]

分布と生息地[編集]

淀川水系の河川中下流域、ワンドやタマリ、支流下流二次流路農業用水路に分布し、泥底と砂泥底を好む[1][3]。本種の主な生息域は淀川水系であるが、琵琶湖からも記録がある[2]

形態[編集]

全長4 - 7 cm[1]ゼゼラと非常に似るが、眼はゼゼラに比べて小さく、体高は高い[1]。またヨドゼゼラの側線鱗数は34 - 36に対し、ゼゼラは35 - 38である[3]。さらにヨドゼゼラの脊椎骨数は34 - 36だが、ゼゼラは34 - 38である。繁殖期になると鰭条が伸長し、背鰭の外縁はギザギザした形になる。また、オスは体が銀白色になり、追星が現れる[1]は短く丸く、口が小さく下向きで、口ひげはない[1]

生態[編集]

繁殖期は4~7月上旬で、オスが抽水植物陸上植物の根になわばりを持つ。メスは植物アオミドロに産卵する。卵は寒天質の物質に包まれ、互いにくっつきあってブドウの房のような卵塊となる。2,3日で孵化し、ワンドの中などで成長する。寿命はほとんどの個体が1年で、産卵後死亡する。底の表面の藻類デトリタスを食す[1][4]

保全状況[編集]

河川環境の悪化や水田地帯の消失により、個体数は激減している[1]環境省レッドリスト2020では「絶滅危惧IB類」、大阪府レッドリスト2014では「絶滅危惧Ⅱ類」[4]、京都府レッドデータブック2015では「準絶滅危惧種」に指定されている[5]

絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 『増補改訂 日本の淡水魚』170頁
  2. ^ a b Seigo Kawase and Kazumi Hosoya (2010). “Biwia yodoensis, a new species from the Lake Biwa/Yodo River Basin, Japan (Teleostei: Cyprinidae)”. Ichthyological Exploration of Freshwaters 21(1): 1-7. 
  3. ^ a b 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』104頁
  4. ^ a b ヨドゼゼラ”. 淡水魚図鑑(在来種). 環境農林水産総合研究所. 2023年1月30日閲覧。
  5. ^ 京都レッドデータブック2015“ヨドゼゼラ””. 京都府. 2023年12月5日閲覧。

参考文献[編集]

  • 細谷和海『山渓ハンディ図鑑15 増補改訂 日本の淡水魚』山と渓谷社、2019年。ISBN 978-4-635-07043-0 
  • 川瀬成吾(ヨドゼゼラ部分)『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館、2018年。ISBN 978-4-09-208311-0 

関連項目[編集]