ノート:アンフィスバエナ

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数点の指摘[編集]

いくつか気になった点があるので挙げておきます。

>プリニウスは著書『博物誌』において、アンフィスバエナが双頭を持つ理由として、「毒を吐き出すのに、一つの口では足りないようだ」と言及している。
これについてはややニュアンスが異なるように思います。該当の箇所を中野の「プリニウスの博物誌」では「アンピスバエナは二つの頭を持っている(略)。それは一つの口から毒を注ぎだすだけでは足りないかのようである」と訳しています。こちら( http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.02.0137:book=8:chapter=35&highlight= )の英文訳についても同様に"as though one mouth were too little for the discharge of all its venom."となっています。従ってプリニウスは双頭の理由を述べたのではないと捉えるのが自然であると思います。(本来なら原語版に当たるべきでしょうがご容赦を)

>また『博物誌』においては、アンフィスバエナは生息地をエチオピアとされている。
これについては自分の調べた限り博物誌にこのような記述は見つかりませんでした。博物誌の英文訳をAmphisbaenaで検索した結果( http://www.perseus.tufts.edu/hopper/searchresults?q=Amphisbaena )、5か所でアンフィスバエナは言及されていますが、この全てにおいてエチオピアはおろか生息地に関する言及さえ行われていません。

>ギリシア神話によれば、ペルセウスが首を斬りおとして殺したメデューサの首を片手にリビア砂漠を渡り歩いた時、彼女の生首から零れ落ちた血液からアンフィスバエナは生まれたと伝わる。
>メドゥーサの血から誕生したとされ、前方の頭が後方の頭にかみついてタイヤのように転がって移動するという。
2か所でメドゥーサの血から生まれたことが記述されており冗長です。--雲霞会話2015年9月8日 (火) 11:03 (UTC)[返信]

後ろの2点については同意しますが、最初の1点については現在の文章でも解釈としては問題ないと思います。一例として、ドイツの権威ある美術辞典Reallexikons zur Deutschen KunstgeschichteAmphisbaenaの項目には「プリニウスは、二つ頭があることを、この蛇が吐き出す大量の毒でもって説明している」とあります。--toroia会話2015年9月9日 (水) 21:29 (UTC)[返信]
ありがとうございます。それでは1番目については取り下げさせてください。--雲霞会話2015年9月11日 (金) 15:43 (UTC)[返信]
雲霞さん、こんばんは。Æskjaです。「『博物誌』ではアンフィスバエナの生息地はエチオピアとしている」という旨の記述につきまして、今回の編集に当たって当方も調べてみました。『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』(松平俊久著、原書房、2005年)にも同様の記述がありますが、『世界の怪物・神獣事典』(キャロル・ローズ著、原書房、2004年)と『世界幻想動物百科 ヴィジュアル版』(トニー・アラン著、原書房、2009年)にはそうした記述はありませんでした。あるのは、ルカヌスの『ファルサリア』では「北アフリカの砂漠に棲み」(ローズ)、「リビアを横断するカトーの軍を襲った蛇」(アラン)だということと、アランが本文外に記した「生息地 リビアの砂漠」です。既に挙げられた2冊の参考文献(日本で刊行)と松平氏による書籍ではエチオピアと言っているのに、原著が日本国外で出版された書籍ではどうやらリビアだということになっているようです。さらに、雲霞さんが実際に『博物誌』をご覧になってエチオピアという記述が無いことも確認されております。そのため、「『博物誌』ではエチオピア」の記述は、目立ちにくい注釈に移動し、「そのように説明している書籍もある」という書き方に修正させていただきました。本文中でも、「生息(出現)地の情報は『ファルサリア』ではリビアまたは北アフリカ」といった書き方に修正させていただきました。もし問題などありましたら、遠慮無くご指摘いただけますと幸いです。(雲霞さんに限らず、toroiaさんや、どなたでも。)--Æskja会話2015年9月27日 (日) 14:29 (UTC)[返信]
お手数をかけて申し訳ありません。原理原則的に言うと、私は博物誌をソースに生息地をエチオピアであるとする文献については記述するべきではないと思っています。ただ、現実問題として日本の怪物本でここまで広まっている以上、完全に削除しても未来の誰かが追加するだけだろうとも思っています。話を一旦変えますが『幻想動物事典』『幻想世界幻獣事典』については明確に典拠をプリニウスの博物誌としています。しかし『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』は若干異なっていて「出自 (1)ギリシア=ローマ神話…レムノス島 (2)博物誌…エチオピア、レムノス島。プリニウス『博物誌』、トプセル『爬虫類動物誌』ほか (3)…(以下略)」と若干ボカした書き方になっています。エチオピアの典拠が『博物誌』なのか『爬虫類動物誌』なのかその他の本なのか、断言できないのです(もちろん常識的な読み方をすれば少なくとも『博物誌』には含まれると受け取るはずですが……)。ですから『幻想動物事典』『幻想世界幻獣事典』についてはこの件のソースとするべきではないと考えますが『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』をソースに用いることについては反対はしません(積極的に推奨もしませんが)。話を戻すとÆskjaさんが先に更新されたような形でエチオピア説とソースの『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』を残しておくことで、未来の誰かが追記することを防ぐ効果もあると思います。こうした自分の考えを反映させて一旦記事を更新してみます。--雲霞会話2015年10月18日 (日) 08:14 (UTC)[返信]
雲霞さん、こんばんは。私の編集はほんとうに応急処置程度のつもりでしたので、お気になさらず編集なさってください。(正直申しあげて「原書房の本だから大丈夫」と思っていただけに少々がっかりしているところです。それでも参考文献に用いておりますが…。)--Æskja会話2015年10月20日 (火) 13:20 (UTC)[返信]
余談なので前回書こうかどうか悩んで結局書くのをやめたのですが、『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』の作者の松平氏は実際に『博物誌』にあたってみたのではないかと思うのです。そこでエチオピアについての記述を見つけることができなかったが、あまりにも他の書籍が自信満々に『博物誌』を出典としているので、若干ボカして「(2)博物誌…エチオピア、レムノス島。プリニウス『博物誌』、トプセル『爬虫類動物誌』ほか」と書いたのではないでしょうか。ないことの証明は困難ですし(実際私も大口を叩いたので「ここに書いてるじゃないか!」と指摘される事を恐れています)。完全な憶測なのですが、おそらく他の方よりは真剣に執筆に臨んでいたのではないかと思います。--雲霞会話2015年10月20日 (火) 14:44 (UTC)[返信]
間違わないことを追求するあまり、不正確なことを含めると本末転倒なので、エチオピア云々は消してしまってもいいと思います。万が一、『博物誌』から該当部分を引用できてしまったときに訂正すれば済む話なので。--Askr会話2019年1月23日 (水) 15:40 (UTC)[返信]

