ナイデ・ゴメス

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ナイデ・ゴメス Portal:陸上競技
2009年世界選手権にて
選手情報
フルネーム Enezenaide do Rosário da Vera Cruz Gomes
ラテン文字 Naide Gomes
国籍 ポルトガルの旗 ポルトガル
種目 走幅跳, 七種競技
所属 スポルティングCP
生年月日 (1979-11-20) 1979年11月20日(44歳)
出身地 サントメ・プリンシペ
居住地 リスボン
身長 181cm
体重 70kg
公式サイト Naide Gomes
自己ベスト
60m 7秒84 室内 (2004年)
100m 12秒56 (2001年)
200m 24秒87 (0.0) (2005年)
400m 57秒91 室内 (2005年)
800m 2分16秒31 (2005年)
2分21秒53 室内 (2002年)
60mハードル 7秒84 室内 (2005年)
100mハードル 13秒52 (+1.0) (2004年)
走高跳 1m86 (2002年)
1m88 室内 (2004年)
走幅跳 7m12 (+1.3) (2008年)
7m00 室内 (2008年)
砲丸投 14m71 (2004年)
15m08 室内 (2004年)
円盤投 35m28 (2003年)
やり投 42m86 (2000年)
五種競技 4759点 室内 (2004年)
七種競技 6230点 (2005年)
獲得メダル
陸上競技
ポルトガルの旗 ポルトガル
世界室内選手権
2004 ブダペスト 五種競技
2008 バレンシア 走幅跳
2006 モスクワ 走幅跳
2010 ドーハ 走幅跳
ヨーロッパ選手権
2006 イェーテボリ 走幅跳
2010 バルセロナ 走幅跳
ヨーロッパ室内選手権
2005 マドリード 走幅跳
2007 バーミンガム 走幅跳
2002 ウィーン 七種競技
2011 パリ 走幅跳
ユニバーシアード競技大会
2005 イズミル 走幅跳
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ナイデ・ゴメス(Enezenaide do Rosário da Vera Cruz Gomes, OIH英語版, 1979年11月20日 - )は、ポルトガルの女子陸上競技選手。専門は走幅跳七種競技100mHサントメ・プリンシペ出身、後にポルトガル国籍を取得した。スポルティングCP所属。2000年シドニーはサントメ・プリンシペ代表、2004年アテネ・2008年北京はポルトガル代表として3大会連続でオリンピックに出場した。

経歴[編集]

サントメ・プリンシペに生まれた。祖父はポルトガル人で母語はポルトガル語である。健康上の理由で数年先にリスボンへ移住した母を追って11歳で同地に移った[1][2]。13歳から陸上競技を始め、1998年からスポルティングCPに所属している。2000年9月、サントメ・プリンシペ代表としてシドニーオリンピックに出場し、開会式で同国代表選手団旗手を務めた[3]。100mハードル、走幅跳、走高跳、三段跳、砲丸投、やり投、七種競技でサントメ・プリンシペ記録を樹立した[4]

2001年にポルトガル国籍を取得[5]、以来主要な国際大会で同国代表を務めた。2004年3月にブダペストで開かれた世界室内選手権五種競技で優勝を飾った。8月のアテネオリンピック七種競技に出場して13位だった。2005年3月のヨーロッパ室内選手権は走幅跳に出場し、6m60の室内ポルトガル新記録で優勝した[6]。8月のユニバーシアードリュドミラ・コルチャノワ英語版に次ぐ2位に入った[7]ヘルシンキで開催された世界選手権は2種目に出場し、七種競技で7位入賞の成績を残した。

2006年3月にモスクワで開かれた世界室内選手権は6m76の室内ポルトガル新記録を樹立して2位に入った[8]。当初はロシアタチアナ・コトワが優勝しゴメスは3位だったが、コトワは2005年世界選手権時のドーピング違反が2013年に発覚したためメダルが剥奪され、ゴメスらの順位が繰り上がっている[9][10]。同年8月にイェーテボリで開催されたヨーロッパ選手権は走幅跳に出場、6m84をマークして2位となり銀メダルを獲得した[11]

