ヘノベサ島

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ヘノベサ島
Isla Genovesa
ヘノベサ島のガラパゴスウチワサボテン
所在地 エクアドルの旗 エクアドル
所在海域太平洋
所属諸島 ガラパゴス諸島
座標 北緯0度19分33秒 西経89度56分58秒 / 北緯0.32583度 西経89.94944度 / 0.32583; -89.94944座標: 北緯0度19分33秒 西経89度56分58秒 / 北緯0.32583度 西経89.94944度 / 0.32583; -89.94944
面積 14 km²
最高標高 76 m
ヘノベサ島の位置(ガラパゴス諸島内)
ヘノベサ島
プロジェクト 地形
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ヘノベサ島地形図

ヘノベサ島スペイン語: Isla Genovesa、タワー島、英語: Tower Island)は、東太平洋ガラパゴス諸島にある楯状火山の1つである。諸島の北東端にあり[1]、島の面積は14平方キロメートル、標高76メートル[2]。馬の蹄鉄の形をした島は[3]、南壁が崩壊した火山性のカルデラを持ち、高さ20-30メートルの崖に囲まれた巨大なダーウィン湾を形成している[1]塩水で満たされたアルクトゥルス湖(: Lake Arcturus)がその中心部に位置し、このクレーター湖内の堆積物においては6,000年未満となる。歴史上の噴火はヘノベサ島では知られていないが、火山の側面には極めて新しい溶岩流がある[3]

生物[編集]

この島は「バード・アイランド」すなわちここで営巣する多数かつ多様な鳥の集団繁殖地(: bird colony)として知られる[3]グンカンドリ類が多く生息し、樹上に営巣するアカアシカツオドリの最大の集団繁殖地がある[4]。また、アオツラカツオドリの1亜種とされてきたナスカカツオドリや、アカメカモメウミツバメ類ネッタイチョウ類アカハシネッタイチョウ)、ダーウィンフィンチ類ガラパゴスマネシツグミ(固有亜種 M. p. bauri)を観察できる群島においても最良の場所の1つである。

プリンス・フィリップス・ステップス

イギリスの王子の名から付けられたプリンス・フィリップス・ステップス: Prince Philip's Steps)は[1]、非常に険しい隘路であり、高さ25メートルの絶壁にわたり海鳥の集団営巣地を通る。上部では、トレイル(: Trail)が内陸に続き、細いパロサント (Bursera graveolens) 林にあるより多くの海鳥のコロニーを通過する。疎林を抜けると、岩の露出した地帯が眺望できる。ここでのウミツバメ類の1種、ガラパゴスウミツバメ英語版は他のものとは異なり、日中に飛び回り、捕食者を避けて、夜になると巣穴に戻る[3]

諸島で最も小形で黒みのあるウミイグアナ(固有亜種 A. c. nanus[5])がここに生息する[6]。リクイグアナ類およびヨウガントカゲ類は生息しない[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 水口 (1999)、148頁
  2. ^ 伊藤 (1983)、9頁
  3. ^ a b c d Genovesa”. Galápagos Conservancy. 2017年7月24日閲覧。
  4. ^ 水口 (1999)、149頁
  5. ^ 藤原 (2001)、31頁
  6. ^ 藤原 (2001)、191-192頁
  7. ^ Newton『ガラパゴス』 (2003)、32頁

参考文献[編集]

  • 伊藤秀三『新版 ガラパゴス諸島』中央公論社〈中公新書〉、1983年。ISBN 4-12-100690-9 
  • 藤原幸一『ガラパゴス博物学』データハウス、2001年。ISBN 4-88718-616-9 
  • 藤原幸一、ゴドフレイ・マーレン『ガラパゴス』ニュートンプレス〈Newton ムック〉、2003年。ISBN 4-315-51708-9 
  • 水口博也『ガラパゴス大百科』TBSブリタニカ、1999年。ISBN 4-484-99300-7 
  • "Genovesa". Global Volcanism Program. Smithsonian Institution. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]