エチオピア説について[編集]

神曲』の「地獄篇・第八圏 悪意者の地獄 ・第七の嚢 盗賊」に以下のような連があります。

E vidivi entro terribile stipa
     Di serpenti, e di sì diversa mena,
     Che la memoria il sangue ancor mi scipa.
Più non si vanti Libia con sua rena;
     Che, se chelidri, iaculi e faree
     Produce, e ceneri con amfisibena,
Nè tante pestilenze ne sì ree
     Mostrò giammai con tutta l’Etiopia,
     Nè con ciò che di sopra il mar rosso èe.

ダンテウィキソース出典  (イタリア語) Pagina:Commedia - Inferno (Lana).djvu/400, ウィキソースより閲覧。 

「この地獄には恐ろしい毒蛇がいっぱいいた。(それに比べると、)リビアの砂漠がケリュドロス(en:wikt:chelydre#English)~アンフィスバエナなどの毒蛇を産すると言っても大したことはない。あるいはエチオピア全土や紅海を越えたところ(の蛇)を併せても大したことはない」という大意で、前知識なしで読むとアンフィスバエナがリビアだけではなくエチオピアとアラビア半島にも生息しているようにも読めます。

ただし、本の註釈によると、ここで出てくる5種類の蛇の名前は全て『ファルサリア』からの引用なので、ダンテは「アンフィスバエナはリビア産」以上の意図は持っていないでしょう。小カトーが行軍して蛇に出会ったのはリビア砂漠なので、単に砂漠繋がりで東部砂漠アラビア砂漠があるエチオピアとアラビア半島(の蛇)に言及したようです。もしかしたら、すぐ後ろで出てくるエリトロピア("elitropia" ブラッドストーン)と韻を踏むためかもしれませんが。--Askr会話2019年1月23日 (水) 15:40 (UTC)[返信]

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