ノート:版下 (浮世絵)

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項名変更について[編集]

「版下」・「版下絵」という浮世絵用語は普通に使われるのに対し、「下絵師」は聞きなれない言葉です。調べると、『江戸図鑑綱目』(1689・元禄2年)のこの言葉がありました。内藤正人(2017)『うき世と浮世絵』によると、前載史料には「『浮世絵師』に次いで新たに『版木下絵師』という項目が設けられている。そこには師宣弟子(略)の名前が連なっており、直前の『浮世絵師』項の二人、『菱川吉兵衛師宣』『同吉左衛門』とは区別される(略)文字通り版画や版本向けの版下絵しか描かない絵師、という意であり(略)ただし後摺の例では『版木下絵師』の一行のみ削り、結果として彼らも自然に『浮世絵師』カテゴリーへと合流している」(p.122)。どうやら、浮世絵の始祖とみなされる、菱川師宣の時代限定の用語らしいのです。

ですから、浮世絵版画全般を語るうえで、「下絵師」は適当でありません。「版下」・「版下絵」に変えれば、初期浮世絵から現代まで論じられます。では、どちらが良いか。浮世絵レファレンスブックの権威と言える、『原色浮世絵大百科事典』3巻(1982)、国際浮世絵学会編『浮世絵大事典』(2008)では、共に「版下」を見出し語としているので、こちらに従って改名し、本文も書き直したいと存じます。但し版下項は、印刷用語としてすでに立項されているので「版下(浮世絵)」とする必要があります。「版下絵」ならその心配が無いのですが、上載文献に従いたいと思います。

書き直すもう一つの理由として、「下絵師」立項者が挙げた参考文献、吉田漱(1987)『浮世絵の基礎知識』と、稲垣進一(1990)『図説浮世絵入門』2タイトルに、この用語が載っていないのを確認したからです。初稿ではこれ以外の文献、 藤懸静也(1924)『浮世絵』とその増訂版を挙げていました。こちらも「下絵師」は未記載の為、他の方に消されています。 当初、この項自体、削除依頼するつもりでしたが、出版から20年以上を経ており、入手が容易でない、吉田・稲垣文献を読んでもらう必要があるので、簡単ではありません。それならば、改名・改訂にした方が賛同を得やすいであろうと思った次第です。皆様のご協力をお願い致します。--Falcated会話2020年6月17日 (水) 13:32 (UTC)[返信]