2007年3月のヨーロッパ室内選手権は走幅跳で優勝、室内ポルトガル記録を6m89に更新した。7月22日にマドリードで行われた競技会で7m01を記録し、ポルトガル女子走幅跳選手で初めて7mを突破した[12]。8月に大阪で開かれた世界選手権の走幅跳は1回目に6m87を記録、その後タチアナ・レベデワらロシア勢に逆転されて4位となった[13]

2008年3月にバルセロナで開かれた世界室内選手権の走幅跳は、5回目に7m00をマークしてブラジルのマウレン・マギを逆転、金メダルを獲得した[14][15]。同年7月22日、ストックホルムのIAAFスーパーグランプリ・DNガランでポルトガル新記録の7m04をマークして勝利[16]。7月29日、モナコのIAAFスーパーグランプリ・ヘラクレスで同国新記録と同年のシーズン世界最高記録となる7m12をマークして優勝した。北京オリンピックは金メダル獲得が有力視された[2]。しかし8月19日に出場した予選では2回連続ファウルを犯し、最終3回目も6m29の記録で決勝進出を逃した[2][17]。9月にIAAFワールドアスレチックファイナルで優勝を飾った。この後腹部ヘルニアの矯正手術を受けた[2]。2009年7月のポルトガル語圏競技大会走幅跳は6m74の記録で優勝[18]。7月のロンドングランプリは大会新記録となる6m99をマークし優勝した[19]。8月、ベルリン世界選手権は4位だった。2010年3月にドーハで開かれた世界室内選手権は6m67の記録でブリトニー・リースに次ぐ2位に入った[20]。2008年頃からアキレス腱に怪我を抱えており[2][19]、2012年には腱断裂が再発したためロンドンオリンピックに出場できなかった[21]

主な成績[編集]

大会 場所 種目 順位 記録
サントメ・プリンシペの旗 サントメ・プリンシペ
1999 アフリカ競技大会 南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ 七種競技 5位
2000 オリンピック オーストラリア シドニー 100mH 1次予選 14.43 (+1.1)
ポルトガルの旗 ポルトガル
2002 ヨーロッパ室内選手権 オーストリア ウィーン 五種競技 2位
ヨーロッパ選手権 ドイツ ミュンヘン 走幅跳 10位
2003 世界室内選手権 イギリス バーミンガム 五種競技 5位 4476
2004 世界室内選手権 ハンガリー ブダペスト 五種競技 優勝 4759
オリンピック ギリシャ アテネ 七種競技 13位 6151
2005 ヨーロッパ室内選手権 スペイン マドリード 走幅跳 優勝 6m70
ユニバーシアード競技大会 トルコ イズミル 走幅跳 2位 6m56 (-0.2)
世界選手権 フィンランド ヘルシンキ 走幅跳 予選 6m42 (+0.1)
七種競技 7位 6189
2006 世界室内選手権 ロシア モスクワ 走幅跳 2位 6m76 室内ポルトガル記録
ヨーロッパ選手権 スウェーデン イェーテボリ 走幅跳 2位 6m84
IAAFワールドカップ ギリシャ アテネ 走幅跳 2位 6m68 (+0.3)
2007 ヨーロッパ室内選手権 イギリス バーミンガム 走幅跳 優勝 6m89 室内ポルトガル記録
世界選手権 日本 大阪 走幅跳 4位 6m87 (+0.7)
2008 世界室内選手権 スペイン バレンシア 走幅跳 優勝 7m00 室内ポルトガル記録
オリンピック 中華人民共和国 北京 走幅跳 予選 6m29
IAAFワールドアスレチックファイナル ドイツ シュトゥットガルト 走幅跳 優勝 6m71
2009 ヨーロッパチーム選手権 ポルトガル レイリア 走幅跳 優勝 6m83
ポルトガル語圏競技大会 ポルトガル リスボン 走幅跳 優勝 6m74
世界選手権 ドイツ ベルリン 走幅跳 4位 6m77 (+0.5)
2010 世界室内選手権 カタール ドーハ 走幅跳 2位 6m67
IAAFコンチネンタルカップ クロアチア スプリト 走幅跳 5位 6m52 (+0.5)
2011 ヨーロッパ室内選手権 フランス パリ 走幅跳 2位 6m79
世界選手権 大韓民国 大邱 走幅跳 10位 6m26 (-0.2)

