マーサ・グライムズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

マーサ・グライムズ英語:Martha Grimes、1931年5月2日 - )は、アメリカ合衆国推理作家

略歴[編集]

ペンシルベニア州ピッツバーグ出身。ワシントンD.C.およびサンタフェニューメキシコ州)在住。

彼女はペンシルベニア州ピッツバーグ市で市の法務官ウィリアム・ダーミット・グライムズとジューン・ダニントンの間に生まれた。母はウェスタン・メリーランドにマウンテンレイクホテルを所有しており、マーサと彼女の兄弟は子供時代をそこで過ごした。彼女はアイオワ大学、フロストバーグ州立大学、モンゴメリー大学で学び、メリーランド大学学士号修士号を取得した。

グライムズはスコットランド・ヤードの警視リチャード・ジュリーとその友人の元貴族メルローズ・プラントが主人公をつとめる推理小説シリーズで知られている。このシリーズの各巻タイトルはパブの名前に由来している。彼女の読みやすくキャラクター中心の語り口はコージー・ミステリに分類される。1983年には『「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察』("The Anodyne Necklace")でネロ・ウルフ賞を受賞した。

作品リスト[編集]

「警視リチャード・ジュリー」シリーズ

# 原題 出版年 アメリカ合衆国の旗 邦題 出版年 日本の旗 訳者 出版社 備考
1 The Man With a Load of Mischief 1981年 「禍いの荷を負う男」亭の殺人 1985年 山本俊子 文春文庫
2 The Old Fox Deceiv'd 1982年 「化かされた古狐」亭の憂鬱 青木久恵
3 The Anodyne Necklace 1983年 「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察 1986年 吉野美恵子 ネロ・ウルフ賞受賞
4 The Dirty Duck 1984年 「酔いどれ家鴨」亭のかくも長き煩悶 1994年
5 Jerusalem Inn 「エルサレム」亭の静かな対決 1988年 山本俊子
6 Help the Poor Struggler 1985年 「悶える者を救え」亭の復讐 1987年
7 The Deer Leap 「跳ね鹿」亭のひそかな誘惑 1989年
8 I Am the Only Running Footman 1986年 「独り残った先駆け馬丁」亭の密会 1990年
9 The Five Bells and Bladebone 1987年 「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁 1991年 吉野美恵子
10 The Old Silent 1989年 「古き沈黙」亭のさても面妖 1997年 山本俊子
11 The Old Contemptibles 1991年 「老いぼれ腰抜け」亭の純情 1993年
12 The Horse You Came In On 1993年 「乗ってきた馬」亭の再会 1996年
13 Rainbow's End 1995年 「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影 1998年
14 The Case Has Altered 1997年 未訳
15 The Stargazey 1998年 未訳
16 The Lamorna Wink 1999年 未訳
17 The Blue Last 2001年 未訳
18 The Grave Maurice 2002年 未訳
19 The Winds of Change 2004年 未訳
20 The Old Wine Shades 2006年 未訳
21 Dust 2007年 未訳
22 The Black Cat 2010年 未訳
23 Vertigo 42 2014年 未訳
24 The Knowledge 2018年 未訳
25 The Old Success 2019年 未訳

Maud Chadwickシリーズ

# 原題 出版年 アメリカ合衆国の旗 邦題 出版年 日本の旗 訳者 出版社 備考
1 The End of the Pier 1993年 桟橋で読書する女 1994年 秋津知子 文春文庫