ノート:北朝鮮への不正輸出事件/草案
北朝鮮への不正輸出事件（きたちょうせんへのふせいゆしゅつじけん）は日本から北朝鮮に物品が不正に輸出された事件について記述する。
概要[編集]
日本から海外へ輸出する際外為法により様々な規制があり、それらは主にリスト規制とキャッチオール規制に分けられる[1]。
リスト規制では大量破壊兵器など軍事転用可能なものがリストアップされており[2]、どの国へでもそれを輸出するには経済産業大臣の許可が必要になる。しかしリスト規制品より機微度の劣るものであっても、使い方によっては大量破壊兵器の開発などに寄与するものもある。そのため、リスト規制品に含まれなくても、そのように使われる恐れのある場合は輸出許可が必要になる。これをキャッチオール規制といい懸念品目リストや外国ユーザーリストなどで規制をかけている[3]。北朝鮮の場合は他にも国連制裁決議（1718号[4]、1874号[5]）に基づく経済制裁などによる輸出規制がある[6]。
一覧[編集]
凍結乾燥機不正輸出事件[編集]
凍結乾燥機[7]を無許可で北朝鮮に輸出したとして2006年8月10日北朝鮮籍の男が逮捕された。2002年9月に台湾を経由して凍結乾燥機1台を北朝鮮に不正に輸出した疑い。凍結乾燥機は生物兵器の製造に転用が可能で、キャッチオール規制の対象になっている[8]。逮捕された男は「北朝鮮側から軍事目的で凍結乾燥機が必要という依頼があった」と供述している[9]。
タンクローリー不正輸出事件[編集]
大型タンクローリーを無許可で北朝鮮に輸出しようとしたとして2009年5月19日に韓国籍の男が逮捕された。2008年1月28日に韓国を経由して大型タンクローリー2台を北朝鮮に不正に輸出しようとした疑い[10]。大型タンクローリーはミサイルの燃料運搬や移動式発射台などに転用可能で[11]、キャッチオール規制の対象になっている[12]。韓国はキャッチオール規制の対象にならないホワイト国であり、ホワイト国を経由した北朝鮮への不正輸出が摘発されたのは全国初[13]。
ぜいたく品不正輸出事件[編集]
ぜいたく品を無許可で北朝鮮に輸出したとして2009年6月9日に韓国籍の男が再逮捕された。2008年10月から12月にかけて北朝鮮にベンツ4台、ピアノ34台を不正に輸出した疑い[14]。日本では2006年北朝鮮の核実験による国連制裁決議に基づき北朝鮮へのぜいたく品輸出が禁止されている[6]。経済制裁違反による逮捕は全国初。男は5月にもタンクローリーを不正に輸出したとして逮捕されている[15]。
脚注[編集]
- ^ 補完的輸出規制（キャッチオール規制 ） 経済産業省 2009年7月25日 閲覧
- ^ 輸出貿易管理令別表第１（Ａグループ） 経済産業省 2009年7月25日 閲覧
- ^ ８．「外国ユーザーリスト」及び「懸念品目リスト」、「明らかガイドライン」に関するＱ＆Ａ 経済産業省 2009年7月25日 閲覧
- ^ 国際連合安全保障理事会決議第1718号 和訳 外務省 2009年7月25日 閲覧
- ^ 国際連合安全保障理事会決議第1874号 和訳 外務省 2009年7月25日 閲覧
- ^ a b 禁輸リストを閣議決定 政府、高級食材など２４品目 47NEWS (2006年11月14日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 凍結乾燥機は昇華の原理を利用し、熱を加えることなく水分を飛ばすことができる[1]。
- ^ 北朝鮮に凍結乾燥機を不正輸出、商社の元社長逮捕 読売新聞 (2006年8月10日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 北朝鮮に不正輸出貿易会社元社長を逮捕 日テレNEWS24 (2006年8月10日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 北朝鮮への不正輸出容疑で逮捕 韓国籍の貿易会社社長 47NEWS (2009年5月19日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 北朝鮮へタンクローリー不正輸出容疑 貿易会社長を逮捕 朝日新聞 (2009年5月19日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 北朝鮮タンクローリー不正輸出事件で社長逮捕 (1/2ページ) 産経新聞 (2009年5月19日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 北朝鮮タンクローリー不正輸出事件で社長逮捕 (2/2ページ) 産経新聞 (2009年5月19日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ 不正輸出：北朝鮮にベンツ、容疑の社長再逮捕－－兵庫県警 毎日新聞 (2009年6月10日) 2009年7月25日 閲覧
- ^ ベンツやピアノ輸出容疑 北朝鮮に、社長再逮捕へ 47NEWS (2009年6月8日) 2009年7月25日 閲覧