ミツバチ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミツバチ科 Apidae
ハマゴウ属の花にとまるクマバチの一種(Xylocopa micans
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : ミツバチ上科 Apoidea
: ミツバチ科 Apidae
英名
Apidae

ミツバチマルハナバチハリナシバチシタバチなど

カッコウバチ

クマバチなど

ミツバチ科(ミツバチか、Apidae)は、ミツバチ上科の中で最大のであり、少なくとも5700種が属する。科にはマルハナバチミツバチなど最も一般的に見られるハナバチの仲間だけでなく、ハリナシバチ蜂蜜を採るために利用される)、クマバチ、シタバチ、カッコウバチ、および他のさほど有名でない多くの種が含まれる[1][2]。多くの自然生息地および農作物にとって貴重な送粉者となっている[3]

分類[編集]

古典的な分類(ミツバチ、マルハナバチ、ハリナシバチ、シタバチ)に加えて、現在のミツバチ科には、かつてコシブトハナバチ科とCtenoplectridae科に分類されていたすべての属が含まれている[3]。 ミツバチ科の最もよく目にする種は社会性のものであるが、大半の種は単独性であり、その中には労働寄生種も含まれる[4]

かつてのミツバチ科には4つの(ミツバチ亜科: ミツバチ族およびシタバチ族、マルハナバチ亜科: マルハナバチ族およびハリナシバチ族)があったが、旧コシブトハナバチ科のすべての族・亜科と、族に格下げとなった旧Ctenoplectridae科とともに、ミツバチ亜科の族として分類しなおされることになった。グループの分類学上の階級を下げる傾向は、既存のすべてのハナバチを「ミツバチ科」の名の下にまとめて分類するという2005年の研究[5]においてさらに進んだが、それ以降の文献では広く受け入れられてはいない。

亜科[編集]

ミツバチ亜科[編集]

トマトの花に近づくコシブトハナバチの1種(Amegilla cingulata

ミツバチ亜科には、ミツバチマルハナバチハリナシバチシタバチコシブトハナバチなどが含まれる。ミツバチ科に分類されるほとんどの種類のハチは単独で行動し、巣は土中の単純な穴である。しかしながら、ミツバチ、ハリナシバチ、マルハナバチは真社会性あるいはコロニー性である。これらの社会性はそれぞれ独自に発達したと考えられることもあり、働き蜂同士のコミュニケーションや巣の作り方などに顕著な違いが見られる。

以下の族が含まれる[2]

キマダラハナバチ亜科[編集]

花にとまるキマダラハナバチの1種

キマダラハナバチ亜科には10族31属が含まれ、いずれも他のハチの巣に労働寄生する。

以下の族が含まれる[2]

クマバチ亜科[編集]

花にとまるクマバチの1種(Xylocopa violacea

クマバチを含むクマバチ亜科は、ほとんどが単独種であるが、群生する傾向にある。Allodapiniのようないくつかの族の系統は、真社会性の種を含む。

この亜科のほとんどの種は、植物の茎や木に巣を作る。

以下の族が含まれる[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Danforth, Bryan N.; Cardinal, Sophie; Praz, Christophe; Almeida, Eduardo A.B.; Michez, Denis (2013). “The Impact of Molecular Data on Our Understanding of Bee Phylogeny and Evolution”. Annual Review of Entomology 58 (1): 57–78. doi:10.1146/annurev-ento-120811-153633. ISSN 0066-4170. PMID 22934982. 
  2. ^ a b c d BugGuide.Net: the Family Apidae (of bees) . accessed 6.23.2013
  3. ^ a b [Michener, Charles D. (2007) The bees of the world. The Johns Hopkins University Press. Baltimore, Londres.]
  4. ^ [O'Toole, Christopher, Raw, Anthony (1999) Bees of the world. Cassell Illustrated. ISBN 0-8160-5712-5]
  5. ^ Gonçalves, Rodrigo B. (2005). “Higher-level bee classifications (Hymenoptera, Apoidea, Apidae sensu lato)”. Melo, Gabriel AR, And"Revista Brasileira de Zoologia 22 (1): 153–159. doi:10.1590/S0101-81752005000100017. 
  6. ^ a b Engel, M. S.; Alqarni, A. S.; Shebl, M. A. (2017). “Discovery of the bee tribe Tarsaliini in Arabia (Hymenoptera: Apidae), with the description of a new species”. American Museum Novitates (3877): 1–28. doi:10.1206/3877.1. hdl:2246/6703. https://www.biodiversitylibrary.org/item/262748. 

外部リンク[編集]