出典・脚注[編集]

  1. ^ Naide Gomes: Portugal’s Special One アーカイブ 2013年11月11日 - ウェイバックマシン IAAF (2007-06-01). 2013年11月11日閲覧
  2. ^ a b c d e António Manuel Fernandes (2008-11-12). GOMES QUIETLY SETS 7.20M AND BEYOND AS HER GOAL IAAF. 2013年11月11日閲覧
  3. ^ Sao Tome and PrincipeArchived 2020年4月17日, at the Wayback Machine. Sports-Reference.com 2013年11月11日閲覧
  4. ^ São Tomé and Príncipe athletics records”. 2007年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月11日閲覧。
  5. ^ GOMES TO FACE AN ARRAY OF PAST WINNERS IN DESENZANO IAAF (2004-05-05). 2013年11月11日閲覧
  6. ^ Bob Ramsak (2005-03-04). EUROPEAN INDOOR CHAMPS - DAY ONE - AM SESSION - WOMEN'S EVENTS IAAF. 2013年11月11日閲覧
  7. ^ Universiade 2005 Izmir - WOMEN'S Long Jump Final FISU. 2013年11月11日閲覧
  8. ^ 11th IAAF World Indoor Championships Long Jump - women IAAF. 2013年11月11日閲覧
  9. ^ Russia should not hold World Championship - Jade Johnson BBC. 2013年11月11日閲覧
  10. ^ Russian athletes banned for doping SBS (2013-09-18). 2013年11月11日閲覧
  11. ^ Bob Ramsak (2006-08-13). Tomashova Leads Russian Victory Parade - European Champs Day Seven アーカイブ 2013年11月11日 - ウェイバックマシン IAAF. Track & Field News. 2013年11月11日閲覧
  12. ^ Emeterio Valiente (2007-07-22). VLASIC AND LEBEDEVA IN A CLASS APART IN MADRID – IAAF WORLD ATHLETICS TOUR IAAF. 2013年11月11日閲覧
  13. ^ OSAKA2007 Long Jump - W FINAL Archived 2007年10月18日, at the Wayback Machine. IAAF. 2013年11月11日閲覧
  14. ^ RESULTS 12TH IAAF WORLD INDOOR CHAMPIONSHIPS IAAF. 2013年11月11日閲覧
  15. ^ Parker Morse (2008-03-09). Valencia 2008 - HIGHLIGHTS Day 3 アーカイブ 2013年11月11日 - ウェイバックマシン IAAF. 2013年11月11日閲覧
  16. ^ Laura Arcoleo (2008-08-05). WOMEN’S LONG JUMP - PREVIEW IAAF. 2013年11月11日閲覧
  17. ^ Gomes out in qualifying AP. TEAM USA (2008-08-19). 2013年11月11日閲覧
  18. ^ Fernandes, António Manuel (2009-07-14). Évora, another title in Lisbon. IAAF. Retrieved on 2009-07-23.
  19. ^ a b Matthew Brown (2009-07-25). BOLT AND GAY HIGHLIGHT; DEMUS AND DIBABA WORLD LEADS IN LONDON, DAY 2 - IAAF WORLD ATHLETICS TOUR IAAF. 2013年11月11日閲覧
  20. ^ Parker Morse (2010-03-14). DOHA 2010 - TAMGHO'S TRIPLE ENDS CHAMPIONSHIPS WITH A BANG - SUNDAY WRAP IAAF. 2013年11月11日閲覧
  21. ^ Simon Turnbull (2012-06-13). Forget the doomsayers. GB athletes can win 16 medals at Games, says stats man The Independent. 2013年11月11日閲覧

外部リンク[編集]

タイトル
先代
ロシア リュドミラ・コルチャノワ英語版
女子走幅跳シーズン世界最高記録
2008年
次代
アメリカ合衆国 ブリトニー・リース